心の叫びは声よりデカい①
いつからだろうか
常に脳内会議は行われており
会議室内では罵声が飛び交い
なだめたり、うろたえてり、
一向にまとまらない話し合いが続く
その間ひたすら体の意識は無い
専業主婦としては完全失格なアラフィフだ
あらゆるジャンルの本に囲まれて
図鑑やら御伽噺やら六法全書やら
意識高い系の亡き祖父が寝起きしていた
その部屋は
幼かった私の昼寝させられ部屋であり
いたずら部屋であり
モーレツシゴキ部屋であり
何より妄想力を養うにはとっておきの
スーパールームだった
世が世なら児童相談所案件になったであろう私の生い立ちだが
お陰で足し算引き算掛け算を満点取って
喜んでいる同級生を他所目に
「命とはどういうものなのだろうか」
「死んだら人はどこへいくのか」
といったテーマの答えを
愛読書のことわざ辞典の中から
見つけ出そうと日夜取り組んでいた私は
内面的には初老のような少女だった
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