母に自分の伝えたいことが言えた

母は、認知症で動ける範囲と短期記憶に難があるが、基本昭和初期の人なので、とても丁寧に家事をする。

風呂の残り湯を使うためにバケツで洗濯機に運び、さらに残りでトイレと階段、台所を雑巾がけをし、濯ぎ、庭の水やり用にバケツで裏に運び、風呂を洗って水を抜き、水滴を丁寧にふき取る。長年の呪縛。

一緒にいる間、母の価値観を浴び続けるのはなかなかキツイのだ。

私は、今病人だし、自分の体のしんどさに合わせる。

俯いて作業したくない。

風呂の残り湯を使うならポンプを使いたい、トイレ掃除は入ったついでで良い、台所はクイックルワイパーで良い。寝る時間に合わせて入浴したなら、掃除は後回しで冷めないうちに布団に入りたい。

そうして寝かけていたのに起こされた。湯がもったいないから今から洗濯掃除を始める、と。や、め、て。

母が一人で風呂掃除をしながら、「(私が)何にもやれせん(何にもやらない)」とつぶやいたのが耳に入った。

傷ついた。あれもこれもやってるだろ、じゃ何もしないぞ という言葉が浮かんだが言わなかかった。ケンカになるのも脅すのもキレるのも嫌だった。


「できないこともあるけど、何もしていないことはないでしょう?そんな言い方をされると悲しい」

そうしたら「ごめん」って言われた。

分かって貰えて嬉しいよ。




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