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Tootsie

Tootsie見てきた!
いろいろ悲しいニュースが多くて凹んでる新年に、へこたれてる私たちを元気づけてくれるミュージカルだった。華やかで楽しくて、元気でる!!!
考えさせられる重いお芝居も人生に絶対必要だけど、とにかく楽しくて音楽に体が動き出しちゃうミュージカルも大事!!!

マイケルドーシー(山崎育三郎さん)は、お芝居は悪くないんだけどこだわり強くてややこしいことばっかり言って周りに煙たがられる40歳の俳優。
エージェントもクビになっちゃって、にっちもさっちもいかなくなって女装してロミオとジュリエットのその後のお話の乳母役のオーディションを受けたらなんと受かっちゃったの。でもこのお芝居が訳のわからない駄作で、ロミオには筋肉ムキムキの兄がいて、テレビのリアリティショーで一躍有名になった実力のない筋肉(マックス、おばたのお兄さんと岡田亮輔さん)が主演。なんとか作品をよくしようと、ヒロイン役のジュリー(愛希れいかさん)と協力してお話を書き換えちゃうの。
中年の男性が、中年の女性(マイケルドーシー→ドロシーマイケルズ)になって、ショービジネスの世界でやっていくと、ずいぶん違うものが見える。女性はギャラも安いし、すぐにヒステリーだっって言われたり、男性だったら名前で呼んでもらえるのに、いけすかない演出家(エハラマサヒロさん)にハニーだのダーリンだのトッツィーだの、代名詞でしか呼ばれない。題名にもなったtootsieは、ねえちゃんみたいな呼び方ね。

ドロシーは、女性、ドロシーとしてジュリーの信頼を勝ち得るんだけど、マイケルとしてジュリーのことを好きになっちゃう。そして、なぜか筋肉ムキムキのマックスもドロシーのこと好きになっちゃう。

ちなみにマイケルの元カノのサンディ(昆夏美さん)は勢いのいい後ろ向きな売れない女優で、もう、さいっっこうなの。マイケルに振られるわ狙ってた乳母役は女装したマイケルに取られるわ、てんやわんやだし、勢いがよく可哀想で、みんな大好きになっちゃう。「未来が見える」って歌い始める後ろ向きソングが、
勢いよく後ろに爆走してて大好きだし、英語の早口の歌に日本語でピッタリはめてバシッと合わせた翻訳の高橋亜子さんと、歌ってる昆夏美さんが天才すぎるの。

筋肉ムキムキのマックスもほんっと最高のキャラクターで、ドロシー(女装のマイケル)を好きすぎて胸にドロシーの顔のタトゥ入れちゃうの。わかる、わかるよ。好きすぎると入れちゃうよね。

女装したマイケル、ドロシーと、凛とした女性のジュリーのコンビは相性ぴったりなの。ただし女性同士だったら。プレビュー公演が成功して、2人の絆はもっと強まり、ジュリーは女性としてのドロシーを好きってなるの。でも本当はドロシーは男・・・困った

マイケルは親友のジェフ(金井勇太さん)に茶化されたり呆れられたりしながら女装の生活を続けるんだけど、もうみんなを騙せないって思って、本初日の日に舞台上で自分が男だって言っちゃうの。

みんなとっても怒って、ドロシーは降板したの。

ジュリーはドロシー(マイケル)に、「ヒールで1マイル歩いただけでわかったと思わないで」「100マイル歩きなさいよ!1000マイル歩きなさいよ!1000回以上転びなさいよ!!」っていう。それはそうなのよね。ちょっと女装しただけで女がわかったと思わないでってね。
でも、マイケルはそれでも知りたいよって言って、ベンチに座って2人で話し始めるところでお話が終わるんだけど、

どうなんだろう。
男性が女性の格好を、仕事が欲しいだけのためにするってどう評価されるべきなんだろう。なんか侮辱された感じがする人がいるのもわかる気がする。社会的に優位に立っている男性社会からはみ出たからといって、女性の席を奪いに来るのやめてよねって言うのもわかる。
でも、私はなんか、どっちでもいいと思う。女性の格好しようが、男性の格好しようが、ヤギの格好しようが、ちゃんとコミュニケーションをとってくれるならいいよ。積極的な嘘は嫌だけど、どうして異性装をしてるか突っ込んで聞く権利は、周りにはない気がするな。ここはいろんな意見があるだろうな。

なんにしろ、マイケル(ドロシー)が一生懸命にお芝居に向き合ったことは評価するよ。でも、女性として秘密を聞きだして、男性のマイケルとしてその秘密をつかって口説こうとしたのはだめだな。ビンタだな。

最終的に、マイケル(ドロシー)とマックス(筋肉)が付き合うのが平和じゃない?タトゥも掘っちゃったことだしさ。


目まぐるしいダンスと歌で、華やかで、キャッチーな曲がずっと頭の中をぐるぐる。街の人たちが、クルクルってセットを転換して、くるっと回すとニューヨークの街になって、くるっと回すとマイケルのお家になって、クルクルしながらどんどん場面転換がされてくのが素敵だった。魔法みたい!!

ダンサーさんたちのダンスがニューヨークって感じで緩急自在でゆめゆめしくて素敵。振りが独特なの。

松谷嵐さんと藤森蓮華さんのダンスが、2人とも背が高くてダイナミックでふわっと魔法みたいにリフトして、ふわっと止まって、クルクルって回って、ゆっくり粘って、なんか、本当素敵だった。

最後のカーテンコールで、こんなに人数少なかったの?ってびっくりしちゃった。

おじさんスラッシュおばさんのいっくん、最高だよ。王子様じゃなくてもいっくんが好きよ!


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