見出し画像

牡羊座13度「爆破失敗」

2018年4月2日午前4時09分、トランジット太陽が牡羊座数え13度に入りました。牡羊座数え13度のサビアンシンボルをぎゅっと五文字くらいに縮めると「爆破失敗」

原文チェック。黒字がジョーンズ版「An unsuccessful bomb explosion ある成功しなかった(unsuccessful を一語で表すなら『不首尾な』)爆弾の爆発」。青字がルディア版「An unexploded bomb reveals an unsuccessful socialprotest. ある爆発しなかった爆弾(または不発弾)が不首尾な社会的抗議をあらわにする」爆弾、社会的抗議、不穏だね。しかしそれは不首尾だった。

牡羊座数え13度は牡羊座前半、第3グループ(おわりの5度組)の第3度数。どの5度組でも、第3度数は第1度数と第2度数の一対から生まれたこども。第1度数が波平で第2度数がフネなら第3度数はサザエだ。「♈13爆破失敗」は「♈11国家元首」と「♈12自由往来」のこども。

牡羊座前半第3グループの波平「♈11国家元首」は国民から選ばれて国を仕切る(rule,  preside)。同グループのフネ「♈12自由往来」は国家元首が仕切れるものは自国の人間だけで、渡り鳥には人間の法など通用しないことを示す(国家元首に欠けがちな視点を補う)。

かなり水と油に思える「♈11国家元首」波平と「♈12自由往来」フネ、権力者と渡り鳥の間に生まれる「♈13爆破失敗」サザエは前の2度とは世代が違う。このサザエは国家元首の敷いた境界線を越える渡り鳥のような自由さを爆弾によって得ようとした……が、それは不発に終わる。

仕掛けた爆弾はうまく爆発しなかった。抗議に失敗した。失敗したから「ああ爆発しなかった。我々の社会的抗議は届かなかった。社会は変わらない」と言えるけれど。もし爆発していたら「ああ爆発した。社会的抗議は届いた。これで社会は変わるぞ」と言えるだろうか?

国が敗れ人が死んでも山河さえ残っていれば、来年また渡り鳥は飛んでくるだろう。けれどそこにはもう人間はいない。社会的抗議は社会に爆弾を仕掛け、社会をつくる人間を死の危険に晒して行うべきだろうか? その抗議に「成功」したあと社会をどう運営するかの展望はあるのか?

牡羊座13度「爆破失敗」は不穏な空気を漂わせるシンボルだ。ギリギリの怒り、ヒリヒリする焦り。火星(怒りの星)に支配される牡羊座だもの、怒りのシンボルだってある。「このままであっていいはずがないだろう?! なんとかしようよ!」と牡羊座が叫ばずして誰が叫ぶ?

しかしその怒りと抗議は、この段階ではヒヤリハット案件に留まる。ここでやすやすと爆破テロによる社会変革がまかり通ってしまったら、黄道の残り317度、要らないよね。ここでエンドマークが出て13ページの読切短編でおしまいだよね。サビアンシンボルは360ページの物語だ。

牡羊座数え13度「爆破失敗」は「ぼくのかんがえたさいきょうのしゃかいてきぷろてすと」が不発に終わり「いまにみてろー!!」となる回。ここで終わるわけがない。終わらせるつもりはない。国家元首にアンパンチを食らわされバイバイキーン!と飛ばされようが、 I'll be back.

牡羊座前半、「はじめ/まんなか/おわり」3グループの第3度数同士を比べてみよう。第3グループの第3度数(サザエ)は同じグループの第1度数(波平)と第2度数(フネ)のこどもだが、第1グループと第2グループの第3度数(サザエ)のこども、とも言える。

「♈13爆破失敗」は「♈11国家元首」波平と「♈12自由往来」フネの間に生まれたサザエ。それと同時に第1グループのサザエ「♈3俺が祖国だ」と第2グループのサザエ「♈8風立ちぬ」のこどもでもある。♈13の中に♈11と♈12の要素が息づいているように、♈3と♈8も息づいている。

