見出し画像

牡羊座30度「家鴨は家鴨」

2018年4月19日午前11時40分、太陽が牡羊座数え30度へ入ります。牡羊座数え30度のサビアンシンボルをぎゅぎゅっと五文字くらいに縮めると「家鴨は家鴨」

「♈30家鴨は家鴨」の原文チェック。黒字が1925年ジョーンズ版、青字が1975年ルディア版、どちらも A duck pond and its brood 「アヒル池とそのこどもたち」。duck はアヒルかもしれないし、カモかもしれない。どちらも duck 。brood は同じ親から同時に生まれた一腹(ひと孵り)のこども。

「♈30家鴨は家鴨」の番地チェック。牡羊座後半(復路)の第3グループ(おわり)の第5度数。5度組の第5度数は第3度数と第4度数のこども。第3度数は第1度数と第2度数のこども。磯野家で言えば第5度数はタラオ。1波平、2フネ、3サザエ、4マスオ、全員の血を引く孫にして統合者。

「♈26ギフト山積」が波平、あり余るほど持つ者。「♈27脳内補完」がフネ、想像力で現実の不足を克服する者。「♈28期待外れ」がサザエ、現実が想像力を下回るとき落胆が生まれ。「♈29天球和音」想像力をはるかに上回るものが現れるとき、人は己を問われる。わたしはだれ?

「♈30家鴨は家鴨」。わたしはアヒル(またはカモ)だ。ここがわたしの池。これが私の一族(brood)。ひとつ前が星々の歌である「♈29天球和音」、旅のはじまりはアザラシに追いすがられる「♈1絶対押すなよ」でドラマティックに出てきたのに、30度目の着地点は……アヒル。

わたしはアヒル。自分から見てもアヒルはアヒル、他人から見てもアヒルはアヒル。ここがわたしの池で、これがわたしと共に生まれたひと孵りのアヒル仲間(brood)。このささやかな着地点、このささやかな自意識と居場所へ落ち着くまでに、どれだけの場面があったことか。

「♈26ギフト山積」から「♈29天球和音」までの4つの小場面がすべて「♈30家鴨は家鴨」へ流れ込み、話がまとまる。「この5度組でずっとやってきたことは何か」をひとことであらわすとすれば「大きさ比べと調整」。手に余る。欠けを補う。期待の方が大きい。宇宙の方が大きい。

三匹のクマの家へ迷い込んだゴールディロックスはクマの食器や家具と自分の体を比べて「大きすぎ・小さすぎ・ちょうどいい」と言う。牡羊座の最終5度組も似たようなことをしてきた。そして行き着いたのは、アヒル池とアヒルたち。

大きすぎるもの、小さすぎるもの。「ちょうどいい」を発見してみたら、それはアヒル池のアヒル暮らしだった。ショボいかな?天球の音楽と比べたら確かにアヒル池はショボい。それは大グマさんのベッドに寝てみたらゴールディロックスの体がショボいというのと同じだ。

でも。それが自分の身の丈であるのなら、何と比べてショボいもショボくないもないのだ。天球とアヒルを比べてショボい/ショボくないではなく、それが自分と比べて身の丈に合うか合わないかが問題なのだ。アヒルはアヒル。クジャクはクジャク。まして、アザラシにはなれない。

余談だけどほぼ毎朝アストロダイスを振っていて「♈30家鴨は家鴨」が出るたびに当番思い出す詩がありましてね。中学の英語の教科書にひっそり載っていた、 William Allingham の A Memory って詩なんですけどね。

Four ducks on a pond,
A grass bank beyond,
A blue sky of spring,
White clouds on the wing;
What a little thing
To remember for years―
To remember with tears !

池にアヒル四羽
向こうには原っぱ
春の青い空
うかぶ白い雲ら
こんな小さなこと
覚えてるだなんて――
泣けてしまうなんて

(当番訳・所々意訳。ゆめゆめ鵜呑みにすることなかれ)

いつかこのアヒル池を思い出してきっと泣いてしまう

牡羊座後半(復路)の第3グループ(おわり)第5度数(タラオ)、「♈30家鴨は家鴨」。これを同じ後半の他グループタラオズと比べてみよう。後半第1グループのタラオは「♈20冬鳥餌付」。第2グループのタラオは「♈25二重の契り」。

牡羊座後半第1グループの第5度数(タラオ)は「♈20冬鳥餌付」。魔法の絨毯で新しい視点を獲得した後、同じ冬を生きる鳥達へ素朴な共感を寄せる。第2グループのタラオは「♈25二重の契り」。目に見える約束とは別の、見えない約束がある。片方を結ぶときもう片方も結ばれる。

「♈30家鴨は家鴨」は直接的には同じグループの3サザエ「♈28期待外れ」と4マスオ「♈29天球和音」の間にできたこども(タラオ)だが、1組タラオ「♈20冬鳥餌付」と2組タラオ「♈25二重の契り」のこどもとも言える。再び、鳥のシンボル。再び、落とし前をつけるシンボル。

「♈20冬鳥餌付」、「♈25二重の契り」、そして「♈30家鴨は家鴨」。どのシンボルも手前で非日常的なものに触れている。魔法の絨毯、コルヌコピアのかたちになるカーテン、星々の歌。非日常を体験したあとで、日常へ戻る。でも一度それに触れたあとは、もう元の日常ではない。

牡羊座後半第3グループ第5度数の「♈30家鴨は家鴨」を前半同グループ同度数の「♈15毛布を自作」と比べてみよう。禁止果物を食べるか食べないか、食べて智慧がついてしまった後はどうしたらいいかという試練の後、造物主のお膝元を離れ、地道に毛布を織り自分たちだけで暮らしていく道へ入った。

牡羊座前半の最終タラオ「♈15毛布を自作」と後半の最終タラオ「♈30家鴨は家鴨」は対になる。何を見てきて、どこへ落ちついたのか。縦の糸はあなた、横の糸はわたし、右往左往して糸一本分ずつ経験を積んでいく♈15と、身の丈に合う自意識と居場所を得た♈30。日常が始まる。

生まれたときのホロスコープで「♈30家鴨は家鴨」はどのハウスにある?今日の太陽はそこを照らす。穴埋め #アストロ短歌 で確認しよう。

「○○○○で(五音・ハウス) 積極的に(牡羊座) 生きていく(太陽) 家鴨は家鴨そこがスタート(♈30)」

#サビアンシンボル物語

【♈️30家鴨は家鴨 をより深く理解するための比較対象シンボルリスト】
♉30孔雀のお練り(となりのサイン)
♊30水着回(60度)
♋30建国婦人会員(90度)
♌30拡散希望(120度)
♎30体系的知識(180度)
♐30神の祝福を(120度)
♑30料亭で密談(90度)
♒30約束の場所(60度)

お気が向いたらサポートをお願いします!サポートは当番の紅茶代となり、ひいては明日への活力となります