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双子座28度「裸で出直し」

2018年6月18日15時42分、トランジット太陽が双子座数え28度へ入ります。双子座数え28度のサビアンシンボルをぎゅぎゅっと五文字くらいに圧縮すると「裸で出直し」

「♊28裸で出直し」の原文チェック。黒字が1925年ジョーンズ版「A man declared bankrupt (ある)破産宣告された男」。青字が1975年ルディア版「Through bankruptcy, society gives to an overburdenedind individual the opportunity to begin again. 破産宣告を通じて、社会が重荷を負いすぎた(ある)人に再出発の機会を与える」

「♊28裸で出直し」の番地チェック。双子座後半(復路)の、5度ずつに分けた第3グループ(おわり)の、第3度数。どの5度組でも第3度数は第1度数と第2度数の対からうまれたこども。こどもは両親のいいとこ取りをする。磯野家で言えば第3度数はサザエ。

「♊28裸で出直し」こと「破産宣告された男」は、おそらくサビアンシンボル全360件の中で5本の指に入る「私この度数持ってるんですけど、どうすれば?!」案件ではないかと当番愚考いたします。焦るのは無理もないです。でも落ちついて。どの度数にもポジ面とネガ面があります。

一見して物騒に見えるシンボルにもポジティブな意味は必ず含まれているし、一見して幸福そうに見えるシンボルにもネガティブな意味は必ず含まれています。シンボルを少なくともふたつの観点から、余力があればもっと多くの観点から見るよう心がけましょう。

初見の「えっ」「どうしよう?!」以外の見かたを見つける助けになってくれるのは前後の度数、5度組内での位置、前後の5度組内にある同じ位置の度数、他サインの同度数(アスペクトをとる度数)です。どのサビアンシンボルも他のサビアンシンボルとの関わりがあります。

「♊28裸で出直し」に至るまでの双子座最終5度組の流れを復習しよう。「♊26風雪に耐える」が波平、「生き残る」というギリギリの最優先事項を取り、葉を全部落とした冬の森。「♊27実家脱出」がフネ、自分の人生が最優先。過去と家族をあとに残して、決して振り返らない。

少しも寒くない Let it go な「♊26風雪に耐える」と都会を目指し Try Everything な「♊27実家脱出」の対をいいとこ取りをして「♊28裸で出直し」がうまれる。「大切なのは生き延びること」と「親の期待を叶えるより自分の希望を実現したい」のいいとこ取り。

破産(bankruptcy)とは、債務者(支払いをする義務がある者)の経済状況が悪化して「これ以上支払う能力もアテもありません」となったときに、その状況を公開して後の手続きを管財人に頼むこと。管財人は債務者の持ち物で換金できるものはすべて換金し、債権者へ分配する。

破産した元債務者は一文なし財産なしのすってんてんになってしまうから、まあ大体のひとは「そんな風になりたくはない」と思う。無理もない。ただ「破産」という仕組みは福祉の一環、安全網でもある。破産は元債務者の更生(やりなおし)のために存在する制度だ。

破産者が包み隠さず経済状況と残りの資産を明らかにすれば(「お金ナイヨー」と言いつつ床下に隠しておいたヘソクリを抱えて逃げたりしなければ)、たとえ有り金かき集め家財を売り払ったお金が支払うべき金額に足りなかったとしても、それ以上の支払いは免除される(免責)。

「♊26風雪に耐える」冬の裸木のように葉は1枚残らず失う。丸裸になる。「♊27実家脱出」するジプシーのように昨日までの居場所と人生を置き去りにして新天地を目指す。「♊28裸で出直し」、破産は生きるために行う。すってんてんの丸裸にはなるけれど、命までは取られない。

破産は「『お金を払えなくなった罰』として身ぐるみ剥がされて放り出される」ではない。支払(返済)能力を越えた債務を背負っているひとから重荷を取り除き、更生(出直し)させるために破産はある。丸裸になったひとはなったひとで、それを支える制度が社会にはある。

♊26の冬木立は「いい子のガワ」を脱ぎ捨てた雪の女王エルサ、♊27のジプシーは自分の夢のために故郷から旅立つウサギのジュディ、魔女のキキだと説明した。もしも彼女たちが「いい子のガワ」を脱がなかったら? 王宮や故郷から、世間や親から逃げなかったらどうなっていた?

