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魚座28度「豊かな実り」

  1. 2019年3月18日午前6時33分、トランジット太陽が魚座数え28度へ入りました。魚座数え28度のサビアンシンボルをぎゅぎゅっと五文字くらいに圧縮すると「♓28豊かな実り」

「♓28豊かな実り」の原文チェック。黒字がジョーンズ版「満月のもとの(ある)肥沃な庭」。青字がルディア版「満月のもとのある豊かな庭がすっかり育ちきった様々な野菜たちを見せる」ルディア版は garden と言ってもお花や木を植えてある庭ではなく菜園ですねこれ。

「♓28豊かな実り」の番地チェック。魚座後半(復路)の、5度ずつに分けた第3グループ(おわり)の、第3度数。どの5度組でも第3度数は第1度数と第2度数のこども。こどもは両親をいいとこ取りする。磯野家で言えば第3度数はサザエ。

「♓26運命の分岐点」が波平、テーマを打ちだす。はじまりを示す新月が宵の空に輝き、人々は思い思いの道へ別れていく。「♓27刈入れのとき」がフネ、波平を裏打ちする。秋の満月が澄んだ夜空を照らし、まいた種から育ったものを刈り取るべき時が来たと示す。

「♓28豊かな実り」がサザエ、波平とフネをいいとこ取りする。♓26は新月をきっかけに人々の進路が枝分かれする。♓27は満月が満願成就、収穫のときを示す。♓28はその満月(♓27)に照らされる菜園で、多種多様な(♓26)野菜たちがすっかり育ちあがり収穫を待っている。

サビアンシンボルどこかで見たシリーズ「満月」。♓27と♓28、ふたつ連続で満月かよと思った皆様、大丈夫ですデイン・ルディアも著書『アン・アストロロジカル・マンダラ』でそれツッコんでます。「でも同じように見えて違うんだよね」と解説に努めた結果がルディア版詞文です。

どちらも「満月のシンボル」に見える♓27と♓28。絵にしたらどちらも満月が描かれることは間違いないし、描いてあれば満月にみんな目が行きがちだと思います。でも違うんです。1925年ジョーンズ版からして、♓27と♓28は明確に違うんです。原詞文の修飾・被修飾関係を見ればわかる。

もういちど、♓27を注意深く原文チェック。1925年ジョーンズ版♓27は A harvest moon 。不定冠詞 a も形容詞扱いの名詞 harvest も moon がどういう moon なのかを示しているだけ。逆に moon がなければ何が a であり harvest なのか意味不明になる。♓27の主役は moon 月、です。

もういちど、♓28を注意深く原文チェック。1925年ジョーンズ版♓28は A fertile garden under the full moon 。不定冠詞 a と形容詞 fertile は名詞 garden を修飾します。前置詞 under 以降はその garden の状況を示す修飾句。飾りは取っても構わない。この原詞の主役は garden の方。

「修飾語と被修飾語」なんていきなり文法の授業みたいなことを当番が言い出して、これは本当に #サビアンシンボル物語 のツリーなのか?と思われるかもしれません。でも文法は大事、修飾語と被修飾語の見分けを付けるのホント大事よ。「この句の主役は何なのか?」が判らなくてシンボルは語れません。

アストロロジーは星のロジックだし、サビアンシンボルだって言葉で語られるんですからね、言葉の法則を押さえることは大事です。修飾・被修飾の区別がつかず、シンボルの主役がわからないのって、ハウスやサインと天体の区別がつかないのと同じだって言ったらわかるでしょうか。

「何ハウスに何座の何星」と書きあらわした場合、この中の主役は天体です。ハウスとサインは天体を修飾します。ハウスは「どこで」、サインは「どのように」。主役がいないなら「どこでどのように」と言っても話が始まらない。お留守の場合は「ここの主はどこ行った?」で占う。

当番が原文チェック必ずやろうね、修飾・被修飾の関係押さえようねと言ってるのは、シンボルの主題を正しく掴むためです。文法やろうね。さて、このままだと脱線するので♓27と♓28の話に戻します。♓27の主役は「満月」です。でも♓28の主役は「菜園」です。満月は背景です。

ルディア版では♓27と♓28の違いを更にわかりやすくするためにかなり修飾語を足しています。ルディア版♓27は「澄んだ秋の空に輝くハーベスト・ムーン」と「空に」が加えられ、♓28では「満月のもとのある庭が様々な育ちきった野菜たちを見せる」と庭の作物に言及している。

ルディアは著書『アン・アストロロジカル・マンダラ』内で♓28のことを「このシンボルは畑(a field)ではなく典型的な菜園(a typical garden)について語っている」と記している。単一の作物を広く作付するのが field で、garden は必要に応じて多品目を植える小規模な菜園。

ピーターラビットシリーズの「マクレガーさんの菜園」とか、日本の田舎にもある庭先の菜園とかを思い浮かべてくれればOKです。出荷用ではなく自家消費用の、少量多品目の菜園。漬物用の茄子に胡瓜に大根、薬味用の葱と紫蘇とパセリ、サラダ用にトマト、お浸し用に青菜って感じ。

「トマトとカブと、それからキャベツ、みんなちがってみんな食べ頃」というのが♓28。そこには菜園の主が必要とする野菜が何でもある。他の誰か大勢のために大量に作る野菜ではなく、自分のニーズに合わせて必要な分だけ育てた野菜。それが満月のもと、翌朝の収穫を待っている。

