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双子座16度「演説する女性」

2018年6月6日午前2時29分、トランジット太陽が双子座数え16度へ入りました。双子座数え16度のサビアンシンボルをぎゅぎゅっと五文字くらいに圧縮すると「演説する女性」

「♊16演説する女性」の原文チェック。黒字が1925年ジョーンズ版「Awoman suffragist harranguing 熱弁を振るう婦人参政権運動家」。青字が1975年ルディア版「Awoman activist in an emotional speech dramatizing her cause. 自分の主張を劇的に表現して心を動かす演説を行う女性活動家」

「♊16演説する女性」の番地チェック。双子座後半(復路)の、5度ずつに3等分した第1グループ(はじめ)の、第1度数。どの5度組でも第1度数はグループのテーマをバン!と打ちだす。磯野家で言ったら第1度数は波平。

「♊16演説する女性」は双子座全30度の折り返し点であり、サイン後半(16〜30度)の最初のシンボル。どのサインでも数え16度に来ると対向サインの性質が入り込んできて、サインの最初で打ちだしたテーマに「それだけでいいのか? 本当に?」とツッコミを入れてくる。

双子座の出発点、数え1度のシンボルを思い出してみよう。双子座前半(往路)第1グループ(はじめ)の第1度数(波平)は「♊1水底観察船」。海の中は見てみたい、だけど体は濡らしたくない。そんな欲張りな望みを頓知で解決、船底にガラス窓をつけた。

船底が透明ならば、カナヅチでも海中のふしぎな景色を見ることができる。体は船上に置いたまま、目だけで海中散歩。ダルいことはしたくない。おいしいところだけちょっとつまみたい。頭はそのために使うものだよね。そんなシンボルから始まった双子座前半に、♊16がツッコむ。

ダルいことはしたくない。おいしいところだけちょっとつまみたい。そのために頭を使って、ではそのちょっとつまんだ後のおいしくない残りのことはどう思っているの? 自分だけは安全なところに身を置いて、「ふーん」と眺めているガラス窓の反対側に生きている者のことは?

「♊16演説する女性」ジョーンズ版原文に登場する woman suffragist とは女性参政権(woman suffrage)を求める活動家のこと。なお、 suffragist ではなく suffragette と綴ると女性参政権運動家の中でも特に激しく戦った19世紀末~20世紀初頭のイギリスの活動家たちを指します。

suffragette については2015年に映画になりましたね。邦題は『未来を花束にして』という眠たいタイトルにされてしまったけれど、原題は Suffragette です。日本語字幕付きの予告編動画を貼っておきますね。

2015年映画『Suffragette (邦題 未来を花束にして)』は1912年が舞台の物語。イギリスでは1918年に財産に関する特定の条件を満たした30歳以上の女性に限り投票権を獲得。1928年には21歳以上の全ての女性に参政権が拡大。アメリカ合衆国で連邦レベルの女性参政権が認められたのは1919年。

ジョーンズとウィーラーのサビアンシンボル透視実験が1925年、グレート・ギャッツビーの時代。当時はまだ女性の参政権が認められてそんなに年数も経っていなかったんですね。2018年現在でも、やっと100年だけど(日本では1945年からなので、100周年にはまだ27年足りない)。

オーストラリアやニュージーランド等、南半球での方が女性参政権獲得が早かった、という話もあったりしますが、それを話しだすと終わらないので割愛します。知りたい方は各自検索してください。双子座数え16度へ戻らなくては。

双子座は文字通りに双子のきょうだいがシンボルになっているサイン。その双子座の後半第1グループ(数え16~20度)は「『双子』は『もう片方』がいてこそでしょう?」と問いかけてくる5度組。前半で「いいとこだけ」選んでつまんで、その残りは一体どうなった?

女性参政権運動家が熱く語る。国政へ女性の声を反映させよ。女性に参政権を。国民の半数を占める女性の声が無視されていていいわけがない。既に権利を手にしている「もう半分」と同じだけの権利を我々女性にも。女性と男性、両方合わせて「国民」のはずだ。

自分とその同類がいるだけの狭い範囲を、自分の目に映る部分だけを全体だと思っていないか。ここには私たちもいる。いないことにするな。都合のいいところだけつまんで残りを無視するな。私たちはここにいる。私たちも含めて全体だ。権利の範囲を拡大せよ。

「♊16演説する女性」は対向の射手座から火の勢いを借りて「♊1水底観察船」に揺さぶりをかける。「ダルいことはしたくない」「いいとこだけつまみたい」「ちゃっかり、スマートに解決したい」に対して熱く、激しく攻勢をかける。ガンガン煽り、焚きつける。

どのサインでも数え16度には対向サインの要素が入ってくる。そのサインの心地いい範囲を出て、不慣れなものと向き合うことになる。牡羊座数え16度では、活動を一旦休み、やり残しをブラウニーに任せる必要があった。牡牛座数え16度では満足できない自分と直面する必要があった。

1がテーマを打ちだし、2がそれを裏打ちし、1と2のいいとこ取りで3がうまれる。双子座数え1度のときに、牡羊座数え1度・牡牛座数え1度と比較した。海から上がってきた牡羊座1度、山肌を駆け下っていく岩清水の牡牛座1度、水との間にガラス1枚挟む双子座1度。

牡羊座-牡牛座-双子座の数え16度同士も同じように並べてみよう。牡羊座数え16度は人が活動を終えて休む夕暮どきにアップを始めるブラウニーたち。牡牛座数え16度はあらゆる学問を究めながら大いなる神秘の解明には何の役にも立たなかったと気付いたファウスト博士。

双子座数え16度は「男性全員に参政権が行き渡るだけでは『普通選挙』は半分しか実現していない。女性全員にまで行き渡らなければ」と主張する女性参政権運動家をシンボルとする。それまで女性はブラウニーのような存在だった。日陰者、人前には出ないものだった。

女性参政権運動家は「男性のみに参政権がある」という状況に満足できなかった。不満の声をあげた。「世界は、人間はこれっぽっちのものではないはずだ」と言い続けた。彼女たちは時代を動かし世界を前進させた。「コレジャナイ」と言い続けて世界を変えたファウストのように。

うまれたときのホロスコープで「♊16演説する女性」はどのハウスにある? 今日のトランジット太陽はそこを照らす。穴埋め #アストロ短歌 で確認しよう

「○○○○へ(五音・ハウス) あの手この手で(双子座) 投げかける(太陽) 熱を込め演説する女性(♊16)」

#サビアンシンボル物語

【♊16演説する女性 をより深く理解するための比較対象シンボルリスト】
♋16答え合わせ(となりのサイン)
♌16台風一過(60度)
♍16大猿と対面(90度)
♎16接岸できない(120度)
♐16旅は道連れ(180度)
♒16働く実業家(120度)
♓16漲ってきた(90度)
♈16小人の靴屋(60度)

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