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ブラムリー・アップルの魅力 ~スープラボ・サブレポート~

ブラムリー・アップルを、ご存じですか?今朝は、このとても魅力的なりんごを紹介したいと思います。

ブラムリーは調理用の青りんごの品種です。
生で食べるとびっくりするほど酸っぱい!でも、豊かなりんごの風味がする、りんごらしいりんごです。ジャムやジェリー、ジュースやシードル、アップルパイやケーキ、そして肉料理のソースにと、いろいろな料理に使えます。

特長としては
1.強い酸味と、糖分が少ないこと。
2.加熱すると、なめらかに煮とけるので
アップルパイなどには、そのまま使えること。
3.加熱後も、その香りが持続すること
4.ビタミンCが多いこと
(ブラムリーファンクラブ ブログより抜粋)

日本ではなじみのないこのりんご、実はイギリスではりんごの生産量の40%を超えるシェアを占める、非常にポピュラーな品種。育てやすく保存性も高いことから、戦時中には国策として庭にブラムリーを植えることが奨励されたそう。どの家の庭にもあるなんて、日本の柿のような存在でしょうか。

さて、りんごのスープをお出しした今回のスープラボには、このブラムリーアップルのファンクラブのメンバー、えのっちさんにご参加いただき、ブラムリーの魅力をたっぷり語ってもらうことができました。

ブラムリーは日本では生産が少ないのですが、「栗の町」で有名な長野県の小布施町が20年ほど前、新しいりんごの発信地になろうと英国王立園芸協会から取り寄せた苗木でブラムリーの栽培をはじめました。

実は昨年の8月、私も初めてブラムリーを小布施から取り寄せたのです。

調理用なので、傷のあるりんごも入っていますし、大きさもまちまち。もちろん使用にはまったく問題ありません。

さっそく煮てみました。あっという間にぐずぐずに煮崩れます。煮ても甘さが出てくるわけではないので、砂糖を結構たくさん入れます。すると酸味と甘みのバランスがとれて、素晴らしいピュレに。

ピュレは、このままジャムのように食べても、ここから料理にも使えます。

もちろんスープも!

 ブラムリーのポタージュ。蒸し鶏とブラムリーをオリーブオイルと塩であえたマリネをトッピングしています。 

こちらは、アボカドのポタージュに、甘いブラムリーのピュレをトッピングしたポタージュ。ちょっとおしゃれな味です。

ブラムリーのピュレでマリネしてオーブン焼きしたチキン。肉汁を煮詰めたソースをかけると酸味はなくなり、ほんのりりんごの香るローストチキンに。

そして、ブラムリーの真骨頂、アップルジェリー。皮も芯も一緒に水煮したブラムリーの汁を時間をかけて濾過し、砂糖を加えてりんごの持つペクチンで固めます。透明感のある、きれいな味のジェリーになります。
詳しいレシピは、画家の望月麻里さんが、辰巳芳子さんに教わったものをこちらに掲載してくださっています。ぜひどうぞ。

http://blog.livedoor.jp/apple5555/archives/cat_50053774.html

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さて、ブラムリーがどんなりんごか、想像いただけましたか?
今回のスープラボでは、夏から冷蔵庫に大切にしまってあった最後のブラムリー2個を用意しました。数が少ないので実験スープには使えません。でも、りんごのスープの味見をするとき、一緒にお出ししました。カットしたブラムリーを初めて食べたゲストの方々は、とても驚き、また興味を持ってくれたようです。きれいな味、とおっしゃった方がいました。また、香りがルバーブに似ている、という方もいました。

今回はりんごのスープのほかに、チョコレートのスープもお出しして、さまざまなものをディップしました。生ブラムリーにチョコレートを合わせると生では食べにくい酸味が、チョコレートで中和されます。強くしっかりした味だからチョコレートにも負けません。

ブラムリーは19世紀初め、英国でひとりの少女が庭にまいたりんごの種から、偶然誕生したりんごなのだそう。各家庭の庭に育ち、家族の歴史を見守ってきました。この記事ではブラムリーの味にフォーカスしてお伝えしましたが、こうした物語性も愛される理由のようです。調理用りんごとしてのブラムリーアップルは徐々に日本でも認知されはじめ、大口の取引先も増えているとのこと。ますます生産が増え、他のリンゴと同じようにスーパーで買える日が来るといいですね。

今回のラボでは紅玉りんごを使ったスイートスープとお食事スープを味見しながら、ブラムリーの話や、調理用りんご、調理用フルーツの興味深いお話を聞くことができました。えのっちさん、ありがとうございました。

ブラムリーの花が咲くころ、小布施にりんごの木を見に行きたいと思います。

ブラムリーの基本情報は、こちらのファンクラブブログで!
http://blog.livedoor.jp/apple5555/archives/cat_50044652.html

読んでくださってありがとうございました。日本をスープの国にする野望を持っています。サポートがたまったらあたらしい鍋を買ってレポートしますね。