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【SHElikes課題】SHEmoneyのブランド責任者に学ぶ。弱音を吐けるリーダーの強さとは?

「出産前後でキャリアを離れても、私はここまでやったという
紋所みたいなものが欲しかった。」

SHE株式会社で、女性向けのマネースクールSHEmoneyのブランド責任者を務める松尾真里さんこと、まつまりさん。彼女は、「産休で一度退職して、組織に所属しなくなっても、自身の取り組んできた仕事を表す“紋所”を作っておくことによって、次のキャリアをまた再開したい」と考えるキャリア女子だ。
 
学生時代からの「事業開発ができる人材になりたい」という思いから、新卒ではリクルート株式会社に入社。様々な起業家の方々に会う中で出会ったのが、SHE株式会社代表取締役を務める、福田恵里社長。
福田恵里社長からの誘いにより、現在ブランド責任者を務めるSHEmoneyの立ち上げに携わることとなった。
 
そんな彼女が、前職のリクルート株式会社時代、現在のSHE株式会社での責任者という立場からリーダーとして仕事をするうえで大切にしていることを紐解いていく。

格好つけず、メンバーへ弱音を吐くのもコミュニケーション

仕事において、心が折れそう、挫折しそう、きつい、もうやりたくないと思うとき、その感情をストレートにメンバーに吐露するのが、まつまりさんなりのスタイルだという。
 
「悩みって1人で持って1人で解決しようとするときついと思うのですが、シェアすると負担が減るというか。私は仲間たちにシェアすることで乗り越えてきました」
 
リーダー自らが弱音を吐き、メンバーからフォローをもらう。これにより、メンバーも心が折れそうなときは弱音を吐いてもよい、という安心感のもとで仕事ができそうだ。
理想的な助け合いが生まれる関係性だと感じるが、最初から今のマネジメントスタイルが確立されていたわけではない。

リクルート時代の挫折を経て、今のマネジメントスタイルに


「リクルートの時、大きなプロジェクトのリーダーに選んでいただいて」

 
それは、まつまりさんが入社3年目でプロジェクトリーダーを務めた際のこと。まつまりさんの10も20も年上のメンバーもいるという、初めての状況でのマネジメントがスタートした。
 
「最初はもう姉御肌、キリッみたいな感じで。リーダーが1番強い、リーダーがなんでも決める、リーダーが先導するという意識でした。だから、誰にも相談しないで、方針はこれです、みんなでここ向かいましょうという感じで、トップダウンでやっていたんです。それでハレーションが起きて、チームが崩壊してしまって。」と、まつまりさんは言う。
 
「リクルートのリーダー像でいうと、プレイヤーとして強くて、戦略が書ける、綺麗なストーリーが書ける、先導できる、そういった、いわゆる引っ張っていくリーダーこそが私がみてきたリクルート時代のリーダー像だったので、それが正解だと思って一生懸命頑張っていた。」
 
身近な先輩たちのトップダウンで強く指揮を執るリーダー像をたくさん見てきたからこそ、自分もそうあるべきだと考え、そのやり方を通したまつまりさん。しかし、その結果待っていたのはチーム崩壊という悲しい結果だった。元来まつまりさんは姉御肌といったタイプではなく、フォロワーシップの得意なタイプだという自覚があった。そこで、尊敬する上司や先輩からの「そもそものやり方が違うのではないか」というアドバイスもあり、彼女のリーダー像は見直されていく。
 
ちょっと立ち止まって、リーダーにも2種類いていいんじゃないかと気が付いた。リーダーシップを発揮する人は発揮すればいいし、私はリーダーシップよりフォロワーシップのタイプ。私これも苦手、あれも出来ない、それも出来ないんだけど、でもメンバーの人、仲間に、「私ここ全然出来ないんだけど、めっちゃ得意ですよね?」「ちょっと助けてくれませんか」のようなコミュニケーションにガラッと変えたら、めちゃくちゃワークするようになった」
 
この気づきと転換により、まつまりさんのプロジェクトは大成功。史上初の全KPI達成という実績を残した。この経験から、自分の違和感に気づいた際には、一度目的に立ち返ることが大切なのだと学んだという。

チームメンバに頼ることは悪ではない

チームメンバーに頼れない状況に陥るのは、リーダーだけではない。各メンバー同士でも、ちょっとしたプライドや各自の置かれた状況によって、プロジェクト全体への影響が出るまで自分の抱えている問題を相談できない人もいる。まつまりさんはそのようなメンバーに気づいた際、メンバーの視点から目的に立ち返り、寄り添うことをしている。
 
そもそも頼ることって悪じゃないし、頼ることは全然是だよと伝える。ただそのときに、それを第三者的に言うだけではあんまり意味ないなと思っていて。でもその人が例えば、なぜその人が問題を相談できないのかというと、本当に圧倒的に成果を出したいっていうふうな気持ちがある。そこで、本人のやりたいことをベースに、軸にして、視座を一段あげるみたいな感じでフォローを入れる。本当に成果をちゃんと出すとか、事業成長させたいみたいなところがあるんだったら、まず、その頼るっていうことが悪だっていう思考は捨てていいと思うよと伝える。その結果、いろんな人の手を借りて最終アウトプットがすごく良いのであれば、そのほうがいいんじゃない?みたいな感じで、ちょっと視座を変えるみたいに対応しています。」
 
頼ることは悪ではないと伝えつつ、あくまでメンバーの軸を中心に、最終的なアウトプットを良くしたいという全体共通の目的に立ち返りフォローを入れる。しかしそれには、フォローが必要なメンバーを見逃さないよう、日ごろから僅かな変化に気を配り、各メンバーの感情に敏感でいることが必須となる。その細かな配慮や気配りの根底には、まつまりさん自身の愛や優しさがあることをひしひしと感じる。

SHEmoneyを通して実現したい夢

魅力的なリーダー像を確立し、SHEmoneyの業務に奔走しているまつまりさんだが、SHEmoneyはまだまだ発展途上であると語る。まつまりさん自身のキャリアに欠かせない紋所の1つであるSHEmoneyで、今後どんなことを実現していきたいのか、今後の展望をきいた。
 
「今ってあくまで働いている女性の方々をメインのターゲットにはしているのですが、ゆくゆくは別に女性に限らずともジェンダーレスにしていきたいと考えています。年齢のも区切る必要はあんまりないかなと思っていて、個人的にはもっと若い世代のたちへの金融教育を行っていきたいなと思っています。」
 
SHEmoneyの事業としての展望はもちろん、個人的な夢として「若い世代への金融教育」を挙げた。そのターゲット層は中学生や高校生といった、10代の学生を想定しているとのこと。
 
「個人的な夢としては自分の母校でSHEmoneyの授業したいなとは思っていたりします。」
 
チームメンバーに寄り添ってきたリーダーまつまりさんが、多くの学生の金融教育に寄り添う未来も近いかもしれない。

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