見出し画像

蟹座29度「どちらが重い」

2018年7月21日午前3時43分、トランジット太陽が蟹座数え29度へ入りました。蟹座数え29度のサビアンシンボルをぎゅぎゅっと五文字くらいに圧縮すると「どちらが重い」

「♋29どちらが重い」の原文チェック。黒字が1925年ジョーンズ版「A Muse weighing twins 双子の重さをはかる(ある)ミューズ」ミューズはギリシャ神話の芸術の女神ムーサの英語読み。A がついているので9柱のうちのひとり。青字が1975年ルディア版「A Greek Muse weighing newborn twins in golden scales. 生まれたばかりの双子の重さを黄金の天秤ではかるミューズ」

「♋29どちらが重い」の番地チェック。蟹座後半(復路)の、5度ずつに分けた第3グループ(おわり)の、第4度数。どの5度組でも第4度数は第3度数と対になる。第3度数は第1と第2度数のこども。磯野家で言えば第4度数はマスオ。

「♋26有閑階級」が波平、教養の有無で仲間かそうでないかを分け、教養ある者同士で集う読書人たち。「♋27災害は平等」がフネ、高級住宅地を嵐が襲い「教養ある私たち」という小さな輪の外側を考える必要に迫られる。この波平とフネから「♋28融和の象徴」サザエがうまれる。

「♋28融和の象徴」がサザエ、アメリカ先住民の娘が白人の恋人を一族に紹介する。本人たちにとって「この人と私の交際」であっても「『私たち』と『あいつら』」という考えの人々にとってその交際は「『私たちの子』が『あいつらの子』と付き合う」になる。

この「♋28融和の象徴」サザエと対になるマスオが「♋29どちらが重い」。ギリシャ神話の芸術の女神たち・ミューズ(ムーサ。複数形はムーサイ。3柱〜9柱いる)のひとりが金の天秤(scales)で双子の重さをはかっている。はかりゆらゆら、ふたりのこども、どちらが重い?

scale は「尺度」だけど scales は「天秤」。鋏1丁a pair of scissors や眼鏡1丁 a pair of eyeglasses のように右のお皿と左のお皿がひと組で天秤1台 a pair of scales と呼ぶよ。双子はふたりでひと組、天秤は左右でひと組。右と左はどちらが重い?

女神ムーサに黄金の天秤で量り比べられる「双子」とは何だろう? 双子(双生児)とは同じ母親の胎内でほぼ同時に受精し、相次いで生まれたふたりきょうだい。一卵性と二卵性の違いはあるけれど、同じ母親から供給される空間と栄養をふたりで分け合って育つもの。

色々な双子が考えられる。直前度数♋28のシンボル「アメリカ先住民の若い娘さん」と「その白人の恋人」。ふたりの属する集団「先住民の部族」と「白人社会」。この5度組の第1度数である♋26の「書斎で読書を楽しめる有閑階級」と「教養ある有閑階級に仲間入りできない人々」

自分と仲間を囲んでグルッと輪を描き「私たち」とする。その輪の外は「私たち」ではない。あるいは「誰か」が誰かと「誰かの仲間」を囲んでグルッと輪を描いて「あいつら」になった。その輪の外にいる私は「あいつら」ではない。

輪を描く前は「私たち」「あいつら」「私たちでないもの」「あいつらではない私」は明確ではなかった。輪を描いた途端に、それらは同時に誕生してしまう。同じお母さんの胎内、同じ空間に同時に宿り、そこへ供給される酸素や栄養を共に吸って育つ双子のきょうだい。

天秤はゆらゆら、重たい方へ傾く。双子のきょうだいであっても必ず同じ重さであるとは限らない。栄養状態や生育状況によって片方がもう片方より重たくなることがある。芸術の女神ムーサは何のために双子の重さを比べているのか。それはシンボルの中では明示されない。

「♋29どちらが重い」とスクエアになるのは「♈29天球和音」。天上で歌っている合唱隊。空に幾重にもはりめぐらされている透きとおった天球に星が貼りついていて、それぞれの天球は絶えず音を出しているという古代の宇宙観。それぞれの音は調和するときとしないときがある。

scales (天秤)は別名 balance 。天秤はゆらゆらと揺れて、左右の釣り合い(バランス)がとれる場合と取れない場合がある。ふたつの音を同時に鳴らしたときに調和する場合としない場合があるように。天秤を釣り合わせるにはどうする? 重い方から減らすか、軽い方へ足すか?

「♋29どちらが重い」は蟹座後半(復路)第3グループ(おわり)の第4度数(マスオ)。同じ蟹座後半の第1グループ(はじめ)・第2グループ(まんなか)のマスオズと比べてみよう。1がテーマを打ちだし2が1を裏打ちし、3が1と2のいいとこ取りをする関係はグループ間でも成り立つ。

蟹座後半第1グループの第4度数は「♋19夫婦と認める」、結婚式を執り行う司祭。「私たち」になることを選んだふたりの間に立ち、祝福する者。第2グループの第4度数は「♋24三角関係」、対照的なふたりの男、ふたつの価値観の間に立ち揺れるひとりの女。

蟹座後半にある「はじめ・まんなか・おわり」の3つの5度組。各組の第4度数である「♋19夫婦と認める」「♋24三角関係」「♋29どちらが重い」はいずれも「互いに対照的だがよく似た人間2人の間に立っている、立場が違う1人(1柱)」のシンボルだ。扇の要は1人(1柱)が握る。

蟹座後半の第1マスオ「♋19夫婦と認める」は1が2を結び合わせる。同じく第2マスオ「♋24三角関係」では1が2のうちいずれかを選ぶよう迫られる。第1マスオと第2マスオをいいとこ取りする第3マスオ「♋29どちらが重い」は1が2の軽重を見極め釣り合う点、落としどころを模索する。

蟹座後半(復路)第3グループの第4度数「♋29どちらが重い」と対になる蟹座前半(往路)第3グループの第4度数は「♋14闇を見る修行」。東北へ広がる暗闇を見つめるとても老いた男。♋29が芸術の女神ならば、♋14の男は老賢者。彼は暗闇に向き合い、時間をかけて何かを探す。

「♋14闇を見る修行」は「♋13親指目立つ手」と対になっている。老いた男は「目立つもの」ではないものを見ようとしている。彼は「何も見えない暗闇」を見つめる。「♋29どちらが重い」は「♋28融和の象徴」と対になる。ムーサは繋がっているものを敢えて分け、重さを比べる。

うまれたときのホロスコープで「♋29どちらが重い」はどのハウスにある? 2018年7月21日の太陽はそこを照らす。穴埋め #アストロ短歌 で確認しよう

「○○○○で(五音・ハウス) いつものように(蟹座) 投げかける(太陽) 双子の赤子どちらが重い(♋29)」

#サビアンシンボル物語

【♋29どちらが重い をより深く理解するための比較対象シンボルリスト】
♌29人魚姫の登場(となりのサイン) 
♍29啓示を得る(60度)
♎29知識の継承(90度)
♏29母の助命嘆願(120度)
♑29茶殻占い(180度)
♓29スペクトラム(120度)
♈29天球和音(90度)
♉29靴職人コンビ(60度)

いいなと思ったら応援しよう!

星見当番
お気が向いたらサポートをお願いします!サポートは当番の紅茶代となり、ひいては明日への活力となります