「♈3俺が祖国だ」は人のプロフィール(横顔)がそのひとの祖国と同じ形のチーバくん状態。個性(横顔)と属性(祖国)が紛らわしく「主語がでかい」のが特徴。「♈8風立ちぬ」は繊細な妖気アンテナ装備者。動くのは風かリボンか己の心なのか、いっぺんに動くから紛らわしい。

第1グループのサザエ「♈3俺が祖国だ」と第2グループ「♈8風立ちぬ」は本来別々のものである筈のものが重なっていて(同時に起こって)、紛らわしい。不可分状態と言ってもいい。では第3グループのサザエ「♈13爆破失敗」はどうだろう? 何が重なっていて紛らわしいか?

牡羊座前半第3グループのサザエ(第3度数)「♈13爆破失敗」で重なっていて紛らわしいもの。それは「社会的抗議」と「爆弾」。「変えたいという意志や怒り」と「その表現手段」。「♈13爆破失敗」は「♈3俺が祖国だ」の主語の大きさと「♈8風立ちぬ」の敏感さを受け継いでいる。

牡羊座第3グループのサザエ(第3度数)「♈13爆破失敗」では「社会への不満や怒りの感情・抗議の意志」と「その手段としての爆弾」が重なってしまっている。境界線が曖昧で紛らわしい。爆破は失敗した。爆弾に託した社会的抗議は失敗した。本当にそうだろうか?

「社会への抗議を爆弾に込めて大統領公邸へ仕掛けたった。でも計画はうまくいかなかった。次はうまくやる」うまくやる、ってやるべきことは「次はうまく爆発するようにする」の方だろうか。それとも「次はうまく抗議する」の方だろうか? どちらが目的でどちらが手段?

正義の怒り、正当な抗議。しかし目的は手段を正当化しない。テロリズム(有利に事を運ぶために暴力的手段を用いて脅迫する)が正当な、あるいは唯一の社会的抗議の手段だという発想は早いうちに正される必要がある。怒るな抗議するな、ではない。暴力に訴えるなという話。

13/360。牡羊座数え13度「爆破失敗」は円周360度のほんの3.6%まで来たばかりのとても若いシンボルだ。若いうちに、小さなつまづきから覚えよう。怒りや抗議が悪いのではなく、その表現として暴力を用いることが悪いのだと。だから爆破失敗。傷は浅いぞ、次はうまく抗議しよう。

暴力以外の怒りや抗議のあらわしかたについてのシンボルはこの先、双子座に多く出現する。双子座5度「過激な雑誌」、双子座8度「産業ストライキ」、双子座16度「熱弁を振るう婦人参政権運動家」、双子座21度「労働者のデモ」。ことばでの抗議が多いあたりがいかにも双子座。

牡羊座数え13度「爆破失敗」に太陽その他の天体をお持ちの方もいらっしゃるだろう。何だか悪いシンボルのように思えてイヤだと思うかもしれない。「♈13爆破失敗」は悪いシンボル……ではない。ここに天体を持つあなたも悪いひとではない。だって爆弾は爆発しなかったのだから。

「♈13爆破失敗」は悪いシンボルではない……のだけれど「良さがわかりづらいシンボル」ではあるかもしれない。「♈3俺が祖国だ」で個性(横顔)と属性(祖国)がそっくりすぎるみたいに、「♈8風立ちぬ」で風とリボンが分かちがたいように、♈13は怒りと爆弾の区別がつきにくい。

いっしょくたになってしまいがちな「怒りや抗議」と「それらを爆発させること」。みずから選んで爆発を回避するのも、爆発させる気満々だったけれど爆破失敗してしまうのも、結局のところ「爆発を起こさなかった」ということ。いいことだけど、よさがわかりづらいだけ。

天体がなくても、誰のホロスコープにだって「♈13爆破失敗」はあるぞ。穴埋め #アストロ短歌 で♈13があるハウスを確認しよう。

「○○○○で(五音・ハウス) 怒りをこめて(牡羊座) 見せつける(太陽) 爆破失敗その手はヤバい」

#サビアンシンボル物語

怒ってるけど爆発させたらいかん! と耐えている♈13持ちのひとがいたなら当番は言いたい。それだけですっごくえらい。苦しい中で「怒り」と「爆弾」をよく切り離した。まだ苦しいかもしれないけれど、自分の苦しさを他人を苦しめていい理由にはしなかった。あなたはやさしい。

