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蟹座4度「鼠の言い分」
2018年6月24日22時36分、トランジット太陽が蟹座数え4度へ入ります。蟹座数え4度のサビアンシンボルをぎゅぎゅっと五文字くらいに圧縮すると「鼠の言い分」
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「♋4鼠の言い分」原文チェック。黒字の1925年ジョーンズ版、青字の1975年ルディア版ともに同じ詞文で「A cat arguing with a mouse ネズミと議論するネコ」。ネズミもネコも単数形、一対一です。
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「♋4鼠の言い分」番地チェック。蟹座前半(往路)の、5度ずつに分けた第1グループ(はじめ)の、第4度数。どの5度組でも第4度数は第3度数と対になる。第3度数は第1度数と第2度数の対からうまれたこども。磯野家で言うと第4度数はマスオ。
「♋1衣替え」が波平、旗を掛けかえて目的が達成できるなら掛けかえていく。「♋2俯瞰で下見」がフネ、どこか一点へ降りたつ前に全貌をざっと下見する用心深さ。「♋3目指せ北極」はサザエ。世界は厳しく自分は小さい。それでも世界を見て歩きたいなら着込む必要がある。
世界は大きく厳しく、自分は小さく弱い。着込んで防御してやっと外を歩ける「♋3目指せ北極」サザエと対になるのが「♋4鼠の言い分」マスオ。ネズミと議論するネコ。被捕食者と捕食者。圧倒的な体格差と力の差がある者同士が向かい合っている。毛皮マンが北へ向かうみたいに。
ネコがネズミの言い分を聞いてやる必要があるかしら? 気にいらなければ頭からガブリで済むことなのに? 大自然が毛皮男に譲歩してやる必要があるかしら? ネズミや毛皮男にしてみれば、生き死にの問題だから全力で争う(argue)けれど、果たしてネコや大自然は聞く耳を持つか?
どう考えても、大自然やネコが気まぐれを起こさない限り毛皮男やネズミに勝ち目はない。しかし、だからと言って隙や弱気を見せたら頭からおいしく食べられてしまう。毛皮男やネズミには、できるかぎりの武装(理論武装含む)をして強気で向かっていく以外の道はない。
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「♋4ネズミの言い分」ネズミと議論するネコ、どうしてもこれを思い浮かべてしまうよね、というのを貼っておきます。「不思議の国のアリス」でネの字やらイの字やらが嫌いなネズミが語る長く悲しいお話/尾はなし(a long and a sad tale/tail)
ルイス・キャロルのこの詩では、おそらくはイヌであろう Fury(ネコに Fury 怒り、とはあまり名付けない。獰猛な猟犬や番犬向きの名前)が、とあるネズミに法廷へ行って裁判をやろう、と持ちかける。その理由は「今朝は何もすることがない」から。
ネズミは「判事も陪審員もいないのに裁判なんざやるだけムダ(waste of breath)です」と反論するが、Fury は「判事も陪審員も自分がやる。あの手この手でお前を必ず処刑してやる」と言い放つ。どんなにネズミが抗っても、結論ありきの茶番なのだ。
ネコがネズミと議論をしている。前度数の大自然 vs 毛皮男と違い、ネコとネズミは「話し合える」者同士として描写されている。ちょっとマンガっぽいシンボル。まるで「トムとジェリー」だ。ネコは何とか口実をつけてネズミを食べたい。ネズミはなんとかネコの隙をつきたい。
このシンボルはネコとネズミが登場するが、主に注目されているのはネコの方だ。「ネズミと議論している(arguing with a mouse)」はネコを修飾しているだけ。「ネコと議論するネズミ」でも「ネコとネズミが議論している」でもない。たとえ絵にしてしまえば皆同じであっても。
このシンボル。当番、ここに天体を持っているひとにできるだけ嫌な思いをさせたくはないのだけれど。いわゆる「自己正当化」……のシンボルです。ネコは議論なんかしなくてもネズミを食べてしまえる。だけどネコは、なんでだかネズミを食べる口実――正当に見える理由――が欲しい。
ネズミは、そうしないで済むんだったらネコと議論なんかしたくない。言葉でわからせるのが面倒になったら拳でわからせる気満々のジャイアンとわざわざ議論をしたいのび太はいない。「議論」を必要としているのはジャイアン(ネコ)の方であって、のび太(ネズミ)ではない。
自己正当化が必要になるのは、自分のしたいことが何らかの理由で否定/禁止されていて、自分でもそれがわかっているときだ。否定や禁止を押してでも自分を通したいとき、「自分はそれをするだけのもっともな理由があるのだ」と相手を言いくるめる。あるいは自分に言い聞かせる。
蟹座は牡羊座と90度で、牡羊座の「自分がそうしたいからする」をそのまま貫けない、ダメ出しをされてしまう世界。それでも「自分がそうしたい」という衝動はまだある。「ダメなのだけど、これだけはセーフ。これだけは例外」と言いたくなる。それが自己正当化。
「これは命令ではなく話し合いである」「ネズミが悪いことをしたので罰を与えている」「ごはんは足りているけれどネズミは別腹なんだ」「ネズミはヘルシー食材だから太らない」「取り上げてなんかいない、ただずっと借りておくだけだ」「俺はいじめてないよな、なあのび太?」
ドデカテモリーで言うと「♋4鼠の言い分」は「蟹座の中のちいさな獅子座」に当たる。「これは特別」「自分は例外」と大きなルールの中でちいさなマイルールを作ろうとするけれど、はてさてどこまで通用するのか。ネズミはどうやってネコの隙を衝いたらいいのか。
「♋4鼠の言い分」は蟹座前半(往路)の第1グループ(はじめ)の第4度数(マスオ)。比較できる同サイン別グループがまだないから、スクエア関係の牡羊座前半第1グループ第4度数と比べてみよう。「♈4二人の世界」と「♋4鼠の言い分」
「♈4二人の世界」と「♋4鼠の言い分」の共通点。誰も来ない道を歩く恋人たち(♈4)と、ネズミと議論するネコ(♋4)は両方とも1対1の関係であり、離れられない(ネズミはネコから逃げ出しづらい)ということ。相違点は、恋人同士は対等でもネコとネズミは対等ではないこと。
恋人同士は互いに互いを必要としている、求め合い、互いに互いのものになる。ドデカテモリーで言ったら♈4は「牡羊座の中のちいさな牡牛座」だ。ネコとネズミは違う。ネコはネズミが欲しいしネズミを追うけれど、ネズミはネコが欲しくない、できればネコに追われたくない。
「議論しよう」と言われたならば、そりゃあネズミにだって言い分はあるけれど。もしもネコが持ちかける「議論」がそもそもネコの自己正当化が目的ならば――ネコは本当は誰に向かって話しているのか? ネズミか? それともネコのネズミ捕りを非難しそうな別の誰かなのか?
