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蠍座22度「躊躇なく狩る」

2018年11月13日19時47分、トランジット太陽が蠍座数え22度へ入りました。蠍座数え22度のサビアンシンボルをぎゅぎゅっと五文字くらいに圧縮すると「躊躇なく狩る」


「♏22躊躇なく狩る」の原文チェック。黒字が1925年ジョーンズ版「カモたちへ向かっていく猟師たち」。duck はアヒルまたはカモ。というかカモを家禽化したのがアヒル。青字が1975年ルディア版「野生のカモを撃つ猟師たち」


「♏22躊躇なく狩る」の番地チェック。蠍座後半(復路)の、5度ずつに分けた第2グループ(まんなか)の、第2度数。どの5度組でも第2度数は第1度数を裏打ちする。磯野家で言えば第2度数はフネ。

「♏21反抗する兵士」が波平。軍隊では「軍規を守り力を合わせる」をしなくてはならないが、ある兵士が軍規よりも自分の良心に従うことを選ぶ。「♏22躊躇なく狩る」はフネ、♏21を裏打ちする。同じ弓矢鉄砲を持った集団でも♏21は軍隊で♏22はカモ撃ちの猟師たち。

武装集団が侵略者を追い払う(または自分たちが侵略する)ために力を合わせる軍隊に比べると、同じように武装し仲間と行動を共にしながらも、やっていることはカモ撃ちの狩猟団はグッと日常寄り。もっとも、狩猟団と軍隊は地続きでもある。戦争とは元々が土地争いで食糧争いだからだ。

畑を荒らし家畜を襲う害獣を追い払うために、あるいは毛皮や食糧目的で、鳥や獣を殺すのが狩猟。自分たちの領地を侵略する者を追い払う、あるいは逆に何らかの利益を求めて他人の領地を侵略する(そして揉める)のが戦争。両者の境目は割と曖昧だ。狩猟具と武具の境目も。

集団でのキツネ狩りや鷹狩り、カモ撃ちは「領地の見回り・兼・軍事訓練」であったりもする。時代劇の殿様や若君がしょっちゅう鷹狩りをしているのは、馬に乗って野山を走ったり鉄砲を撃ったり、と戦で困らないように鍛える趣味と実益を兼ねた訓練だ。

「どこまでが日常活動としての狩猟で、どこからが戦争を視野に入れた訓練か」「どこまでが許されている発砲で、どこからが許されない発砲か」という境界線は時代や地域によって揺れ動く。少なくとも♏22のシンボルでは、猟師たちはカモを撃つことにまったく躊躇していない。

「戦争ですら定期的に侵入してくるのを追い返す恒例行事であって、やりたくないとか良心が咎めるとかいう問題ではない。やるんだ」と捉える人もいれば「カモ撃ちですら殺生だから良心が咎める、せずに済むならしたくない」と捉える人もいる。

軍隊で「みずからの良心に従い」協力を拒否した兵士が、故郷のカモ撃ちでは何の良心の呵責も感じないかもしれない。だってそれは人間ではないから。だってそれは栗や茸を採るのと同じ秋の食糧調達だから。自分の良心が咎める咎めない、撃つ撃たないの境界線はどこにある?

蠍座のひとつ前、天秤座の数え22度を見てみよう。「♎22鳥にも水を」は噴水で鳥たちに水を振る舞っているこども。♎21では人間たちが海に元気を分けてもらった。♎22では人間が鳥たちへ水を分け与える。自分が満ち足りて初めて、自分とは違う存在にも分け与えることができる。

♏21では良心が咎めるため軍隊の命令を拒んだ。♏22では特に良心からのストップもなくカモへ向かっていく。カモの命を奪うことに躊躇しない♏22の猟師たちと、鳥たちに水を与えることに躊躇しない♎22のこどもは対照的だ。♎22のこどもにその鳥を撃てと言ったらためらうだろう。

「♏22躊躇なく狩る」の対向シンボルを見てみよう。「♉22方舟の鳩」は荒波を越えるハト。「創世記」大洪水のエピソード。♉21では聖書に指を置き、得た聖句を託宣とした。神様の言うとおり。♉22では神様の言うとおりに方舟で避難したノアのもとへハトが知らせを持ち帰る。

♏21では一兵士が「私は自分の良心に従います、ゆえに軍隊の命令には従えません」と表明する。♏22では、猟師たちがカモの群れを見つけて何のためらいもなく銃口を向ける。♉22のハトはノアにとって朗報を持ち帰る斥候だけど、♏22のカモは猟師たちにとって晩のおかずだ。

「♏22躊躇なく狩る」とトラインになるのは「♋22蝶々夫人」。蟹座は水の活動サイン、はじめの水。その数え22度はヨットを待つ女。♋21のプリマドンナが歌いそうな、情感の世界。蝶々夫人のようにその身は岸にあろうとも、心は海の彼方からやってくる未来へ憧れ待ち望んでいる。

蠍座は水の固定サイン、まんなかの水。その数え22度はカモをゲットしにいく猟師たち。♋22の女は身は岸にありながら心は海の彼方へ向かっている。きっと私の船が来る。♏22の猟師たちは♋22より更に積極的にカモへ接近していく。きっとあのカモを手に入れる。

「♏22躊躇なく狩る」とスクエアになるのは「♌22鳩の宅急便」。獅子座は火の固定サイン、盛夏の火。その数え22度はハトの帰巣本能を活かして仕事を仕込む。元暴走族が、バイクに乗れるからバイク便のライダーをやる。薬に手を出したりしたけれど(♌21)私は元気です(♌22)

蠍座は水の固定サイン、仲秋の水。その数え22度はカモへ向かっていく猟師たち。♌22では伝書鳩がみずからの本能へ忠実に従い、巣箱へまっすぐ帰ってくる……ついでに人間の役にも立つ。♏22では猟師たちが自分たちの欲望へ忠実に従い、カモたちへまっすぐ向かっていく。

「♏22躊躇なく狩る」は蠍座後半(復路)第2グループ(まんなか)第2度数(フネ)。同じ蠍座後半の第1グループ(はじめ)第2度数(フネ)と比べてみよう。「♏17自家受粉」は我が子の父である女。自分の霊で自分の胎を満たす。♏22の猟師は自分の腹を満たす鳥を自分で仕留める。

蠍座後半(復路)第2グループ(まんなか)第2度数(フネ)の「♏22躊躇なく狩る」を前半(往路)から裏打ちするのは同じ第2グループ第2度数の「♏7深く潜る」。深海に秘められたものをひと目見てみたい。せめて酸素が続く間だけでも。それだけのためにダイバーは危険を冒す。

「♏22躊躇なく狩る」は裏「♏7深く潜る」だ。深海を目指す潜水士たちもカモを撃ちに行く猟師たちも、自分の欲望に忠実だ。自分から行く以外にそれを得る方法はない。そして手元には行ける手段(潜水具や銃)があり、いまそこに対象がある。いま行かなくていつ行く?

うまれたときのホロスコープで「♏22躊躇なく狩る」はどのハウスにある?2018年11月13日の太陽はそこを照らした。穴埋め #アストロ短歌 で確認しよう

「○○○○で(五音・ハウス) まばたきもせず(蠍座) 見つめてる(太陽) 獲物がいれば躊躇なく狩る(♏22)」

#サビアンシンボル物語

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