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乙女座7度「トップを狙え」

2018年8月29日18時26分、トランジット太陽が乙女座数え7度へ入りました。乙女座数え7度のサビアンシンボルをぎゅぎゅっと五文字くらいに圧縮すると「トップを狙え」

「♍7トップを狙え」原文チェック。黒字の1925年ジョーンズ版・青字の1975年ルディア版ともに「(ある)ハレム」。ハレム、後宮のことですね。いまハタと気付いたけれど「(ある)ハレム」が「トップを狙え」だとまったく圧縮されていない……むしろ伸びている……オゥ……!


「♍7トップを狙え」の番地チェック。乙女座前半(往路)の、5度ずつに分けた第2グループ(まんなか)の、第2グループ。どの5度組でも第2度数は第1度数を裏打ちする。磯野家で言えば第2度数はフネ。

「♍6浮世は回る」が波平、回転木馬のデッド・ヒート。この遊具は浮き沈みを繰り返しながら一定方向へ進む。前へ前へ進むと元の場所へ戻ってくる。さあ乗りますか、乗りませんか。「♍7トップを狙え」はフネ、♍6の「同じ場所を浮き沈みしながら周回する」を裏打ちする。

「♍7トップを狙え」の舞台はハレム(後宮)。たったひとりのスルタンのために集められた女たちが妍(けん・女性の魅力)を競う場所。寵愛を受けるのは誰?お世継ぎを生むのは誰?いづれの御ときにか女御更衣あまたさぶらひたまひける中に「すぐれてときめきたまふ」のは誰?

当番は♍7、ハレムのシンボルを説明するとき「AKBです」とか「宝塚歌劇団です」と言ったりする。彼女たちがひとりのスルタンに性的に仕えているという意味「ではなく」、才能と魅力のある候補者が一箇所へ囲い込まれ、その囲いの中でトップの座を目指して競っているという意味。

♍7の五文字くらいで圧縮版、別候補に「目指せセンター」というのがあったことをここに御報告いたします。結局文字数の関係で「トップを狙え」に決定。しかし元シンボルが「ハレム」で三文字、「後宮」と書けば二文字で収まるという短さで、ちっとも圧縮版ではないのであった。

いづれの御時にか女御更衣あまたさぶらひたまひける中にいとやむごとなききはにはあらぬがすぐれてときめきたまふあり。「源氏物語」が生まれた時代の「ときめく」は「萌えキュンする」という意味ではなく漢字で書けば「時めく」。「時代の寵児となる・時流に乗って輝く」の意。

昔の後宮では、そこにいる女君が「時めく」のは「スルタンや帝の寵愛を受けたとき」。家柄がよく美しく才能があってもスルタンあるいは帝に気に入られなくては「時めく(寵姫になって栄華を極める)」ことはできない。現代の帝は大人数のファンとなって劇場へやってくる。

美貌・才能・ファン投票。候補生研究生あまたさぶらひたまひける中から頭ひとつ抜き出るために、神セブンに残るために、センター取るために。あるいは男(女)役トップスターになるために。現代の「♍7トップを狙え」たちは囲いの中で競う。すべては「すぐれて時めく」ため。

それは劇場というちいさな囲いの中、前度数のシンボルを借りれば「回転木馬」の中での席次争い。誰がいちばんきれいな木馬に乗れるのか?それは狭く閉じられた輪(サークル)。だけど回転木馬へ乗るのにお金が要るように、その狭いサークルへ所属するには才能や美貌が要る。

ある囲いの中に優れたメンバーを集めるには?「その囲いへ入ることに資格を求め、そこに居られることをステータスだと印象づける」。集めたメンバーの質を上げるには?「定期的に内部格付発表と新人募集をして『常に能力を証明しないと居続けられない』と印象づける」

あちらこちらに小さな回転木馬、小さなハレムがある。入るのに一定の資格が要求され、中には中で格付があり、狭き門から新人が入ってくるたびに順位がガラガラポンするサークル。居続けられなくて卒業していくメンバーもいる。登りつめて惜しまれながら卒業するトップもいる。

その囲いの外にだって世界は広がっている。それはわかっている。だけどその囲いが「その道の選りすぐりの者だけが入ることを許される特別な囲い」だったら?そこへ入ることが国内あるいは世界最高峰のひとりであることを示すものだったら?