♋4に天体を持つひとがみんなジャイアンだとか、自己正当化の言い訳上手とか、そういう話ではないです。天体のあるなしにかかわらず誰のホロスコープにも♋4は必ずあるし、自己正当化は誰にでもある。なぜ自己正当化するのか、自己正当化をするとき何が起きているのかという話。
ネコはネズミを食べる口実が欲しい。なぜそんな口実が要るのかシンボル内では描写されないけれど、まあ何か大っぴらに食べると咎められるような環境にいるんでしょう。ネズミはそんな理由で食べられてはたまったものではないので、ネズミなりの言い分を展開する。
食べたいネコと食べられたくないネズミ、どちらも必死(主にネコのせいで)。自己正当化しないとネコは食いっぱぐれるし、ネズミは生きっぱぐれる。自己正当化をいちばん必要とするのは、自分がそうしなければ誰も自分の欲や生存を肯定したり守ったりしてくれないとき。
つまり「自己正当化」は「自己防衛」の一環。厳しい寒さの中を歩く毛皮男の毛皮と同じ。運搬具兼保険として連れ歩く毛深いシカと同じ。♋3と♋4の対は「自己防衛」の対です。自己防衛おじさんってちょっと前にbuzzりましたね。占い師さんだそうですけれど自己防衛おじさん。
ネコがネズミと議論するのは自己正当化のため、ひいては自己防衛のため。ネズミはネズミでやっぱり自己防衛のためにネコとの「議論」に応じる。そうしない限り、誰も自分の立場を守ってくれはしないから。
ネコとネズミは対等ではないし、議論と言っても実は互いに相手の言い分を聞き入れる気はない。ネコもネズミもそれぞれに、自分の立場を守りたいだけ。食えるか食えないか、食われるか生き延びるかがあるだけ。それだけに、必死。ここはまだ蟹座の領域であって、天秤座ではない。
ネコも、ネズミの捕食が肯定される環境ならば問答無用でネズミを食べる。ネズミもそんな環境ならネコを見た途端逃げる。何らかの理由でネズミの捕食が肯定されない環境だと、ネコは捕食の口実作りにネズミと議論で勝とうとしはじめ、ネズミはネコの自己正当化に巻き込まれる。
そして自己正当化・自己防衛から始まった「議論」はだんだんおかしな方向に行く、というのは現実生活でもよくある光景。♋4に天体を持っているひとだけの話ではないよ、というのはそういうこと。誰にでも起こり得ること。身に覚え、見かけた覚え、あるでしょう。
自分の立場や選択に正当性があると思いたい。自分がしたいようにする口実が欲しい。自分を守りたい、それは生き物の基本。このシンボルのネコ(ネズミも)がしていることは「理論武装」というやつで、「理論武装」は♋3の毛皮と同じ役割。ことばで出来てる防寒具。
毛皮を着込まなくても凍死しない環境になるまで、♋3の毛皮男は毛皮を脱がないだろう。理論武装がなくても立場を脅かされない環境になるまで、♋4のネコもネズミも理論武装と自己正当化を続けるだろう。世界は厳しく、自分以外に自分の安全を守るものはまだ見つからない。
うまれたときのホロスコープで「♋4鼠の言い分」はどのハウスにある? 今日の太陽はそこを照らす。穴埋め #アストロ短歌 で確認しよう
「○○○○で(五音・ハウス) 自己防衛を(蟹座) 意識する(太陽) 鼠の言い分聞くだけは聞く(♋4)」
言いたいことはそれだけか?
【♋4鼠の言い分 をより深く理解するための比較対象シンボルリスト】
♌4獲物ドヤ男(となりのサイン)
♍4人類皆兄弟(60度)
♎4皆で火を囲む(90度)
♏4共同体参加(120度)
♑4同じ船に乗る(180度)
♓4リゾート渋滞(120度)
♈4二人の世界(90度)
♉4虹の麓の宝(60度)
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