冬の3サインで数え28度同士がどのようにつながり合うか見てみよう。地の活動サイン、初冬の地の山羊座がテーマを打ちだす。風の固定サイン、真冬の風の水瓶座が山羊座を裏打ちする。そして水の柔軟サイン、晩冬の水の魚座が山羊座と水瓶座をいいとこ取りする。

山羊座は地の活動サイン、初冬の地。その数え28度は「♑28類は友を呼ぶ」、テーマを打ちだす。大きな鳥小屋に多数の鳥がいる。人間が何らかの目的で集めた鳥たち。水瓶座は風の固定サイン、真冬の風。その数え28度は「♒28薪になる木」、♑28を裏打ちする。人間が越冬のため、木を薪に加工し積み上げる。

魚座は水の柔軟サイン、晩冬の水。その数え28度は「♓28豊かな実り」、♑28と♒28をいいとこ取りする。♑28では人間が何らかの目的で同じ種類の鳥を集めて飼う。♒28では人間が越冬のため薪をつくる。♓28の菜園も人間が作ったもので、その人のニーズを満たすもの。

「♓28豊かな実り」の対向シンボルを見てみよう。「♍28禿の権力者」は権力を掌握した禿頭の男。先行シンボルの♍27では貴婦人たちがそれぞれの利害を作法に包んで社交という戦をしていたが、♍28ではもう実権を握っているので何も包み隠す必要がない。ゆえに禿、丸出し。

♍28はこの世をば我が世とぞ思ふツルツルの生えたることもなき禿頭。何でも手に入るが頭は不毛。これに対して♓28は菜園に野菜が豊かに生えている。不毛の反対が肥沃。権力者には及びもせぬがこの菜園、持ち主が自分のニーズに合わせて寄せ植えしたので欲しい野菜なら全部ある。

「♓28豊かな実り」とスクエアになるのは「♊28裸で出直し」と「♐28風景の一部」。♊28と♐28はオポジション(180度)であり、♍28と♓28がつくるオポジションと直角に交わる。柔軟サイン数え28度の火地風水が揃い、ホロスコープを四等分するグランドクロス。

「♊28裸で出直し」は破産宣告を受けた男。全財産を処分したら、残額は返せなくてもよしとする。丸裸になるけど、命までは取らない。「♐28風景の一部」は美しい小川に架かる古い橋。人工物でありながら、まるで最初からあるかのように風景に溶け込み人々の生活の一部となる。

一文無しの丸裸にはなったけれど借金からは自由になった♊28。人工物がまるで元からそこにあるような顔で風景に溶け込む♐28。毛のない頭も自分の権力も堂々と剥き出しにする♍28。持ち主のニーズに合わせたバラエティを見せる♓28。柔軟サイン数え28度はみな堂々と存在する。

「♓28豊かな実り」とトラインになるのは「♋28融和の象徴」と「♏28妖精王の帰還」。水の活動サイン、はじめの水の蟹座がテーマを打ちだす。水の固定サイン、まんなかの水の蠍座が蟹座を裏打ちする。そして水の柔軟サイン、おわりの水の魚座が蟹座と蠍座をいいとこ取りする。

蟹座は水の活動サイン、はじめの水。その数え28度は「♋28融和の象徴」、テーマを打ちだす。「我々の娘」が「あいつらの息子」と付き合うって?! 蠍座は水の固定サイン、まんなかの水。その数え28度は「♏28妖精王の帰還」、♋28を裏打ちする。王様は居るべき場所、自領へ戻る。

魚座は水の柔軟サイン、おわりの水。その数え28度は「♓28豊かな実り」、♋28と♏28をいいとこ取りする。♋28はヨソモノを交際相手として連れてくる先住民の娘。♏28は自領へ戻る妖精王。♓28は肥沃な菜園、持ち主の采配(♏28)によって多種の野菜が混植されている(♋28)

「♓28豊かな実り」は魚座後半(復路)第3グループ(おわり)第3度数(サザエ)。同じ魚座後半の第1グループ(はじめ)、第2グループ(まんなか)のサザエと比べてみよう。1がテーマを打ちだし2が1を裏打ちし、3が1と2をいいとこ取りする関係はグループ間でも成り立つ。

魚座後半第1グループのサザエは「♓18スペクタクル」、テーマを打ちだす。多彩な芸が観客の目と心を奪うサーカスの世界。魚座後半第2グループのサザエは「♓23降霊会」、♓18を裏打ちする。霊媒が霊界の存在を会場へ呼び出し、物質界にいる人間と交流させる降霊会。

魚座後半第3グループのサザエは「♓28豊かな実り」、♓18と♓23をいいとこ取りする。♓28の菜園には多彩な作物がみごとに(♓18)育っている。それは菜園の持ち主が自分のニーズに合わせて種や苗から育て、具現化した(♓23)もの。その野菜たちは今や食べ頃である。

魚座後半第3グループ第3度数の「♓28豊かな実り」と魚座前半で対になるのは同じ第3グループ第3度数の「♓13伝説の剣」。♓13の剣はかつて戦士が振るい、今は博物館に飾られている。それは今なお見る者に勇気を伝える。♓28の菜園は持ち主が育て上げ、いまそのニーズを満たす。

うまれたときのホロスコープで「♓28豊かな実り」はどのハウスにある? 2019年3月18日の太陽はそこを照らした。穴埋め #アストロ短歌 で確認しよう

「○○○○で(五音・ハウス) ひとつ残らず(魚座) 照らしだす(太陽) 庭に育った豊かな実り(♓28)」

#サビアンシンボル物語

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