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小論文チャレンジ 過去、現在、未来

「過去」、「現在」、「未来」、の3つの言葉を、それぞれ、他の言葉で言い換えなさい。そして、なぜその言葉で言い換えたのか、その理由を述べなさい。(600字以上800字以内)

[京都工芸繊維大学]

回答を書いてみました。


「過去」、「現在」、「未来」という言葉は、時間の流れという一つの軸上にあるものだと考える。そのうえで、「過去」を「既知」、「現在」を「今見ているもの」、「未来」を「未知」、と言い換えたいと思う。

自分が「現在」にあれば、すでに過ぎ去ったのが「過去」である。「過去」の人にとっての「未来」も、私にとっては「過去」になりうるのだ。つまり、常に私のいる場所によって「過去」が決まる。

たとえば、私が前を向いて立っていて、「過去」から歩いて「未来」に向かっているとする。私のいる場所を「現在」とするなら、「過去」とは、私の背後に広がる、すでに知っている「既知」の世界ということができるだろう。

「現在」に立っている私は、今まさに進行形で「現在」を観察している。それは体験していることかもしれないし、思考していることかもしれない。それは「過去」には予測することができなかったし、振り返った「過去」にも記録されていない。「現在」は、「今見ているもの」と言うことができるだろう。

「未来」はいまだ到来していない時間で、私の歩く時の流れの軸上では、私より前にある。そしてまだ見ることができず、なんであるか私が知らないものだ。だから「未知」である。

私が軸の上をてくてく歩いていくと、知らなかった「未知」を、「現在」の私が新たに観察することになり、「今見ているもの」になるだろう。また、「今見ていたもの」が、新たな「過去」の記憶になる。

時間の経過とは、「今見ているもの」が「既知」に、「未知」が「今見ているもの」へと、絶え間なく移り変わっていき、さらに新しい「未知」もやってくることだ。時間は私を通って流れる。まだ見ぬ「未知」は私の前に広がっている。

(712字)





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