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蠍座11度「地獄に仏」

2018年11月2日20時50分、トランジット太陽が蠍座数え11度へ入りました。蠍座数え11度のサビアンシンボルをぎゅぎゅっと五文字くらいに圧縮すれば「地獄に仏」

「♏11地獄に仏」の原文チェック。黒字が1925年ジョーンズ版「A drowning man rescued 救助された(ある)溺れる男」。青字が1975年ルディア版「A drowning man is being rescued. ある溺れかけの男が救助されつつある」

「♏11地獄に仏」番地チェック。蠍座前半(往路)の、5度ずつに分けた第3グループ(おわり)の第1度数。どの5度組でも第1度数はグループのテーマをバンと打ち出す。磯野家で言えば第1度数は波平。

ドデカテモリーで見る「♏11地獄に仏」番地チェック。♏1で新月(太陽と月の合)が起きたとする。
10日間で太陽は10度進んで11日目には太陽♏11。同じ10日間で月は130度進んで11日目には月魚座11度で太陽とトライン。ドデカテモリーで言えば♏11は「蠍座の中のちいさな蟹座」

「救助される溺れ(かけ)た男」、これはほとんど説明の必要がないシンボル。溺れて死にそうなときに差し伸べられる救いの手。日本のことわざで言うところの「地獄に仏」。これはこの度数でポコッと現れた奇跡ではなく、♏1から♏10までに築かれた入れ物、絆の働きによるもの。

「救ってくれる人が偉い、救われる人は弱い」という話ではない。救われる人と救う人、一対一の話でもない。救助される側には自分に最も近い救助者しか見えなくとも、実際にはその最末端の救助者を支える大勢の人がいる。見えている以上の人々が救助に関わっている。

「地獄に仏」とは言うけれど、その「仏」は現実的には多くの人々の手を通じて働く。千手観音を思い浮かべてみよう。あの千の手は溺れる者の最も近くで手を差し伸べたひとりのスーパーヒーローの背後にいる大勢の協力者の手だ。事故や災害、遭難の救助は必ずチームで行われる。

困っている人をたったひとりで助けようとすれば共倒れになりかねない。だから手を差し延べるときには大勢が力を合わせる。そして誰もが事故や災害に遭う可能性がある。海や山で遭難したり、犯罪に巻き込まれたりする可能性がある。誰もが助ける側にも助けられる側にもなりうる。

ひとつ前のサイン、天秤座の数え11度を見てみよう。「♎11教授は老眼」は長年にわたって文献を読み、目を傷めた教授。教授は自分の研究も進めるが、後進の育成もまた任務のうち。質問に来る者がいれば師匠は文献から目を上げ老眼鏡の縁越しに裸眼で弟子を見つめる。

♎11の教授は長年の知識の蓄積に分け入り、そこへ新しい知識を付け加えんと研鑽を重ねる者。教授の弟子もその後に続く。教授の前にはそのまた指導教授がいた。♏11では♎11の師匠と弟子の連鎖が助ける者と助けられる者の連鎖になる。助けられた者もいずれ助ける者となっていく。

「♏11地獄に仏」の対向シンボルを見てみよう。「♉11私だけの花」は庭で花に水を与える女。手をかけ、目をかけ、時間を割く。水と共に心を注ぎ込むことでその花は「私だけの花」になる。「星の王子さま」のバラと同じだ。他の何千ものバラよりもぼくが世話したバラが愛しい。

♉11では女性がひとりで花の世話をしていた。対向の♏11では人々が溺れかけた人を助ける(直接的には描写されていないが、現実として救助には大勢の力が必要)。手をかければかけただけ、花への愛着が増す。♏11でも同じ。手を差し伸べれば差し伸べるだけ、相手への関心が増す。

「特別だから手をかける」ではなく「手をかけた分だけ心の中でその花の存在が大きくなる」。「特別だから助けの手を差し伸べる」ではなくて「手を差し伸べた分だけ人々の中でその人の存在が大きくなる」。ある団体にクラウドファンディングをしたらその団体の行く末が気になる。

「♏11地獄に仏」とトラインになるのは「♋11権力者の風刺」。蟹座は水の活動サイン、はじめの水。その数え11度は権力者に向かって顔芸をする道化。♋11では支配する権力者と支配される下々の間に歴然とした力の差がある。道化は権力者を茶化すことで場の空気を引っ掻き回す。

蠍座は水の固定サイン、まんなかの水。その数え11度は救助される溺れた男。♋11では道化(単数)がお偉方(複数)を茶化してみせる。道化にはそれが許されている。少なくとも大目に見られてはいる。♏11では溺れかけた者(単数)を大きな力(複数)が引っ張りあげる。

「♏11地獄に仏」とスクエアになるのは「♌11寄らば大樹」。獅子座は火の固定サイン、盛夏の火。その数え11度は大きなオークの木に吊るされた1台のぶらんこに群がって遊ぶこどもたち。頑丈で長寿の木、オークは何世代ものこどもたちをその懐に受け入れ、遊ばせる。

蠍座は水の固定サイン、仲秋の水。その数え11度は救助される溺れた男。♌11では大樹の枝に吊るされたぶらんこがこどもたちを大勢引き受けたが、♏11では大勢の人々がたったひとりの溺れる男のために力を合わせる。受け入れられたことのある者たちはやがて受け入れる側に回る。

「♏11地獄に仏」は蠍座前半(往路)第3グループ(おわり)第1度数(波平)。同じ蠍座前半の第1(はじめ)・第2(まんなか)グループの波平ズと比べてみよう。1がテーマを示し2が1を裏打ちし、3が1と2をいいとこ取りする関係はグループ間でも成り立つ。

蠍座前半第1グループの第1度数は「♏1バスツアー」、観光客は個人ではなく「御一行様」として扱われ、バスで連れ回される。第2グループの第1度数は「♏6一攫千金」、一山当てることを夢みる人々がカリフォルニアへ殺到。♏1と♏6をいいとこ取りして♏10がうまれる。

第1波平「♏1バスツアー」と、第2波平「♏6一攫千金」をいいとこ取りして第3の波平「♏11地獄に仏」がうまれる。たったひとりの溺れた者(♏11)を、皆がこぞって救う。まるで彼が貴重な砂金であるかのように(♏6)。溺れた者もまた、自分たち一行のひとりだから(♏1)

うまれたときのホロスコープで「♏11地獄に仏」はどのハウスにある? 2018年11月2日の太陽はそこを照らした。穴埋め #アストロ短歌 で確認しよう

「○○○○で(五音・ハウス) 力合わせて(蠍座) リードする(太陽) 我々こそが地獄に仏(♏11)」

我々こそが千の手

#サビアンシンボル物語

【♏11地獄に仏 をより深く理解するための比較対照シンボルリスト】
♐11即身成仏(となりのサイン)
♑11保護区域(60度)
♒11霊感との直面(90度)
♓11求道者達(120度)
♉11私だけの花(180度)
♋11権力者の風刺(120度)
♌11寄らば大樹(90度)
♍11望みはスペル(60度)

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