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蠍座20度「帳を開く女」

2018年11月11日20時04分、トランジット太陽が蠍座数え20度へ入ります。蠍座数え20度のサビアンシンボルをぎゅぎゅっと五文字くらいに圧縮すると「帳(とばり)を開く女」

「♏20帳を開く女」の原文チェック。黒字が1925年ジョーンズ版「2枚のカーテンを両脇に引き開けている(ある)女」。青字が1975年ルディア版「ある女がある聖なる通路へ続く入口を閉している2枚の暗い色のカーテンを開け放つ」

|三⊂(゚Д゚)⊃三| スパァン‼


「♏20帳を開く女」の番地チェック。蠍座後半(復路)の、5度ずつに分けた第1グループ(はじめ)の、第5度数。どの5度組でも第5度数は第3度数と第4度数のこども。第3度数は第1度数と第2度数のこども。第5度数には1-2-3-4全ての要素が含まれる。磯野家で言えば第5度数はタラオ。

「♏16破顔一笑」が波平。自発的に笑う女の子。「♏17自家受粉」がフネ、♏16を裏打ちする。自分で自分を受胎させる女。「♏18錦繍の森」がサザエ、♏16と♏17をいいとこ取り。紅葉全部出しちゃう。「♏19オウム返し」がマスオ、♏18を裏打ちする。聞いたこと全部真似しちゃう。

「♏20帳を開く女」がタラオ、カーテンを左右にバ╰( 'ω' )╯ッ!する女。♏18サザエと♏19マスオの間にうまれたこどもで、♏16波平と♏17フネの孫度数。波平とフネは他人、マスオは波平フネサザエと他人。しかしタラオは他の4人全員の血を引く。

ある女が2枚のカーテンを真ん中から掻き分ける(♏20)。その向こうに広がるのは今の彼女にはまだ理解の及ばないものかもしれない(♏19)。秘められていたものがあらわになった(♏18)。それは他の誰とも無関係な彼女だけのもの(♏17)。彼女は自発的にその帳を開いた(♏16)


「♏20帳を開く女」で当番がいつも連想する絵はこれ。当番の最推し画家レメディオス・バロの「再誕」。幾重もの剥がれた壁紙(剥げた壁紙はバロがよく描くモチーフ)と壁の割れ目から裸の女性が現れる。部屋の中に液体に満たされた器、天井の穴から三日月、液体に宿る月影。

♏20ルディア版原文では、女が引き開けているカーテンは「聖なる通路への入口を閉している」ものになっている。ちょっと脱線すると「帳」は「戸口に張って目隠しや風除けにする布」、「と」に「はる」から「とばり」って言うのね。綴れ織りの豪華な帳は「緞帳(どんちょう)」

「貴重なものを覆い隠している帳(とばり)を左右に押し広げて中身をあらわにすること」を「御開帳」と言うけれど――えっちな意味の「御開帳」は秘仏になっている御本尊のカバーを取って公開する本来の「御開帳」の転用だよ――♏20の女性がしているのは、まさにそれ。彼女は秘所へ向かう。

えっちな方の御開帳で公開される中身のことを「御本尊」と呼ぶのも本来の「御開帳」から引っ張ってきた隠語ですね……っていくら蠍座の支配部位が「おぱんつの中身」だからと言ってシモい話に走り過ぎだ当番……なお♏20の圧縮版、実際「御開帳」も候補でした。

まあね、蠍座も既に数え20度ですからね。広い意味で性的な含みのあるシンボルが出てきても不思議じゃないですね。彼女は聖なる通路の入口を閉ざしている帳を左右に押し広げる。誰かに見せるためではなく自分が中へ入る→うまれる前にいた場所へ戻るために。「私に還りなさい」だ……

ディズニー長編映画『モアナと伝説の海』でも主人公モアナが祖母に促されて洞窟の奥深く入っていく場面がある。あれも胎内詣で。洞窟の奥には祖先の船が隠してあり、そこに太鼓が据え付けてある。祖母は言う。「奥まで行って、太鼓を叩いて、自分が何者なのか知りなさい」

