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ダブルブッキング!!

ダブルブッキング観てきました。
2021年頃に、シアタートップスの復活柿落としか何かでこの企画のリーディングを見て、どうっっっっしても観たかったの。やっと観られた!!

すっごいのよ。
ある役者さんが、同時に行われる新宿シアタートップスでの自分の劇団(デニスホッパーズ)の公演と、向かいの紀伊國屋ホールでの老舗の劇団(天空旅団)の公演にダブルブッキングして出演しようとするんだけど、直前でこれがバレちゃっててんやわんやになるっていうバックステージものなの。

まさかの実際にシアタートップスと紀伊國屋ホールの2劇場を使って、全く同時刻に開演して、役者さんが2つの劇場を行ったり来たりしながらお話が進んでいくのよ!!

あ、そうそう。どっちの劇場でも見ました。だって絶対楽しいんだもん。
でも後述の通り、どっちか一方でも楽しめる。

私たちはどちらかの劇場で見てるから、片方で起きてることしか見えてないんだけど、シアタートップスでデニスホッパーズが揉めてる様子をハラハラしながら見てると、客席の後ろから息せききって天空旅団のメンバーが殴り込みに来たり、紀伊國屋ホールの舞台監督さんが道具を借りに来たりするの。
逆に紀伊國屋ホールでは天空旅団のゲネプロの様子を見ていたと思ったら、出演者が別の名前でシアタートップスに出てないか?ってことに気づいててんやわんやになって、そうこうしてるうちにシアタートップスで公演するデニスホッパーズに出演者とられて、天空旅団のメンバーが怒ってシアタートップスに行っちゃったり(つまり、紀伊國屋ホールの舞台からはいなくなる)、逆にシアタートップスで受付していた女の子を奪って天空旅団の公演に出演させようとしたり、

23人の役者さんが全員どちらの劇場にも出演して、しかも、終演後SNSを覗くと、劇場の間を行き来してる間もお芝居が続いてるの。

シアタートップスも、紀伊國屋ホールもどちらも建物の4階にあって、役者さんたちはみんな階段を駆け上がって、客席を通って舞台に上がっていくから、目の前を汗だくで息を切らした役者さんたちが、駆け抜けていく。そういうお芝居だし、多分本当に汗だくで息を切らしてる!

最初は、どっちか一方の劇場でしか見てないのに、物語の全容がわかるんだろうか?って思って、でも面白そうすぎるから行ったんだけど、それぞれがしっかりがっつりそれぞれの劇団の物語だった。
シアタートップスでは新進気鋭の劇団、デニスホッパーズの、若くて無茶でひとりよがりで天才な主催、柏木幸太郎の成長と、周囲のスタッフや役者さん、幼馴染の愛情と友情の深さに感動して泣くし、
紀伊國屋ホールでは、昔ながらの劇団が、時代に取り残されている様子が滑稽だったり、自分と重ねて苦しくなったり。それでも天空旅団の人たちの演劇への熱い思いに共感して、先に進もうとする天空旅団を応援しちゃった。

実際に若い劇団の登竜門とされてきたシアタートップスと、老舗の紀伊國屋ホールが、それぞれ本当に物語の中に出てきたのもよかったなあ。

私たちは普段劇場に座って、舞台の上で行われてる物語を観るじゃない?主役がいて、テーマに沿ってエピソードが選択されて、わたしたちの心に届きやすいように切り取られた物語を定点で観てる。
でも、本当の人生や本当の世界は、舞台の上に乗ったものからはみ出た外側にもいろんな人の人生や時間がずーーーっと続いてて、そこにもそれぞれ物語がある。今回は、その劇場空間をはみ出た物語のしっぽが見えた!

どっちの劇場で見るかで、同じ役者さんの同じキャラクターが違うように見えるし、感情移入する人も違う!紀伊國屋ホールで喋ってる時にいけすかねえなあって思ってた人も、シアタートップスでみると、そんなとこが可愛いねってなる。
なんか、いろんなところから物語を観られたの。すっっっっごく面白かった。

テレビとかと比べるとそもそもお芝居って、観客の目線が固定されないから捉え方も感情移入も自由にできてそこがお気に入りなんだけど、さらにそれを超えた自由度があった。物語にわたしもいる!!

企画じたい、「現実的じゃない」ような気がしてたんだけど、それを堤さんの脚本とNo4の難波さんの企画でなんというか、4次元の体験が出来上がってて、とんでもなかった!!!!楽しかったーーー

後、堤さんの脚本にたびたび出てくるから、もはやわたしも天空旅団のメンバーのような気がしています。一時期制作にいた気がしなくもない。

天空旅団、だだん、だだん!!!



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