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蟹座12度「転生した賢者」

2018年7月3日午前8時00分、トランジット太陽が蟹座数え12度へ入りました。蟹座数え12度のサビアンシンボルをぎゅぎゅっと五文字くらいに圧縮すると「転生した賢者」

「♋12転生した賢者」の原文チェック。黒字が1925年ジョーンズ版「A Chinese woman nursing a baby with a message あるメッセージを帯びた赤ん坊の世話を焼く中国人の女」。青字が1975年ルディア版「A Chinese woman nursing a baby whose aura reveals him to be the reincarnation of a great teacher. その子のオーラが偉大な師の生まれ変わりであることを示している赤ん坊の世話を焼く中国人の女」

「♋12転生した賢者」の番地チェック。蟹座前半(往路)の、5度ずつに分けた第3グループ(おわり)の、第2度数。どの5度組でも第2度数は第1度数と結びついて裏打ちする。磯野家で言ったら第2度数はフネ。

「♋11権力者の風刺」が波平、道化がお偉いさんを変顔で茶化す。吹けば飛ぶような道化がお偉いさんを笑い飛ばすから面白い。ネズミのジェリーがネコのトムをコケにするから面白い。逆だったらクソ面白くもない。「♋12転生した賢者」はフネ。♋11波平と対になる。

「♋11権力者の風刺」ではお偉いさんと道化、立場が強い者と弱い者、は明確に分かれていた。強い者は弱い者に威張り、弱い者はお返しにそれを茶化す。しかし「♋12転生した賢者」では偉い/偉くない、強い/弱いの区別がわかりにくい。

中国人の女性が抱えてあやす(nursing)赤ちゃんは、あるメッセージを帯びている。その子のまとうオーラは、偉大な師匠の生まれ変わりであることを示している。……何代目のダライ・ラマ師かな? というこのシンボル。偉くて強いのは赤ちゃん? それとも世話を焼く女性?

♋12では「偉いひと」と「そう偉くはないひと」の区別は、少なくとも見た目ではわからない。赤ちゃんだけど、実は偉い師匠の生まれ変わり。確かに昔から「栴檀は双葉より芳し、蛇(じゃ)は寸にしてその気をあらわす」とは言うけれど、世の中オーラが見えるひとばかりではない。

注意深くものを見るひとたちを除けば、大抵のひとは見た目と中身をセットで捉えたがる。見た目がチンケならば中身も大したことはないと思いたがるし、偉いひとはいかにも偉いひと然とした姿をしているものだと思っている。しかし世の中には見た目どおりでないものもあるのだ。

「後日、恥入るようなことがなければよいがな。お前さんたちは大樹の苗を見て、それが高くないと笑う愚を犯しているかもしれんのだぞ」

(田中芳樹「銀河英雄伝説」よりアレクサンドル・ビュコックの言)

「昔からよく言う……虎の児(こ)と猫とを見誤ることなかれ、とな。あれはたぶん、虎の方だろう。皇帝の寵妃の弟だからといって、わざと負けてやる義理は相手にはないからな」

(田中芳樹「銀河英雄伝説」よりオスカー・フォン・ロイエンタールの言)

♋11の道化はいかにも偉いひと然としたお偉いさん、自分より大きく強いものを全力でからかう。特徴を掴み、誇張して笑い飛ばす。♋12の転生した賢者(とそれをあやす中国人女性)は問いかけてくる。どこを見て「偉い」を判定するのか?

「この赤子、ただ者ではない」とどうやって見分けるのか。襤褸を着た下働きが昨晩12時に姿を消した美しい娘だと、自称越後の縮緬問屋の隠居を先の中納言だと、嵐の夜にやってきた物乞い女が実は魔法使いだと、蛙は実は王子だと、それと明かされる前からどうやって知ればいいのか?

