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スマホの充電が月一回??   空気電池!!

〜 注目される次世代の電池 〜

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 2015年のパリ協定を機に、世界は今、本格的に地球温暖化対策に取り組んでいます。
 そのための「エネルギー・環境イノベーション戦略」の対象技術の一つに「次世代蓄電池」があります。
 今日は、私たちの生活を大きく変える「夢の電池」に注目してみます!

〜 今はリチウムイオン電池の時代〜

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 現在、大活躍している蓄電池が「リチウムイオン電池」です。
 先日、吉野彰博士がノーベル賞を受賞し、再注目されましたね。

 リチウムイオン電池は          『エネルギー密度が高い(小型・軽量)』   『パワーが大きい』             『寿命が長い』
という性質を生かし、スマホ、PC、スマートウォッチ、デジタルカメラ・・・だけでなく自動車にも利用されるスーパー電池です。

 まだまだリチウムイオン電池の時代は続きますが、残念ながらリチウムイオン電池の性能は理論上の限界に近づきつつあります。

 そこで、今、リチウムイオン電池の限界を超える革新的蓄電池の開発が進められています。
 その中の一つが「空気電池」です!

〜 空気電池とは? 〜

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 通常、電池はマイナス極とプラス極それぞれに反応する物質を入れてありますが、空気電池はプラス極で反応する物質が空気中の酸素なので、電池に穴を空けておくだけでいいんです!

 プラス極に物質を入れる必要がないため、そのぶん小型化・軽量化が可能となり、      『エネルギー密度が高い(小型・軽量)』   という特徴をもちます。

 これは、リチウムイオン電池の限界を大きく超えるんです!
 実際に、実用化に向け研究している方とお話ししたところ、理論上、スマホの充電が月に一回でよくなるとのこと。なんと。

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 また、空気電池には『安全性が高い』という特徴もあります。

 リチウムイオン電池は多重の安全対策が施されているため、普通に使用するには安全ですが、それでも発火や爆発の事故がありましたね。
 これは、リチウム自体反応性が高く、電解質に燃えやすい物質(有機溶媒)を用いているからなんです。

 しかし、空気電池は(リチウムを使うものもありますが)亜鉛やアルミニウム、水溶液など空気中で安定な物質だけで作ることができるため、爆発や発火の心配がありません。
 また、リチウムイオン電池に使われている「コバルト」のような希少金属を使用しないため、コスト面でも期待できます。
(現在コバルト不足が深刻で、国際価格は2年間で3倍以上になっています。)

〜 実用化されている空気電池 〜

 充電できないタイプの空気電池はすでに実用化されています。

 例えば、とっても小さい補聴器の電池です。 電池に穴が空いていて、シールを剥がすと、空気と接触し、放電が始まります。

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 そして、東日本大震災の教訓から作られた、災害時用の電池です。

 災害時、スマホの充電ができなくなると、大切な人と連絡が取れなくなったり、情報を得ることができなくなってしまいます。

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 この空気電池には水を入れなくてはいけませんが、水以外にも、海水、お風呂の残り湯、そして尿でも代用できます。         

 水や海水を使った場合、スマホの充電20回分できます。

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 中身は次のようになっています。

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 私が指を入れている部分に水を入れます。そして、黒い部分がプラス極で、空気と接触します。

  USBポートに繋ぐと、充電できます。                (写真はUSBのライトが光る様子から、放電を確認しています)

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〜  電池の進化に負けないように、  私たちも変わろう!〜

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 このように電池は次世代に向け進化しています。
 これに負けないように、私たちも変わらなくてはいけません。


 気象庁のホームページによると、日本の二酸化炭素の排出量の2割は日常生活によるものです。
 地球温暖化対策として、私たち個人にできることがたくさんあります。

 地球温暖化を考えなくても「電気」も「資源」のひとつであることは確かです。
 無尽蔵に作りだすことはできず、長期的かつ大量に貯めておくことはできません。
 必要に応じて必要な量を発電し、大切に使うことが重要です。               「電化製品の主電源はこまめに切る」
「長時間使わない時はコンセントを抜く」
「シャワーを出しっぱなしにしない」
など、少しずつ始めてみませんか。

〜 総評 〜

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この空気電池、充電できるタイプのものを、いくつかの企業が実用化に向け、研究を進めています。

「完成すれば、すごい便利になる」と、とある会社の社長がキラキラした目で話してくれました。

 また、紹介した災害時用空気電池は、東北の古河電池さんが、被災した経験から作ったものです。

 どちらの会社からも、人々の生活をより良いものにしたい、という思いが伝わってきました。

 実際に、災害時用空気電池は、水を入れて数日放電し続けており、スマホの充電もしっかりできる優れものでした。

 災害続きだった今年を思うと、もしものために家庭に置いておきたいものの1つです。

〜 おまけ 〜

待ちに待ったスターウォーズ、観てきました!!

おもしろかったー!!!

ただ、東京タワーはスターウォーズ色より、いつものオレンジが安心します。

みなさんはどうですか?

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