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#創作ハウツー

あなたの作家としての「生存率」を上げてくれる本|冲方丁著『生き残る作家、生き残れない作家 冲方塾・創作講座』|monokaki編集部

こんにちは、「monokaki」編集部の碇本です。 「小説の書き方本を読む」の第七回です。前回の大沢在昌著『小説講座 売れる作家の全技術 デビューだけで満足してはいけない』では、作家とは「持続」していくことという長期的な視野が必要であり、同時に毎年一定のレベルのもの出し続けていく大変な仕事であるということを取り上げました。シビアですがそれが現実である以上、作家志望者が目を背けられない問題です。 この連載は取り上げた書籍の一部を紹介する形になっています。そこでなにか引っかか

物書きのための校正教室|逢坂千紘

 はじめまして、翻訳者・校正者・小説家の逢坂千紘(あいさかちひろ)です。今回は、文字やことばをシビアに見直す「校正」という作業について、創作とからめて話したいと思います。どうぞ、よろしくお願い致します。  私から伝えたいことはひとつです。原稿、キレイにしませんか?――たった、これだけです。  編集者に見せる企画書や原稿、そのままウェブなどを通じて読者に見せる作品、それをもっとキレイに仕上げることができたら、見るひとの反応も変わります。特にたくさんの原稿が送り込まれてくる「

性格に著作権はない!?魅力的なキャラを作ろう|monokaki編集部

昨年の夏に、「プロットを作りはじめる前の4つの質問」という記事を掲載しました。 初公開から半年以上経つというのにいまだにアクセスがあり、定期的にTwitter上でも話題に上る、monokakiの人気記事です。 ワークシート付きで、実際に記入しながらストーリーの骨子を作ることができるのが人気の秘訣でしょうか? 本記事はその続編(?)です。 「登場人物の性格が、どうしても似たり寄ったりになる」 「キャラクターが地味と言われる」 「魅力的なキャラ、ってどうすれば作れるの!?」

これで長編が最後まで書ける!三幕八場構成を学ぶ|monokaki編集部

 昨年、フィルムアート社から刊行されている『ストーリー ロバート・マッキーが教える物語の基本と原則』の抄録をmonokakiに特別掲載しました。作家・脚本家の堺三保さんが書く同書の解説に、こんなくだりがあります。 ここ数年、いくつかの講座で小説や脚本の構成について、作家志望の人々に教えている。そこで最も痛切に感じることは、多くの人が「こんな話を書きたい」という語るべき何事かを抱えているにも関わらず、うまくそれを形にすることができずにいるということだ。そういう人たちの場合、登

プロットを作りはじめる前の4つの質問|monokaki編集部

「作品を書き始めることはできるけど、完結させることができない」 「最初はよくても、だんだん今書いているものに飽きてしまう」 「書き進めるうちに、世界観設定が自分でもわからなくなる」…… こんな悩みを持ったことはありませんか? 「書き始める前にプロットを作ればいいのでは?」とは思うものも、そもそも「プロット」を作ったこともないし、作り方もわからない……。 今回は、そんな物書きさんのために、「プロット以前の段階」で作品を整理するための、4つの質問を用意しました。 書き始める前で

あなたの「書きたい」気持ちを高める本|ジュリア・キャメロン『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』|monokaki編集部

こんにちは、「monokaki」編集部の碇本です。 「小説の書き方本を読む」の第二回です。前回の三浦しをん著『マナーはいらない 小説の書きかた講座』の記事 は大好評でした。読んでくださった皆さんありがとうございます。この連載は取り上げた「小説の書き方」本がどんなことを書いているのかをお伝えするものです。記事を読んでみて、なにか引っかかる部分や、自分に響いたという箇所があれば、ぜひ書籍を手に取ってもらえればと考えています。 第二回は「monokaki」で以前にも海猫沢めろんさ

「売れるもの」と「自分の得意・不得意」のバランス|二軒目〔後編〕|黒澤広尚

『創作居酒屋』そこは編集者・作家・書店員・漫画家・イラストレーター・サイト運営者・読者など分け隔てなく、書籍業界にかかわる人々が集まり、創作論を語り合う居酒屋である。 どうも皆様お疲れ様です。 5月も終わり、これからいよいよ夏本番ですね。2019年がもう半分経過しようとしているという事実を受け入れにくい黒澤です。 この半年間、ニュースもいろいろありましたが、Web小説業界では「LINEノベル」「ノベマ」「ノベルアッププラス」「セルバンテス」等、この半年で新サービスが数多く

