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【SHElikes課題】共感過多。過去の恋愛をエモーショナルに振り返ってしまう漫画

CygamesMagaggine より


共感しすぎて読むのがしんどい漫画

誰しも恋愛において傷ついた経験はあると思いますが、そんな古傷がどこか疼いてしまうような、恋愛の苦しい部分にフォーカスした漫画作品に注目が集まっています。をのひなお先生による、「明日、私は誰かのカノジョ」というビターラブストーリーです。
 
本作では、レンタル彼女、整形、パパ活、ホスト狂いなど、オムニバス形式で現代女子である「カノジョ」達の闇が描かれています。
多くの女性は、これらの経験をせずに人生を送ってきたと思います。そのため「自分が知らない世界を覗き見たい」という気持ちで、本作品を手に取る方が多いのではないでしょうか。
 
しかしながら、これらの経験の有無に関わらず、カノジョ達の苦しみに共感できでしまうのが、本作品の不思議な魅力なのです。

をの先生の取材により、細かすぎる現代女子のリアルが描かれている

作者のをの先生は、各章で取り上げるカノジョと同じ経験や職業をしている方へ事前に取材をおこなっています。そのため、主人公のカノジョのみならず、数コマしか出番のない登場人物に至るまで世界観が細かく再現され、毎回カノジョと同業の読者からも「あるある」だと熱い称賛コメントを得ています。
 
たとえば「ホストクラブ編」では、歌舞伎町のゲイバー「TRAP’」、ホストクラブ「CRUISE」にて取材を行っており、実際のホストからの意見も十二分に取り入れられているようです。また、花園神社、セントラルロード、新宿東宝ビル横(通称:トー横)などのシーンもあり、歌舞伎町で遊んだことのある読者は現実の場所を思い浮かべながら作品に没頭できます。
 
今回は、「整形編」より私が自身の実体験と重ねて、しんどく共感したシーンを2つ紹介します。

ビター"ラブストーリー"といえど、恋愛以外でも共感ポイントがある

整形編の主人公「彩」は整形に依存し、年齢を偽って年下の彼氏と結婚を前提に付き合っています。そんなとき、彼が理想の夫婦像だと言う彼の友人夫婦宅を訪問することになります。
 
友人夫婦の奥さんは、いわゆる見た目に無頓着なタイプの女性で、ノーメイクで眉毛もぼさぼさ、ぽっちゃり体形で、服にも気を使っていない様子です。その状態で奥さんは、彩に「化粧品は何を使ってますか?」「とてもお綺麗なので自分が恥ずかしいです」などと話を振ってきます。
 
これに対して彩は、「少しでも恥ずかしいと思っているなら、整形しろとは言わないからまず痩せろよ!」「化粧しないとか意味わかんないんだけど」「少しでも見た目をよくしようとか思わないわけ!」と次々に奥さんに対して、心の中で暴言を浴びせます。
 
そして最終的には「豚にデパコスなんだよ!!」と強烈な名言がさく裂するのです。
 
実際に私も、見た目に無頓着な友人より、「もうアラサーだし、メイクとかどうにかしたいから、服とか化粧品のおすすめを教えてほしい」と言われたことがありました。
しかし結局その友人は、最終的にはお金と面倒くささを理由に、周囲からのアドバイスをすべて無視し、これまでの無頓着なスタイルを今でも貫いています。
 
こういった経験から私は、成人してからもお化粧をしない方は、お化粧をしない理由を探すばかりという印象を持っています。たとえ親身にアドバイスをしても、本人が「少しでも見た目をよくしよう」と本気で思っていないと、どんなによいデパコスをすすめても、綺麗になりたい気持ち[2] や眉毛処理などの基本となる土台作りへのモチベーションが欠けているため、結局は「豚にデパコス」で終わると思ってしまうのです。
 
また、身綺麗な独身よりも、見た目に無頓着でも既婚者の方が普通で幸せだと考えられてきた前時代的な日本社会へのヘイトも、この彩の反応に込められているように感じました。

見た目が好き、見た目に固執するのは悪いことなのか?

彼氏に整形と年齢、職業の詐称を打ち明けた彩は、彼氏に「顔が嘘」「整形は努力じゃない」と大声で全否定されます。そこで彩が言い返した言葉が、彼が理想の夫婦像だと言っていた奥さんのように「デブスでも抱けるわけ?」でした。この言葉が決定打となり2人は破局してしまうのですが、私自身はこの言葉に共感しかありませんでした。
 
私は過去に「私のことを好きではないイケメン彼氏」が居た経験があるのですが、その彼がなぜ私と付き合ってくれたのか疑問でした。その疑問を本人へぶつけた際、初めは「毎晩電話してて楽しかったから、それがなくなるのは寂しい」と言われたのですが、最終的に返ってきた答えは「隣を歩いても恥ずかしくないと思ったから」でした。
私は特別美人ではありませんが、美容が好きでメイクや服など見た目に拘っていたため、結局見た目が彼の及第点に達していただけだったのです。
 
本作の彩と彼氏も、彼氏のナンパをきっかけに交際がスタートしており、私はこのシーンを読みながら、「彩がブスだったらナンパしてないでしょ」という感想を抱いていました。
「人は見た目じゃない」「私はイケメンは苦手」「彼女の顔ではなく性格が好み」など、見た目で人を判断することは悪だというイメージによって、そういった発言をする人は多くいます。
 
しかし、第一印象で嘘偽りなく得られる情報は、結局外見だけだと思うのです。
一目ぼれを経験したことがないという方でも、元カレの中で顔が好きランキングを作成できたりしませんか? 今恋人がいる方はぜひ、今自分のメイクスキルが0になったら、今の体重より10キロ太ったら、今の彼に告白される自信があるか、考えてみて欲しいと思います。

自分の共感できるカノジョがきっと見つかる

今回は、をのひなお先生による「明日、私は誰かのカノジョ」を紹介しました。
メインで紹介した「整形編」以外でも、さまざまなカノジョによるリアルな現代女子の生き方が描かれています。「大学のサークルのグループLINE」「ホストクラブでの掲示板チェック」「風俗利用客の容姿や行動」「男子の、清楚系の女の子と個性派の女の子への態度の差」など、少しでも気になった方は「サイコミ」アプリで無料配信されているので、ぜひ読んでみてください。
 
必ず、あなたの考えに近いカノジョの行動や感情に共感し、過去の恋愛を思い浮かべてしまうと思います。


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