以下、2023年ツイートより追記

今日はトランジット太陽が牡羊座数え12度「野生の雁の三角飛行( #サビアンシンボル物語 ではぎゅぎゅっと縮めて『♈️12自由往来』)」へ入る日。

2018年の解説では「ほら『刀剣乱舞』の陣形に『雁行陣』ってあるよね」と説明しているけれど、ミュージカル刀剣乱舞『源氏兄弟双騎出陣』を観た後では「雁が音……」と涙が出る……。

ちちと……ははと……ともに……ともに……翼広げ共に飛んでいきたかった……もう聞こえない……遠き雁が音……(『源氏兄弟双騎出陣』第一部曽我物語の挿入歌「遠き雁が音」)

そんなわけで渡り鳥である雁は地上に縛られ、ままならない生を送る人間たちを尻目に来ては去っていく自由な存在の象徴であり……(泣きながら笹を振る当番)

源氏双騎(ミュージカル刀剣乱舞『源氏兄弟双騎出陣』)の第一部曽我物語パート視聴後に「♈️11国家元首」と「♈️12自由往来」を眺めますとね……「♈️12自由往来」で飛び去る自由な雁たちに対して、地上に生きる民たちを支配する「♈️11国家元首」とは源頼朝やその部下の工藤祐経なわけですよ。

そしてこの「♈️11国家元首」(曽我物語で言えば曽我兄弟の仇役・工藤祐経とそのバックにある源氏の世そのもの)と「♈️12自由往来」(武士の世の掟や、その下でままならない人生を送る兄弟とは無関係に来ては去る雁の群れ)の一対から次のシンボル「♈️13爆破失敗」が生まれる。

明日(2023年4月2日)にトランジット太陽が入る「♈️13爆破失敗」(「成功しなかった爆弾の爆破」)は「失敗してした社会的抗議(テロリズムで社会を変えようとしたのだけど計画通りには進まなかった)」というシンボルなんですけどね。これまんま「曽我兄弟の仇討ち」ですよ。

曽我兄弟は父を殺した実行犯である工藤祐経を討ち取ることには成功したけれど、兄弟の兄は戦闘中に死に、弟は捉えられ斬首で終わる(←史実の結末。『源氏双騎』だとちょっと死にかたが違う)。工藤祐経に権力を与えていた源頼朝を倒すには至らなかった。失敗したテロリズム。

抗議の手段として爆弾を仕掛けたけれど(父を殺した男と、その男を重用する鎌倉幕府に弓引くため仇討ちを仕掛けたけれど)、その抗議は成功しなかった(父の仇は取ったけれども兄弟は死んでしまい、鎌倉幕府は安泰だった)。「♈️13爆破失敗」は『曽我物語』と覚えてね。

『源氏兄弟双騎出陣』第一部曽我物語パートはいいぞ……「♈️11国家元首」「♈️12自由往来」「♈️13爆破失敗」の流れを実感したい人は観てほしい……観てほしい……2019版と2020版があります……当番が観て沼落ちしたのは2020の方です……(泣きながら笹を振る※当番)。

※ここでの「笹を振る」は「悲しみのあまり正気をなくしてしまったことを示す小道具『狂い笹』を振る」という意味です。『曽我物語』があまりにも当番好みであり、あまりにも悲しい物語なので、うちわを振る代わりに笹を振っております。

【♈️13爆破失敗をより深く理解するための比較対象シンボルリスト】
♉13資金稼ぎ(となりのサイン)
♊13心を掴む名演(60度)
♋13親指目立つ手(90度)
♌13老船長の回想(120度)
♎13夢みる力(180度)
♐13過去の露見(120度)
♑13聖火を拝む(90度)
♒13未来予測(60度)

お気が向いたらサポートをお願いします!サポートは当番の紅茶代となり、ひいては明日への活力となります