双子座1度「水底観察船」

2018年5月21日午前11時17分、トランジット太陽が双子座数え1度へ入ります。双子座数え1度のサビアンシンボルをぎゅぎゅっと五文字くらいに圧縮すると「水底観察船」

「♊1水底観察船」の原文チェック。黒字が1925年ジョーンズ版「A glass-bottomed boat in still water 静水に浮かぶ一艘のガラス底ボート」。青字が1975年ルディア版「A glass-bottomed boat reveals undersea wonders. ガラス底ボートが海底のふしぎをあらわにする」

still water は波のない穏やかな水域、日本語では静水。牡羊座1度、牡牛座1度に続いて双子座1度も水絡みのシンボル。牡羊座では女が水から上がり、牡牛座では岩清水が山肌を駆け下り、双子座では水を覗き込む。

「♊1水底観察船」の番地チェック。双子座前半（往路）の、15度を5度ずつ3等分した第1グループ（はじめ）の、第1度数。どの5度組でも第1度数はそのグループのテーマをバン！ と打ち出す。磯野家で言ったら第1度数は波平。♊1は双子座全体のテーマもバァン！ と出す度数。

サビアンシンボル物語 語りを毎日お読みくださっている皆様にはおなじみの「1を2が裏打ちし、1と2のいいとこ取りをして3が生まれる」。今まで度数同士・グループ同士で1-2-3の親子関係を見てきた。それをサインへ広げてみよう。♈を♉が裏打ちし、両者のいいとこ取りで♊が生まれる。活動・固定・柔軟。

「♈1絶対押すなよ」では女が水から「上がって」きた。「♉1山の清流」では湧き水が山肌を駆け「下って」いた。「♊1水底観察船」では波ひとつない「静止した」水にガラス底のボートがただ浮いている。「牡羊、上がりまーす」「牡牛、下りまーす」「双子、止まってまーす！」

「♊1水底観察船」は双子座の大テーマを提示する。「海底の素敵なものを見てみたい、だけど体は濡らしたくない！」という乗客のニーズにお答えして、観察船の底はガラス窓になっている。「ダルいことは避けて、おいしいとこだけつまみたい」が工夫に結びつく。これぞ双子座。

牡羊座では、自分とは体験し感じる存在そのものだった。牡牛座では価値を感じたものを取り込むことで自分を強めた。双子座では「自分」と「自分が眺めるもの」を分離する。間にガラス1枚挟む。「見てみたいけど、濡れたくはない」。「見るだけでいい、触りたくない」。

ガラス底のボートから覗く海底の景色は、車窓から見える景色やゲームのキャラクター選択画面に似ている。自分は主観的には動いていないけれど、目の前の景色は移り変わる。現れては消える魚やサンゴを追いかけて目が泳ぐ。あちらこちらと目は泳ぐけれど体は泳がない。

「通常なら立ち入れない場所でも安全圏から覗き見できてしまう窓」なら2018年現在、いたるところにある。現代のガラス底ボートはスマホやタブレット。どこでもドアのように体ごと移動させてはくれないが、見るだけならば地球上どこへでもグーグルアースでひとっ飛びだ。

ボートは静水に浮いている。「♊1水底観察船」の水は「♈1絶対押すなよ」のように隙あらば女を連れ戻そうとアザラシに追わせたりはしない。「♉1山の清流」のように勾配に従ってとめどなく流れ落ちたりもしない。水と乗客の間にはガラスの床。もう水とひとつにはならない。

双子座は考える。全身全霊の体当たりでどっぷり浸るのだけが「ホンモノの体験」だとしたら、潜れるひとしか珊瑚礁や熱帯魚を体験できなくね？ 「見るだけで触れなくても立派な体験だ」ということにすれば、ガラス底ボートがあれば、カナヅチのひとだって珊瑚礁を「体験」できる。

VR、バーチャルリアリティってあるよね。日本語では「仮想現実」と訳される。「仮想」と言うと「まやかしの・架空の・幻想の」という感じを受けるけれど、 virtual はむしろ「実質的」という意味。「実質的に無料で手に入る」の「実質的」。

「バーチャルリアリティ」は「仮想現実」というか「完全な現実とは言えないが、実質的に現実」「ほぼほぼ現実」。「♊1水底観察船」で味わえる水中体験は、たとえばダイビングで味わえる水中体験よりも、ガラス1枚ぶんバーチャル。ガラスはあるけど、ほぼほぼ水中体験。

どっぷり、ディープに、舐めつくすように。それはちょっと……重たい。敷居も高い。もっとカジュアルに、ホドホドに、ほぼほぼ体験でいこう。ちゃっかりと、いいとこ取りで行きましょう。双子座の物語、軽やかに滑り出します。

うまれたときのホロスコープで「♊1水底観察船」はどのハウスにある？ 今日の太陽はそこを照らす。穴埋め #アストロ短歌 で確認しよう

「○○○○で（五音・ハウス）　いいとこ取りで（双子座）　生きていく（太陽）　濡れもせず水底観察船（♊1）」

#サビアンシンボル物語

【♊1水底観察船 をより深く理解するための比較対象シンボルリスト】
♋1衣替え（となりのサイン）
♌1頭パーン（60度）
♍1顔はアイコン（90度）
♎1時よ止まれ（120度）
♐1元兵士が集結（180度）
♒1新大陸伝道（120度）
♓1公設青果市場（90度）
♈1絶対押すなよ（60度）