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牡牛座10度「無差別救護」

2018年4月29日17時58分、トランジット太陽が牡牛座数え10度へ入ります。牡牛座数え10度のサビアンシンボルをぎゅぎゅっと五文字くらいに圧縮すると「無差別救護」。

「♉10無差別救護」の原文チェック。黒字が1925年ジョーンズ版、青字が1975年ルディア版。ともに「A Red Cross nurse(ある)赤十字の看護師」。

【2024年、ちょっと解説を追加】
「赤十字社」Red Cross Society は固有名詞なので語頭が大文字。こういう「大文字表記の固有名詞が入っているシンボル」、サビアンシンボルには複数あります。この♉️10の他に♉️7、♊12、♋28、♋30、♐1などがそれです。

固有名詞 Red Cross は不可算名詞(「赤十字がひとつ、赤十字がふたつ……」とは数えない)のに不定冠詞の A がついています。これは nurse の方に掛かっています。看護師はひとり、ふたりと数えることができる加算名詞。「赤十字社という不可算名詞である団体に所属する、ひとりの看護師」、「赤十字社のとある看護師」です。この「A 固有名詞」で「その固有名詞集団の性質を帯びる一構成員」を表現するシンボルはこの♉️10の他に♋28、♋30、♊12があります。(追加解説終わり)

「♉10無差別救護」の番地チェック。牡牛座前半(往路)の、第2グループ(まんなか)の、第5度数。5度組の第5度数は第3度数と第4度数の子、第3度数は第1と第2度数の子。第5度数は1-2-3-4全員の血を引く三代将軍家光で、5度組の物語を総括する。磯野家で言ったらタラオに当たる。

この組の波平は「♉6谷繋ぐ橋」障害物があっても橋をかけて進む。その波平と対になるフネが「♉7異郷の出会い」橋の先で出会う他者とズバズバ対話する。「♉8出番待ち」雪の季節は必ずくる。だから用意して待つ。「♉9きよしこの夜」時は来たれり、久しく待ちにし主は来ませり。

牡牛座前半第2グループの第1-2-3-4度数こと♉6-7-8-9の物語があって、「♉10無差別救護」がある。深い谷へ橋を渡したのはなぜ?サマリアの女とズバズバ対話した理由は?雪降る前に橇を引き出したのは何のため?主は来ませりと歌う聖夜に問う、主(イエス)は何のために来た?

キリスト教徒は救い主イエスについていく。イエスは何のためにやってきて、何をした?どう生きて、何のために命を捧げた?イエスを救い主と信じ、イエスの後を追い彼の行いに倣うことをもって彼の信者と自認するのなら、何をすべきなのか?そこで登場するのが赤十字の看護師だ。

赤十字社の七原則。

「人道:赤十字の根本」
「公平:人種国籍その他の理由で差別をしない」
「中立:敵味方関係なく救護や支援を行う」
「独立:政府その他の圧力に屈しない」
「奉仕:報酬を求めない」
「単一:一国一社」
「世界性:世界中の赤十字社は協力しあう」

赤十字の看護師は敵も味方も分け隔てなく、人道に基づき負傷者を救護する。救護を必要とする人間がいる限り、かれらはどこへでも行く。イエスがどこへでも行き誰の病でも癒したのと同じように。なおイスラム教圏には十字ではなく赤新月を採用した赤新月社がある。

なお現在は宗教的に中立なシンボルとして Red Crystal も採用されている(赤枠の◇、日本では赤水晶と訳されるけれど、赤結晶の方がより正確じゃないかなと当番は愚考する)。最初に提唱したひとたちがキリスト教徒だったから赤い十字架なんだけど、確かに中立ではないから。

サビアンシンボル透視実験を行ったマーク・エドモンド・ジョーンズも透視者エルシー・ウィーラーもキリスト教文化圏のひと、赤十字社設立者だってキリスト教文化圏のひとたち。

日本人は異文化の宗教に関してユルいひとが多いからクリスマスはパーティーやってプレゼントあげるお祭りとして、赤十字は何か知らんが助けてくれる親切な慈善団体のマークとしてユルっと受け入れるけれど、違う宗教を信じているひとにとっては大問題であったりはするわけです。

変な話、宗教的にユルいタイプの日本人ならキリスト教信者でなくとも赤十字社に入って赤十字の腕章つけて活動ができちゃう。だけどキリスト教と違う宗教を信仰していたら、その人道的な姿勢に賛同し同じように活動したくても異教のシンボルである十字を身につけられない。

だから現在は赤十字社と同様な活動をする団体として赤新月社があったり(もちろん互いに協力しあう)、より宗教的に中立な赤い◇(赤水晶)をシンボルに採用したり、ということをやっている。人道的支援のためには十字というシンボルにすらこだわらない。大切なのは救護だから。

行きたいところへ行くためなら橋もかけよう。伝えたいことばを伝えるためなら異邦人とも語らおう。雪が降るなら橇で行こう。すべては来たるべき日のために。救護を必要とするひとがいる限りどこまでも行こう。この機動力高い5度組を見よ、牡牛座は怠惰でケチ?とんでもない!

「♉10無差別救護」は牡牛座前半第2グループの最終度数。牡牛座前半第1グループの最終度数と比べてみよう。「♉5主なき墓」、これも(福音書を読んでいないとわかりづらいけれど)キリスト教ネタのシンボルだっていう話は牡牛座5度のときにしたよね。未亡人はマグダラのマリア。

「♉4虹の麓の宝」からの「♉5主なき墓」だからと言って「開けてガッカリ、あるはずのものがない」というシンボル「ではない」という話をしたよね。未亡人はマグダラのマリア、お墓にいるはずだったのはイエス。私のお墓の前で泣かないでください。復活して歩き回っています。

ビックリドッキリだったろうけど、ガッカリではない。マグダラのマリアはイエスに死なれたくなかったのだから。イエスは一旦死んだけど、伝説どおり生き返ってお墓から出て行ってしまった。あのひとは生きている。夢物語は終わらない。今日ここから始まるイエスの伝説。

あのひとはお墓(ここ)にはいない。生き返って出て行った。待って、いま生きているって言った?どこへ行ったって?追いかけなくては――駆け出すマグダラのマリアのカットへ「第2部へ続く!」とテロップがかぶさるような「♉5主なき墓」。その第2部は赤十字社の看護師で終わる。

死んでよみがえる! イエスを救い主と信じ、彼の足取りを追いかけた人々の中から後年、戦災や天災で傷を負った人々を無差別に救護する赤十字社の創立者が現れた。赤十字の腕章を身につけ、血の色をした十字架を負って、どこへでも、どこまでも行く勇敢な看護師たちが現れた。

苦しむ人々を助けるという使命を負って駆け回る赤十字社の看護師を映し出して、牡牛座前半第2グループは終わる。しかし牡牛座の物語はまだ終わらない。前半第3グループへ続く!

生まれたときのホロスコープで「♉10無差別救護」はどのハウスにある?今日の太陽はそこを照らす。穴埋め #アストロ短歌 で確認しよう。

「○○○○で(五音・ハウス) からだを張って(牡牛座) 生きていく(太陽) 無差別救護それが信条(♉10)」

#サビアンシンボル物語

【♉️10無差別救護 をより深く理解するための比較対象シンボルリスト】
♊10降下一直線(となりのサイン)
♋10磨けば光る(60度)
♌10涙の数だけ(90度)
♍10共に見る未来(120度)
♏10同じ釜の飯(180度)
♑10無防備な信頼(120度)
♒10人間宣言(90度)
♓10雲隠れ飛行士(60度)

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