モアナ「あそこ(洞窟の中)には何があるの?」

タラ(祖母)「答えさ。お前がずっと自問してきたことへの。自分は何のためにうまれたのか。お行き。太鼓を叩いて。そして見つけるんだ」

モアナは祖先の船を見つけ、自分が航海者の子孫であったことを知る。

蠍座のひとつ前、天秤座の数え20度を見てみよう。「♎20律法学者」はユダヤ教のラビ。神の教えと社会の伝統を説き、共同体の人々をまとめる。困難のときに精神的支柱となり、はぐれ者になりそうな人々に居場所を提供する。災害時に地域の寺社が人々の避難所となるみたいに。

♎20の律法学者は共同体の人々が頼る精神的なよりどころ。柴又の人々が帝釈天の御前様に頼るように。♏20の女性が帳を押し広げて入っていく先は地域共同体の相談窓口ではない。もっとひそやかで個人的な、しかし深い根源へ繋がる聖なる通路。

先祖の洞窟へ入っていき、そこで自分たち一族がどこから来たのか知ったモアナを思い出してほしい。「さかさま小路」を通り、「どこにもない家」で自分自身の心から自分の時間がうまれるところを見せてもらったモモを思い出してほしい(エンデは蠍座)。♏20の女も根源へ向かう。

「♏20帳を開く女」の対向サインを見てみよう。「♉20風に吹かれて」は雲を集めまた吹き散らす風。♏20との対比は明らかだ。大空に諸行無常の風が吹く♉20、普段は下ろされている帳を押し開き聖なる場所へ、地下や洞窟になぞらえられる生の根源へと向かっていく♏20

「♏20帳を開く女」とトラインになるのは「♋20船頭小唄」。蟹座は水の活動サイン、はじめの水。その数え20度は同じセレナーデを口々に歌うヴェネツィアのゴンドラ乗りたち。船から船へ、水路から水路へ、世代から世代へ。船頭小唄は歌い継がれる。

蠍座は水の固定サイン、まんなかの水。歌が水路のおもてを行き交う♋20に対して、♏20は女性が帳の奥へ向かう。通常は隠されている場所。自分もかつてそこからうまれてきたはずの源(みなもと、「水」のもと)へ。私の心が歌い続けているこの歌はどこから来たの。

「♏20帳を開く女」とスクエアになるのは「♌20日輪崇拝」。獅子座は火の固定サイン、盛夏の火。その数え20度はズニ族の太陽崇拝者。太陽のエネルギーなくして地上に生命はうまれなかった。ズニ族は太陽を父に、大地を母になぞらえて太陽を崇める。獅子座のルーラーも太陽だ。

蠍座は水の固定サイン、仲秋の水。その数え20度は帳を開く女。♌20がいかにも獅子座らしく天なる父・太陽を崇める人々を描くのに対して、♏20はいかにも蠍座らしく、深く暗き聖なる場所へ降りていく女を描く。そこは胎内、黄泉の国。蠍座のルーラーは火星と冥王星、性と死の星。

「♏20帳を開く女」は蠍座後半(復路)第1グループ(はじめ)第5度数(タラオ)。蠍座前半(往路)で♏20と対になるのは同じ第1グループ第5度数の「♏5動じない」。蠍座前半第1グループは「仲間と力を合わせる」がテーマだった。仲間と力を合わせればどんな荒波にも耐えられる。

「♏20帳を開く女」は裏「♏5動じない」だ。蠍座前半第1グループは他人と力を合わせるが、蠍座後半第1グループはまず「自分」と再び繋がり、最終的に「根源(帳の向こうにあるもの)」と力を合わせる。御先祖様の力、根の力のバックアップをもらってパワーアップする。

蠍座後半第1グループ(♏16〜♏20)に天体を持つ方に『モアナと伝説の海』お薦めしちゃう。海へ心を開いた女の子(♏16)が自分ひとりの望みを抱き(♏17)、祖母から使命のバトンタッチを受け(♏18)、半神から航海術を習い(♏19)、大地母神に会いに行く(♏20)話だよ。

特に♏19。似た者同士のモアナと半神マウイが当初はどちらもひとつ覚えのことしか言わない・言えない(モアナは祖母の遺言を反復し、マウイは自分の思い込みを反復する)のが航海中に互いから新しいことを覚えるのね。♏19(オウム返し)は「誰を見習うのか」がとても大事。

うまれたときのホロスコープで「♏20帳を開く女」はどのハウスにある?2018年11月11日の太陽はそこを照らした。穴埋め #アストロ短歌 で確認しよう

「○○○○で(五音・ハウス) 根本的に(蠍座) 見つめたい(太陽) 帳を開く女始原へ(♏20)」

#サビアンシンボル物語

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