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私の読書●小説家志望の読書日記

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日々の読書の感想・雑記です。 お気軽に覗いていただければ幸いです。
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#伊藤計劃

私の読書●小説家志望の読書日記⑦伊藤計劃×円城塔『屍者の帝国』

 プロローグが伊藤氏の絶筆で、あとを円城氏が書き継いで完成させたという作品。  結論。あえて先を書く必要などなかったのではないか。売れることを見越した出版界の思惑の産物かと思ってしまう。文体のみならず、感性も思索、あるいは思想もまったく異なるものになってしまった。登場人物の造形もあやふやで個性がない。エピローグだけでも十分に期待させたそれがまったくない。毒を吐くなら「エピローグ」を「屍者」化してしまった作品だ。やはり、今やかなわぬこととはいえ伊藤氏自身の作品を読みたかったと思

私の読書●小説家志望の読書日記⑥伊藤計劃『虐殺器官』

 非常に非常に面白かった。  それにしても、この作品もおそらく根っこにはドストエフスキーの問いがある。  『カラマーゾフの兄弟』における、イワン・カラマーゾフの思索と懐疑をほうふつとさせる展開があるのだ。私が思っていた以上に、ドストエフスキーは現代日本作家のなかの特定の部分に大いなる影響を与えていると思われる。ドストエフスキーは、「答え」よりは「問い」あるいは「懐疑」をとことんまで突き詰めて書いた作家だ。たとえそれが信仰にいたる道を究めようとするものであったとしても、いわ