私の読書●小説家志望の読書日記⑦伊藤計劃×円城塔『屍者の帝国』
プロローグが伊藤氏の絶筆で、あとを円城氏が書き継いで完成させたという作品。
結論。あえて先を書く必要などなかったのではないか。売れることを見越した出版界の思惑の産物かと思ってしまう。文体のみならず、感性も思索、あるいは思想もまったく異なるものになってしまった。登場人物の造形もあやふやで個性がない。エピローグだけでも十分に期待させたそれがまったくない。毒を吐くなら「エピローグ」を「屍者」化してしまった作品だ。やはり、今やかなわぬこととはいえ伊藤氏自身の作品を読みたかったと思