双子座27度「実家脱出」

2018年6月17日14時34分、トランジット太陽が双子座数え27度へ入りました。双子座数え27度のサビアンシンボルをぎゅぎゅっと五文字くらいに圧縮すると「実家脱出」

「♊27実家脱出」の原文チェック。黒字が1925年ジョーンズ版「A gypsy coming out of theforest 森から出てくる（ある）ジプシー」。単数形のジプシー。青字が1975年ルディア版の「A gypsy emerging from the forest wherein her tribe is encamped. 自分の部族がキャンプを張っている森から出てくる（ある）ジプシー」her tribe（彼女の部族）とあるのでルディア版のジプシーは女性。

「♊27実家脱出」の番地チェック。双子座後半（復路）の、5度ずつに分けた第3グループ（おわり）の、第2度数。どの5度組でも第2度数は第1度数と結びつき、裏打ちする。磯野家で言うと第2度数はフネ。

「♊26風雪に耐える」は波平、凍てついた冬の森がシンボルだった。生き残ること以外の余分なものをすべて捨てた裸の木々。「♊27実家脱出」はフネ、一族郎党が住む森からひとりで出てきた女のジプシーがシンボルだ。彼女もまた、自分の人生を生きるために過去と一族を捨てる。

根と幹の生存を最優先にして葉を全て落とし、裸の枝に霜だけを纏った♊26の木々は、まるで手袋も王冠もケープも捨てて透きとおる氷のドレスを雪の女王エルサのようだ。♊27のジプシー娘をディズニー長編アニメ映画のヒロインになぞらえるなら『ズートピア』のジュディだ。

『アナと雪の女王』のエルサは「世間に望まれる立派な女王になること」に失敗し、王都から逃げ出した。そして「立派な女王の着ぐるみ」を全部捨てて雪の女王になった。『ズートピア』のジュディは田舎育ちのウサギだが、自分の夢を叶えるために故郷の村から都会へ出ていく。

田舎ウサギの娘ジュディは、故郷の両親からも幼友達からも「ウサギなんかが警官になれるわけがない」と言われてきた。田舎でニンジン農家を営む両親は、娘のジュディにも「ウサギのための安定した役に立つ稼業」であるニンジン農家になってほしがっている。

しかしジュディはどうしても警官になりたい。それも「ウサギはウサギらしくニンジン農家をやっていろ」と皆が言うような田舎町の警官ではなく、誰もが自分のなりたいものになれる大都市ズートピアの警官になりたい。彼女は警官採用試験に合格し、意気揚々と故郷を後にする。

ジュディがデジタルミュージックプレイヤーで主題歌 Try Everything を聴きながら電車に乗って大都市ズートピアを目指す場面はまさに「♊27実家脱出」の世界。向かう先への期待感に満ちあふれ、決して振り返らない。親の期待を叶えるよりも自分の希望を叶えたい。

日本のアニメ作品から『ズートピア』のジュディ的な、「♊27実家脱出」的な場面を探すとしたら『魔女の宅急便』。田舎育ちの13歳の魔女キキが1年間の修行に出る旅立ちの場面。彼女は「魔女のしきたり」により旅立つのだけれど、ジュディと同じく修行先には都会を選ぶ。

キキにはジュディのような田舎への嫌悪感はないし、旅立ちを両親に反対されているわけでもない。でも親元から離れて都会を目指すことへのためらいもない。旅立つ気満々だし、後ろを振り返ることもない。ラジオで『ルージュの伝言』を流し、歌に乗って意気揚々と出発する。

『魔女の宅急便』と『ズートピア』、ヒロインの出発場面がよく似てるっていう話は先日の『ズートピア』地上波初放送TLで出ましたっけか？時代でラジオとデジタルプレイヤーの違いはあるけれど、ポップソングを聴きながら元気に旅立つヒロインという点で重なると思うんですよね。

『魔女の宅急便』が初公開されたとき、宮崎駿監督は「従来アニメの魔女（っ子キャラクター）は魔法で周囲を幸せにする女の子だったけれど、キキは『自分が幸せになりたい女の子』だ」「作中では『箒で空を飛べる』は『バイクに乗れる』程度の能力だ」と言っていたんですよね。

キキもジュディも「自分が幸せになりたい女の子」という点は同じ。こども時代のジュディは「世界をもっとよくしたい」と言うが、彼女は「両親が薦める方法（ニンジン農家）で」ではなく「自分の考える方法（警官）で」世界をよくしたい。他の方法ではイヤなのだ。

キキも「魔女として」「魔法を使って」都会で自活していくことを望んでいる。キキは魔女として認められたいのであって、魔女であることを隠してバイトをしたって意味がない。自分が、自分の望む方法で働き、認められ、身を立てること。キキやジュディの望む幸せはそれなのだ。

「♊27実家脱出」のジプシーもキキやジュディと同じ。実家の誰かが薦めるとおりではなく、他の誰であっても他人が薦めるとおりではなく、自分のしたいように自分の人生を生きたい。大事なのは自分。自分の望みと他人の望み、両立できないのならば自分の望みを選ぶ。

実家のある田舎と、遠くの都会。実家にいては自分の夢が叶わないのならば実家を出ていく。自分の夢が叶いそうな場所へ移動する。選ぶことは、捨てること。ためらうことなく自分の望み、自分の夢を選ぶ。ためらうことなく、自分の望み以外のものを捨てる。大事なのは自分だから。

「♊27実家脱出」は双子座後半（復路）第3グループ（おわり）の第2度数（フネ）。同じ双子座後半の第1グループ（はじまり）、第2グループ（まんなか）の第2度数と比べてみよう。「♊17健全な成長」と「♊22庶民の娯楽」。「1と2から3がうまれる」はグループ間でも成立する。

「♊17健全な成長」。若い「健康の頭」が老成した「知性の頭」へ迎え入れられ、溶け込んでひとつになる。それは健全な成長だ。「♊27実家脱出」で若者が故郷を離れ別の社会へ受け入れられることもまた、健全な成長だ。

「♊22庶民の娯楽」はバーン・ダンス。人々が集まりダンスに興じる賑やかな催し。そこは新たな出会いの場でもある。「♊27実家脱出」のジプシーもまた、身内で固まっていては出会えないような人々との交流を求めて森を出て街へ向かうのだ。

双子座後半第3グループの第2度数「♊27実家脱出」を前半第3グループの第2度数とも比べてみよう。「♊12口達者な子」、ぬけぬけと自己主張するトプシーのような子。トプシーは黒人奴隷の少女で、マイノリティだ。実家脱出ジプシーの女性もまた、マイノリティ。

黒人の女の子、ジプシーの女の子。マイノリティが都会で自分の思うように生きたいと思ったらあの手この手で自己主張していく必要がある。他人の都合を考慮している余地はない。自分の得がいちばん大事。自分と他人、両立できないならばいつでも自分を選ぶ。自分の味方は自分。

うまれたときのホロスコープで「♊27実家脱出」はどのハウスにある？ 今日の太陽はそこを照らす。穴埋め #アストロ短歌 で確認しよう

「○○○○で（五音・ハウス）　後腐れなく（双子座）　生きていく（太陽）　自分のために実家脱出（♊27）」

#サビアンシンボル物語

【♊27実家脱出 をより深く理解するための比較対象シンボルリスト】
♋27災害は平等（となりのサイン）
♌27 Restart（60度）
♍27貴婦人の外交（90度）
♎27高い視点（120度）
♐27一刻入魂（180度）
♒27昔の器新しい花（120度）
♓27刈入れのとき（90度）
♈27脳内補完（60度）