その囲いを特別なものと認めて、そこへ行くことを望んで才能で入団資格を勝ち取った人ほど、そこ以外に世界があっても囲いから抜けたがらない。それほど質の高い囲いではなくても「事実上そこへ入る以外に適当な居場所がない」場合も同じく。

「ハレム」という語感に引っ張られすぎないで。♍7のように選りすぐりのメンバーが集められ、その中でメンバー同士の格付チェックや総選挙によって順位が上下するような小さな囲いは日常に沢山ある。あなたも私も日常のどこかでそんな囲いのひとつやふたつ、所属している。

男も女も関係なく、♍7のような囲いの中で椅子取りゲームしていること、あるからね。社内政治とか部活動、スポーツチームだって♍7の世界だからね。人間のいるところ、あらゆるところにハレムあり。私たちは日常のどこかで誰でもちょっとだけ後宮の女御や更衣。

「♍7トップを狙え」とトラインになるのは「♉7異郷の出会い」。牡牛座は地の不動サイン、まんなかの地。その数え7度は福音書のエピソード。サマリア人の町でヨソモノのイエスとハミ出し者のサマリア人の女が丁々発止と語り合う。「橋を渡る」とはヨソモノと会うということ。

乙女座は地の柔軟サイン、おわりの地。その数え7度では囲いの中で選りすぐりの美姫たちが王様の寵愛をあらそっている。いつなんどき新人が入ってきて順位が変動するかわからない。王様と差し向かいで言葉を交わす、ただそれだけのことでも後宮のパワーバランスは変わる。

♉7では誰も水なんか汲みにこない真っ昼間、ひとりぼっちのヨソモノイエスとひとりぼっちの除け者の女が出会った。偶然のような、運命のような。♍7では食パン咥えたサマリア人女子が井戸端で偶然転校生のイエスくんにぶつかるような少女漫画的出会いは起こらない。

♍7ではどんなチャンスも自分で掴んでいかなければトップへは行けない。運命は作るもの。食パンを咥えた美女三千人を倒してからでなければ転校生のスルタン君に偶然を装ってぶつかることもできない。しかも美少女のライバルが転校してきたりもするし。

「いとやむごとなききはにはあらぬ(大層高貴な身分ではない者)」が王様の心ひとつで「すぐれてときめきたまふ(他に抜きんでて寵姫となる)」ということが後宮では起こり得る。自分磨きは当たり前、ライバルを排除するのも当たり前、そこに更に王様の贔屓という運要素が入る。

「♍7トップを狙え」とスクエアになるのは「♊7古い井戸」。双子座は風の柔軟サイン、晩春の風。その数え7度は昔ながらの釣瓶井戸。地下深くから汲みあげる清らかな真水。乙女座は地の柔軟サイン、晩夏の地。その数え7度は毎日が格付チェックの後宮。

後宮の女性たちの順位はまるで釣瓶のように上がったり下がったりする。誰がスルタンの寵愛という水をいちばん多く汲めるだろう。勢力争いに勝った者がいちばんたくさんの情けを受ける。あるいは独り占めにする。

「♍7トップを狙え」は乙女座前半(往路)第2グループ(まんなか)の第2度数(フネ)。同じ乙女座前半の第1グループ(はじめ)の第2度数と比べてみよう。「♍2主に従う」は♍1で特徴を強調しアイコン化した個々人がもっと大きなアイコンである十字架の前に頭を垂れた。

ひとりひとり違う個性を持つ人々(♍1)も、神様の前ではみなひとしい(♍2)。♍7も同じ。♍6で回転木馬という囲いに乗り込み、浮き沈みを繰り返しながら一方向へ回る。やがて囲いの中で競争が始まり、順位ができる(♍7)。しかし最終的にいちばんを決めるのは王様なのだ。

ハレムには王様がいる。アイドルグループや劇場にはプロデューサーがいる。スポーツチームには監督がいる。才能・努力・ファン投票。囲いの中に、メンバーは大勢。権力者はひと握り。最終的には、王様が決める。それでも胸に野望があるなら、駆け上がれ出世街道、トップを狙え。

うまれたときのホロスコープで「♍7トップを狙え」はどのハウスでにある?2018年8月29日の太陽はそこを照らした。穴埋め #アストロ短歌 で確認しよう。

「○○○○で(五音・ハウス) 計画的に(乙女座) 抜きんでる(太陽) 囲いの中でトップを狙え(♍7)」

乙女よ大志を抱け

#サビアンシンボル物語

っていう歌がありましたねえ……乙女よ大志を抱け!!

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