大きな公園、大きな私
桜の花びらをかぶった、人が座った気配のない大きな公園のベンチで今これを書いている。
仕事が1ヶ月休みになった。
わたしは百貨店の中の書店勤務のため、百貨店が閉まるとお店も営業することはできない。
家族が長時間家にいることがなかなかないので、父はなんだか嬉しそうに私と兄を大きな公園まで連れ出した。
幼少期はよくこうやって、兄と私を近くの大きな公園に連れていってくれた。
だれも口には出さないけれど、いまは3人ともその頃を思い出しているのだと思う。
14時45分に駐車場に集合。
あと1時間だ。
あの頃とは違ってわたしは自分のお金を持っているので、蜘蛛の巣のついた自動販売機で無糖ラテを買った。
いまはタバコも吸うので喫煙所がないかマップで確認した。(なかった)
色んなことが変わってしまったけれど、太陽が背中を照らしていてあたたかいな、とか
風が気持ちいいな、とか
花が綺麗だな、とか
そういう感情がそのまま自分にあることが嬉しい。
しかし虫はすっかり怖くなってしまった。
私のハイヒールが綺麗な芝生を汚すから
そろそろ駐車場に戻ろうと思う。
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