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蠍座7度「深く潜る」

2018年10月29日20時49分、トランジット太陽が蠍座数え7度へ入りました。蠍座数え7度のサビアンシンボルをぎゅぎゅっと五文字くらいに圧縮すると「深く潜る」

「♏7深く潜る」の原文チェック。黒字の1925年ジョーンズ版・青字の1975年ルディア版ともに「Deep-sea divers 深海潜水士たち」divers と複数形であることにご注意。

「♏7深く潜る」の番地チェック。蠍座前半(往路)の、5度ずつに分けた第2グループ(まんなか)の、第2グループ。どの5度組でも第2度数は第1度数を裏打ちする。磯野家で言えば第2度数はフネ。

「♏6一攫千金」が波平。「一山当てたいかー?」「当てたーい!!」金が出るというニュースに世界中から人々が集結する。川底の砂から砂金を探せ。「♏7深く潜る」がフネ。♏6の砂金採りたちは♏7で潜水士たちに変わった。水の中へ、深い深い海の底へ、何かを探し求めて潜る。

川に浸かって砂の中から選り分ける必要があるとは言え、砂金は露出している。潜水よりはだいぶラクにお宝を手にすることができる。素潜りなら息を止めていられる間だけ、ボンベを担いでならば酸素が続く間だけしか海へは潜っていられない。潜水は砂金採りよりずっと死に近い。

海中はしばしば無意識になぞらえられる。陸地(自我になぞらえられる)が根ざしていながら、その中に何があるか知らない領域。海の特に深いところへは訓練を受けた潜水士くらいにしか到達できない。訓練を受け経験を積んだ潜水士でさえ、限られた時間しか深海には居られない。

ひとつ前のサイン、天秤座の数え7度は「♎7弱きを守る」。女性はヒヨコたちに餌をやる。ヒヨコはやがてニワトリに育ち、その肉や卵はやがて女性の食卓に上ったり市場へ出荷されたりする。女性はタカを追い払う。タカは大事なヒヨコを食べて、彼女の実入りを減らしてしまうから。

♎7の女性はヒヨコには愛情深いが、自分のヒヨコを狙って上空からダイブしてくるタカには手厳しい。♏7では潜水士たちが海に秘められたものを暴こうとダイブする。母なる海はその秘密をやすやすとは明かしてくれないだろう。無意識の海でも同じこと。飛び込めば必ず抵抗に遭う。

それでもダイバーたちは海底を目指す。たとえ限られた時間しか居られなくとも、たとえ広大な海のほんの一部分しか見られなくとも、たとえ死と隣り合わせであろうとも。奥底へ隠されたものを知りたいという欲求に突き動かされ、母なる海の更に深きへと飛び込んでいく。

「♏7深く潜る」の対向シンボルを見てみよう。「♉7異郷の出会い」は福音書のエピソード。サマリア人の町で、ヨソモノのイエスとハミ出し者のサマリア人の女が出会った。サマリア人の女はイエスにズバズバと遠慮なく質問し、イエスもズバズバと率直に応じた。

♉7の対向、♏7では潜水士たちが海という異郷の奥深く入り込んでいく。サマリア人の町にとってイエスがヨソモノだったように、海にとって潜水士たちはヨソモノだ。イエスとサマリア人の女は率直な会話をした。しかし潜水士たちに海が率直に応えてくれるかどうかはわからない。

「♏7深く潜る」とトラインになるのは「♋7月夜の妖精」。蟹座は水の活動サイン、はじめの水。その数え7度は草木も眠る丑三つ時、月明かりに照らされて踊るふたりの妖精。妖精が踊った跡には「妖精の輪(円環状に生えた茸)」ができる。トトロが来た庭ではどんぐりが芽吹く。

蠍座は水の固定サイン、まんなかの水。その数え7度は深海の潜水士たち。♋7の妖精たちは誕生を促す見えない力の象徴。それは自我-意識が眠りに落ちる夜に働く。♏7の潜水士たちが潜っていくのは海、海は無意識の象徴。酸素ボンベが許すわずかな間、無意識の世界を垣間見る。

「♏7深く潜る」とスクエアになるのは「♌7万古不易」。獅子座は火の固定サイン、盛夏の火。その数え7度は空の星座。地上では様々な流行が日々新たに生まれては古び、やがて消えていく。しかし空の星座はいつまでも変わらずそこにある。

蠍座は水の固定サイン、仲秋の水。その数え7度は深海の潜水士たち。♌7は空の彼方に輝く星座、♏7は深い深い海。一方は頭上遥かに高く、もう一方は低い。どちらも並の人間には手も届かない場所。それゆえに人間の好奇心や憧れをかきたてる場所。

「♏7深く潜る」は蠍座前半の、5度ずつ「はじめ・まんなか・おわり」に分けた「まんなか」第2グループの、第2度数。同じ蠍座前半の、第1グループの第2度数と比べてみよう。蠍座前半第1グループの第2度数は「♏2後の祭り」。

「♏1バスツアー」でバスという「入れ物」に観光客が入って「御一行様」になったと思ったら「♏2後の祭り」では「入れ物」が壊れて中身の香水がこぼれてしまった。取り返しのつかない、後戻りはできない事態というものが存在する。貴重なものを守るためにある「入れ物」にも「限り」があるというシンボルが♏2だ。

蠍座前半第2グループの第2度数「♏7深く潜る」ではダイバーたちが深海を目指す。彼らが潜っていけるのは、生命活動に不可欠な酸素を収めたボンベの限界まで。このシンボルにもまた、♏2同様に「貴重なものを収めるための『入れ物』とその限界」が暗示されている。

うまれたときのホロスコープで「♏7深く潜る」はどのハウスにある? 2018年10月29日の太陽はそこを照らした。穴埋め #アストロ短歌 で確認しよう

「○○○○で(五音・ハウス) 奥底までも(蠍座) 照らしたい(太陽) 心の海へ深く潜るよ(♏7)」

#サビアンシンボル物語

【♏7深く潜る をより深く理解するための比較対照シンボルリスト】
♐7ロマンスの神様(となりのサイン)
♑7神がかり(60度)
♒7親に似ぬ子(90度)
♓7無視されたもの(120度)
♉7異郷の出会い(180度)
♋7月夜の妖精(120度)
♌7万古不易(90度)
♍7トップを狙え(60度)

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