今までだって背負ってきた、耐えて頑張ってきた。あともうしばらくの間だけなら、背負い続けることはできるかもしれない。でもある日限界が来るだろう。心が折れて、最悪の場合は追い詰められて死んでしまう。そうなる前に見切りをつけて「自分を優先する」を選ぶ必要がある。

『アナと雪の女王』のエルサも『ズートピア』のジュディも『魔女の宅急便』のキキも、古巣を出て行った先で失敗もすれば傷つきもする。他人を傷つけてしまったりもする。出て行きさえすれば後は薔薇色というほど人生は単純ではない。それでも、少なくともそれは自分の決断だ。

「♊28裸で出直し」は双子座後半第3グループの第3度数。同じ双子座後半の第1、第2グループの第3度数と比べてみよう。1がテーマを打ちだし、2がそれを裏打ちし、3が1と2のいいとこ取りをする関係は連続する5度組の同じ度数同士でも成立する。

双子座後半第1グループの第3度数は「♊18語り合う華僑」、商売のためならどこへでも行き何カ国語も操る華僑でも、母語で喋れる同郷人に出会うとホッとする。第2グループの第3度数は「♊23安全な隠れ家」、やっと授かった子宝は安全な場所に置いて大切に育てる。

母語はそのひとの思考の根底を支えている。同じ母語を喋る者同士は話が早い。高い木の上の巣は雛鳥たちの成長を支えている。♊18と♊23は共に「下支えの存在」を表すシンボルだ。♊28「裸で出直し」は、この♊18と♊23のいいとこ取りと考えることができる。

母語という共通基盤があるから「素の自分」に近い感情表現や意思表示ができる。高い木の上の安全な巣があるから、羽も生え揃わない雛鳥は弱くても生きていける。「自己破産」や「生活保護」という制度がみんなの受け皿になっているから、すってんてんの裸になっても出直せる。

いや、もちろんその受け皿になる筈のものが手薄すぎて、セーフティネットをぶち破って落ちるとか網目にかからないとか、それでとても困っているひとがいる現実というのは残念ながらあるわけです。それでも「何も持たない人を支えるためにそれらはある」ということは変わらない。

「♊28裸で出直し」を双子座前半第3グループの第3度数とも比べてみよう。「♊13心掴む名演」、自分のピアノを前にした大音楽家。音楽家はステージの上で自分をさらけ出す。本気の演奏をすれば、それは隠そうとしても出てしまうし、聴衆はそれを音楽と共に受け取る。

音楽家が自分をフルオープンにして本気の演奏をすれば、それは聴衆の心を掴む。払いきれないほどの負債を債務者が背負い込んでしまったとき、肚をくくって自分の財務状況をフルオープンにすれば、その受け皿は必ず用意される。大切なのは、見切りをつけ声をあげる勇気。

うまれたときのホロスコープで「♊28裸で出直し」はどこにある? 今日の太陽はそこを照らす。穴埋め #アストロ短歌 で確認しよう

「○○○○で(五音・ハウス) 足取りかるく(双子座) 生きていく(太陽) 荷を下ろし素裸で出直し」

#サビアンシンボル物語

【♊28裸で出直し をより深く理解するための比較対象シンボルリスト】
♋28融和の象徴(となりのサイン)
♌28 buzzってる(60度)
♍28禿の権力者(90度)
♎28徐々に好転(120度)
♐28風景の一部(180度)
♒28薪になる木(120度)
♓28豊かな実り(90度)
♈28期待外れ(60度)

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