天秤座21度「休日の浜辺」

2018年10月13日18時36分、トランジット太陽が天秤座数え21度へ入りました。天秤座数え21度のサビアンシンボルをぎゅぎゅっと五文字くらいに圧縮すると「休日の浜辺」

「♎21休日の浜辺」原文チェック。黒字が1925年ジョーンズ版「浜辺の（ある）群衆」。青字が1975年ルディア版「浜辺を楽しんでいる日曜日の群衆」

「♎21休日の浜辺」番地チェック。天秤座後半（復路）の、5度ずつに分けた第2グループ（まんなか）の、第1度数。どの5度組でも第1度数はグループのテーマをバンと打ちだす。磯野家で言えば第1度数は波平。

ドデカテモリーで見る「♎21休日の浜辺」番地チェック。♎1で新月（太陽と月の合）が起きたとする。20日間で太陽は20度動いて21日目には太陽♎21。同じ20日間で月は260度動いて21日目には月♊21で太陽とトライン。ドデカテモリーで♎21は「天秤座の中のちいさな双子座」

日曜日の浜辺には人々が大勢集まっている。ひとりふたりと数えられる以上にいるから crowd （群衆）と呼ぶより他にない。話す声も交錯しあってひとつひとつのことばは聞き分けられない。波の音がする。笑い声が聞こえる。半裸で日射しと潮風を楽しむ人々は互いに似通っている。

死んで形だけが保存される♎1の厳しさや、研究のために目を傷めてしまう♎11の徹底性は♎21にはない。雑多で、ザワザワとしていて、緊張感がない。休日で、ビーチで、みんな水着にビーサンだ。水か砂かオイルにまみれて遊びまわり、潮風を受けてコーラかビールにソーセージだ。

「♎21休日の浜辺」は天秤座後半（復路）第2グループ（まんなか）第1度数（波平）。同じ天秤座でこのシンボルの裏にあるのは天秤座前半（往路）第2グループ第1度数の「♎6理想の結晶化」。♎6ではひとりの男の内面で理想が結晶化する。本人しかいない場所で理想は純化される。

♎6では雪山にひとりで氷の城を建てた雪の女王エルサ（『アナと雪の女王』）を引き合いに出した。誰も来ない険しい雪山は純粋な氷の城を築くには持ってこいの場所だ。♎21の浜辺は険しい雪山とは対極の場所だ。低くて、平らで、大勢の人で賑わっている。色々なものが混ざり合い、雑然としている。

雑然としているけれど賑やかで、活気に溢れていて、開放的。そういう雰囲気が苦手で自分ひとりの場所へ引っ込んでいきたいエルサのようなタイプもいれば、その妹アナのように陽気な浜辺のざわめきに胸踊らせるタイプもいる。♎6は張りつめていて、♎21はハジけている。

「♎21休日の浜辺」対向シンボルを見てみよう。「♈21燃えよ闘魂」はリングに上がる拳闘士。その体と拳以外には何も持たない男が賞金と栄誉と名声を求めて闘いの場に赴く。半裸で、ギラつく照明の下で。肌も闘志も剥き出しにして。

♈21の対向、♎21ではギラつく照明は夏の日差しへ変わる。観客たちの歓声は潮騒へ変わり、半裸の拳闘士は半裸の群衆へ変わる。♈21の拳闘士は闘志剥き出しでカッカとしているけれど、♎21の群衆たちは肌を焼きながらのんびりと休日を楽しんでいる。戦って何かを得る必要はない。

「♎21休日の浜辺」とトラインになるのは「♊21民衆の声」。双子座は風の柔軟サイン、おわりの風。その数え21度は民衆が徒党を組んでデモを行う。民の歌が聴こえるか、怒れる者の歌を歌っているのが？二度と奴隷にはなるまいと心に決めた者の歌（レ・ミゼラブル「人民の歌」）。

天秤座は風の活動サイン、はじめの風。その数え21度は休日の浜辺にいる群衆たち。♊21と同じく大勢の人々が集まっているけれど、♎21はデモのために集まったわけではない。♎21の群衆は浜辺で休日を楽しんでいる。♊21は社会と向き合うけれど♎21が向かい合うのは海と日差しだ。

「♎21休日の浜辺」とスクエアになるのは「♋21歌う主演女優」。蟹座は水の活動サイン、初夏の水。その数え21度は歌っているプリマドンナ。オペラは聴く者にひととき我を忘れさせ、別の人生をまるで我がことのように感じさせる。それを可能にするのがプリマドンナの力だ。

天秤座は風の活動サイン、初秋の風。その数え21度は浜辺の群衆。♋21ではプリマドンナが見事なアリアを披露し、聴衆はそれに聴き入る。♎21の浜辺に、群衆の耳を惹きつけるプリマドンナはいない。浜辺には潮騒と人々のさざめきが溢れ、皆その音の満ち引きの中で揺られている。

「♎21休日の浜辺」は天秤座後半（復路）第2グループ（まんなか）第1度数（波平）。同じ天秤座後半の第1グループ（はじめ）第1度数（波平）と比べてみよう。「♎16接岸できない」は流されてしまった船着場。船から荷や乗客を安全に下ろせるプラットフォームがなくなった状態。

♎16と♎21は共に水辺のシンボルだ。♎16は船の発着所だったので、安全な乗降プラットフォームが壊されてしまったのは大問題だった。♎21は船着場ではなくビーチ（浜辺）。船着場は人間や荷が濡れては困るけれど、海水浴場は人間がわざわざ濡れるためにやってくる場所。

目的が変われば、水に対する意識も変わる。「濡れては困る場所」から「濡れるために行く場所」へ。時に牙を剥き、人間の築いたものを壊してしまう存在から、人間を癒やしてくれる存在へ。恐れるものから、楽しむものへ。災害など忘れたかのように、群衆は水遊びをしている。

うまれたときのホロスコープで「♎21休日の浜辺」はどのハウスにある？2018年10月13日の太陽はそこを照らした。穴埋め #アストロ短歌 で確認しよう

「○○○○で（五音・ハウス）　バランスとって（天秤座）　生きていく（太陽）　大賑わい休日の浜辺（♎21）」

#サビアンシンボル物語