「ミステリー」って何ですか?|王谷 晶

雨は夜更け過ぎに雪へと変わるだろう Oh……王谷晶である。この業界で何年働いても年末進行のシステムがよく分からない。よく分からないが、髪が全白髪になって今にもサンタさんに変身しそうに忙しい。そんななか当連載担当編集I氏から「次回はミステリーでひとつ」とお題が送られてきた。 正直、この瞬間に脳内にポップアップしてきたのは「めんどくさいお題だな……」である。なぜミステリーについて語るのがめんどくさいのか? それはマニアがいっぱいいるジャンルだからである。 アホなのでトリックが思

「ホラー」って何ですか?|王谷 晶

箸が転んでもビビり場合によってはチビったりもする三国一の怖がりやさん、王谷晶である。夏といえばホラー、ホラーといえば夏だ。ホラー小説というのは一定数のファンがおり、たまに映画化等メディアミックスも含めたメガヒットも出てくるジャンルである。となればたとえチビりながらでも市場に参入するのが商売人の道。今回は小説で描く恐怖表現について語りたい。 ホラーには二種類の「こわい」がある怪談、サイコスリラー、スプラッタ、幽霊譚……怖い話もいろいろあるが、ざっくり分けると二種に分類できる。

「SF」って何ですか?|編集 ミヤケル

 みなさん、「Project ANIMA」ってご存知ですか?  途方もなくざっくりいうと「いっちゃんおもろいアイデアを、超一流スタッフがアニメにしちゃいまっせ!」という、感じの投稿イベントです。 企画書でも応募ができるので、これはもう参戦するっきゃありません。 (2018年4月15日が第一弾の〆切!)  だがしかし!  第一弾のテーマ「SF・ロボットアニメ部門」に、私は引っかかるのです。 (「SFって何ですか?」というタイトルにしてしまいましたが、これはもう議論が尽きな

「BL」って何ですか?|王谷 晶

「BL」ってなんですか――? このタイトルをタイプして真っ先に口をついて出たのは「……人生?」の一言でした。王谷晶である。BLによって生かされ、BLによって(財布が)死んでいる一介のボーイズラブ愛好家だ。 いきなりだが今回はだいぶ書きにくい。先に言ったとおり私にとってBLというものは「生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え」としか言い表しようがないからだ。しかし本稿は小説の書き方をレクチャーするコーナーなので、宇宙の真理は一旦置いておいて、物書きの視点からBLとい

「恋愛」って何ですか?|王谷 晶

好きとか嫌いとか最初に言い出した奴は誰だぁ! 王谷晶である。今年のバレンタインは担当編集から貰ったチョコを貪り食って過ごしたので事なきを得たが、浜の真砂は尽きるとも世に色恋沙汰の悩みは尽きまじ。諸君も一度は「恋愛」について悩んだことがあると思う。どうやって書きゃいいのかと。 作者本人の経験値は関係ないというわけで今回は「恋愛」をどう書くかにフォーカスする。まず基本のキだが、恋愛もセックスも殺人も宇宙戦争も異世界転生も、経験してなくても書ける。ぜんぜん書ける。書いていい。小説

「青春小説」って何ですか?|王谷 晶

青春――何も怖いものなんか無かったあのころ。二月になれば無邪気にバレンタイン・デーを意識し、密かに胸をときめかせていた少女時代。あのときの私はまだ知らなかった。二月は甘いチョコレートの事だけ考えてればいい季節じゃない。大人の二月には、確定申告があることを――。 はい、というわけで王谷晶なんですけどね。本当に中学高校あたりで義務化しておいてほしい、確定申告のやり方と税金についての授業。フリーになってもう何年も経つがいまだによく分かってないし、かと言って税理士に頼めるほど儲かっ

純文学はWebにアップするべき?老舗新人賞に送るべき?|monokaki編集部

小説作品が誕生する場として、投稿サイトはすでに非常に大きな存在になっています。ライトノベル的な作品(という定義もいろいろなのでしょうが)を手がける編集者は、エブリスタさんほか各サイトのパトロールを熱心にやっているはずです。この流れは今後、たとえば純文学的な作品にも拡がってゆくのでしょうか? 前回に引き続き、新潮社「yom yom」編集長の西村博一さんに答えてもらいました! 投稿サイトに純文学作品が少ない理由【質問】 純文学に近い路線で商業作家を目指しています。ですが、新人