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住んでみないと分からないこと 苺

シチリア島の州都、パレルモからの発信。 ボンジョルノ。

先週シロッコというアフリアからの熱風が吹いて、39度まで気温が上がったパレルモ。 ところが今日は20度、約半分。 気温的には過ごしやすいけれど、あまりの気温差にちゃんと体が着いてくるか? 

イタリアが大好きで、もう何十回も足を運んでいるという方も多いと思います。 私の周りにもかなり「イタリア通」が沢山います。 ただどこの国であっても「住んでみないと分からない、見えてこない事」が存在します。 それは国内でも同じ。 東京の人がいくら大好きな京都へ通ったとしても、そこに住まないと見えてこないというか、知る機会のない事があると思います。私はイタリアでそういう小さな驚きに多々出会いましたが、その1つが苺の話。

子供の頃から「苺の食べ方」と言えば、スプーンで潰して、お砂糖をかけて、ミルクを注いだ苺ミルク。 これは我が家だけでなくどこの家庭でもそうだったと思います。 友達のお宅でも、食後やデザートに苺はそういう姿で登場していました。 そもそも苺を潰す専用スプーンが売っていました。

ところがイタリアでは、いえいえヨーロッパではと言った方が良いのでしょうが、苺は潰しません。 どうやって食べるかというと、洗った苺をそのまま、大きければ半分に切る事もあります。 そして勿論スプーンではなくフォークで食べます。 お砂糖をかける事はありますし、お砂糖とレモン汁というのもよくあるパターンです。

もしくはもう少し小さく切って、他のフルーツも混ぜてフルーツカクテルにします、イタリアでは「マチェドニア」と呼ばれています。 大抵のレストランやトラットリアでも用意してある、定番のフルーツの食べ方です。

家庭で、誰の家へ行っても苺はそのまま出てくる。 大皿にどーんと出される事もあり、各々好きなだけ取って食べたり、かなり親しければお喋りしながら手でつまむというケースも。 特に野外でBBQの後などは、こんな感じ。 

私の子供の頃は苺はまだとても高く、好きなだけ食べるという事はあり得なかった。 1パックの苺を母が私と兄が喧嘩しないように、きちんと数を数えながらカラスの器に入れ、それぞれ潰して・・・という具合。 ところがイタリアは安いので、子供のいる家庭でも苺の数を数えたりしてません。 子供の頃から思いっきり好きなだけ食べる事が出来るなんて、なーんて贅沢と思ったり。 彼らにとってはごく普通の事なのですが。

こういう家庭内での事って、住んでみないと出てこない暮らしの習慣だと思うのです。 しかも現地人との交流がないと分かりません。 家族で海外に住んでいたら、家庭内ではやっぱり苺ミルクにするのでしょう。 我が家は相方がイタリア人なので、家庭内でもあり得ないんですよ。 別に禁止されているわけではありませんが(笑)。

イタリア人が日本へ来て、どこかの家庭で苺ミルクが出されたら、どういう反応をするのかしら? そしてあの専用スプーンって、今でも売っているのかしら? これを書きながらふと思いました。 もしかしたら開発するのが上手な日本人、今では新しい食べ方が色々あるのかもしれませんね。  今度誰かに聞いてみなくては。 

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