大きなバオバブも最初はちいさかった。おとなは昔、みんなこどもだった。だけどそれを覚えているひとは、あまりいない。大きい/強い/偉い者は最初から大きく強く偉かったのか? いま小さく弱く、偉くなさそうに見える者は見た目通りの存在なのだろうか?

「まことに、あなたがたに告げます。あなたがたが、これらのわたしの兄弟たち、しかも最も小さい者たちのひとりにしたのは、わたしにしたのです(マタイによる福音書第25章40節の一部)」この世の終わりに人の子(救い主)がやってきて、人を善い人と悪い人に分けた。

王である人の子は言った。「ここへ来て座りなさい。あなたがたは私が飢えているときに食べさせ、寒さで震えているときに服を着せ、病気のときに見舞ってくれたのだから」人々は驚いて言った。「えっ? 私たちには覚えがないんですが、いつそんなことをしたんでしょう?」

すると王(人の子)は言った。「あなたがたが、自分たちのきょうだいのうちもっともちいさな者にしたことは、私にしたことと同じである」。ちいさく弱い者、偉くない者。助けが必要なちいさな者を助けることは、人の子(救い主)を助けることと同じ。

中国人の女性は赤ちゃんの世話をしている。乳を与え服を着せ、泣けばあやす。前世では偉い師匠で、何やらメッセージを帯びていて、大きくなれば今生でも偉くなりそうなただ者ではないオーラを放っていても、現状まだまだ赤ん坊。誰かの具体的な助けがなくては生きていけない。

「♋12転生した賢者」とスクエア関係の「♈12自由往来」は渡り鳥。国をrule(支配)する♈11の統領が引いた(rule)国境を渡り鳥は飛び越える。「♋12転生した賢者」は偉大な師が赤ちゃんに転生する。大きいと小さい、強いと弱い、偉いと偉くないの境を魂は飛び越えてしまう。

♋11の道化はお偉いさんが強者であり自分はそうではないことを前提として風刺する。壁があるからそこへ落書きするかのように。♋12の中国人の女性は赤ちゃんをあやす。転生した賢者だろうが今のところ、肉体的には世話を必要とするから。♋11は強きを笑い、♋12は弱きを育む。

「♋12転生した賢者」は蟹座前半(往路)第3グループ(おわり)の第2度数(フネ)。同じ蟹座前半の第1グループ(はじめ)・第2グループ(まんなか)の第2度数と比べてみよう。1度と2度のいいとこ取りで3度がうまれるように、はじめとまんなかの対からおわりがうまれる。

蟹座前半第1グループ(はじめ)のフネは「♋2俯瞰で下見」、着陸する前に宙に浮いたまま全体を見下ろす男。第2グループ(まんなか)のフネは「♋7月夜の妖精」は種子の発芽、卵の孵化、生命の誕生を後押しする妖精。発芽の舞を踊るトトロたち。

ペンディング男の「♋2俯瞰で下見」と発芽促進トトロの「♋7月夜の妖精」から赤ちゃん賢者の育児光景「♋12転生した賢者」がうまれる。どんな存在も、強者や賢者でさえも、うまれたてはちいさく弱い。自分の足で大地を踏みしめひとりだちできるようになるまでの間、守り育てる者、支える者の手が必要だ。

うまれたときのホロスコープで「♋12転生した賢者」はどのハウスにある? 2018年7月3日の太陽はそこを照らす。穴埋め #アストロ短歌 で確認しよう

「○○○○で(五音・ハウス) 我が子のように(蟹座) あたためる(太陽) こう見えて転生した賢者(♋12)」

#サビアンシンボル物語

【♋12転生した賢者 をより深く理解するための比較対象シンボルリスト】
♌12夏の夕涼み(となりのサイン)
♍12あなただけ(60度)
♎12資源の採掘(90度)
♏12鹿鳴館(120度)
♑12自然の研究者(180度)
♓12入会試験(120度)
♈12自由往来(90度)
♉12あとで買う(60度)

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