アニサキス食中毒備忘録

アニサキス食中毒になり、胃カメラで除去しました。その備忘録です。

1.「新鮮な」刺身を美味しくいただきました。

2020年10月3日(土)、その少し前に誕生日を迎えた長年の親友の誕生日祝いに、以前から行きたいなと思っていた居酒屋で食事をしました。
この居酒屋は、私の日本酒仲間から、美味しくてコスパ抜群と激オススメされた個人経営の居酒屋でした。
この日親友は子連れ(2歳4か月)だったのですが、お座敷の席を用意してくれたり、子どもが騒いでも温かく見守ってくれたり、食事の量の調節をしてくれたり、とても良い店でした。
中でも美味しかったのは、刺身盛り合わせ。
店主が説明してくれたのをすっかり忘れてしまってはいますが、「釣りたての」魚もあったと思います。マジ美味しかった。

2.何かがおかしい

予約したのは18時で、美味しい料理に、酒に強い私と親友はあと5時間ぐらい飲めそうな気持ちでいましたが、幼児が限界。たぶん21時前には店を出たと思います。
帰宅し入浴後、「なんか身体がかゆいな」ということに気づきました。
できものや湿疹ができているわけではなく、冬に乾燥した肌を保湿しないでそのままにしていたときのようなかゆさ。背中や腿の内側、二の腕の内側など、皮膚の薄い場所が全体的にかゆい。また、いつも体力が落ちると発症していた上まぶたの炎症も復活。
ただ、肌トラブルはちょくちょくあるし、飲酒&入浴で温まった身体がかゆくなることはよくあったので、特に気にせず就寝。

さらなる異変に気づいたのは深夜です。胃が痛い。
強烈な空腹時に起きる、胃がきゅうっと締め付けられる感じ、気持ち悪くなる感じの、ひどいやつ。それが数分おきに断続的に襲います。陣痛かよ。
あまり眠れず、何度かトイレに行くも、特に下している様子もないので、朝方寝ぼけた頭で家にあったキャベジンを飲みました。
が、特に改善する様子もなく朝を迎えます。

3.休日急患診療所

4日(日)。とりあえず、予約していたヨガはキャンセル。
この時点で食中毒を疑い、昨日一緒に食事をした親友に連絡してみます。彼女も子どもも、特に異変はないとのこと。
でもさすが子を持つ母、「続くようなら、自治体がやってる休日診療所に行ってみては?」のアドバイス。休日に病院に行くという発想がなかったのでなるほどと思い、近くの休日診療所を検索。

最寄りでは、「港北休日急患診療所」と「鶴見区休日急患診療所」がヒット。「鶴見区休日急患診療所」のユーザーレビューがなぜかひどい。受付の態度が強烈悪いらしいです。
体調不良の中での検索なので正確ではないかもしれないのですが、なんとなく「鶴見区休日急患診療所」の方が大きくて設備が整っているような印象を受け、距離的に近い「港北休日急患診療所」ではなく「鶴見区休日急患診療所」へ向かうことにしました。家の前のバス停からバスに乗れば一本でたどり着けるよう。

この間、痛みは相変わらず断続的。数分に一度、「ううっ…」と声が出る感じ。寝ていても動いていても状態はあまり変わらないけど、意外に身支度はできる。バスに乗って診療所へ向かいます。

鶴見区休日急患診療所は鶴見駅から徒歩10分ぐらいのところにあるのですが、通り道には飲食店がけっこうあり、なんと私の気持ち的には、それらの飲食店に入って飯を食いたい気持ちなのです。胃は痛いが、食欲はある。

鶴見区休日急患診療所につくと、時世柄、建物の入り口で完全防備の看護師にコロナ対策対応を求められます。検温と注意事項の紙を渡され、エレベーターは使うなと(エレベーターはコロナ患者用らしい)。2階の受付前で問診票に記入をしていると、また痛みが襲い、座り込んでしまう始末。

ほとんど患者はおらず、診察まではかなりスムーズ。
が、予想はしていましたが、ここには内視鏡の設備はなく、「うーん、話を聞く限りだとアニサキスっぽいね。でも設備がないから調べられないんだよ。とりあえず胃薬(しかも1日分。休日急患診療所はそういうルールらしい。)出しておくね。」という対応。
予想はしていた。予想はしていたけど、正直こなきゃよかったなという感想。
でも、なぜか医者に診てもらったという心理的なものからか、少し良くなったような気がする。ここでの会計、1,910円。
(ちなみに、受付の方の態度は特に悪いということはありませんでした。)


食べるのは怖かったけど飲み物なら平気かな?と思い、帰り道のコンビニで飲むヨーグルトを買って飲んでみたらとても美味しく感じたので、さらにバスに乗る前にスーパーに寄って大容量の飲むヨーグルトを買う。
また、食べるのは怖いし胃は痛いけど食欲はあり、温かいそばとおにぎりも買う。

なんだかんだで帰宅は15時ごろだったと思います。
このあたりで気づくのですが、胃の痛みは胃が動くときにやってくる。何か胃に入っていると、あまり痛くないのです(私の場合)。
美味しく感じる飲むヨーグルトと、買ってきた温かいそばを食べました。さすがにそれ以上食べる食欲はないものの、痛みがひいた気がする!
処方された胃薬(ガスター10)も、いちおう飲む。

それでも何もする気が起きず、ベッドに入ってうずくまり、何かの拍子に良くなることを祈る。この日はこのままあまり活動もせずに過ごします。
19時頃、手足が熱い気がしてもしやと思い検温すると、微熱(37度6分)。
明日会社を休んで消化器内科に行くことも視野にいれ、職場の先輩に連絡しておく。

4.菊名記念病院

5日(月)。起き抜けにめっちゃ痛い。たぶん空腹だからと思われる。ぜんぜんよくなってない。あかん。熱は平熱。
最寄りの病院といえば「菊名記念病院」が真っ先に思いついたので検索すると、消化器内科もあるよう。遠くまで行くのもしんどいのでここに行こうと思ったところ、ホームページに「予約制」の文字。
予約受付に電話してみると、「紹介状のない場合はプラス5,000円です」とのこと。もうこれ以上調べる気力もないし、他の小さい病院に行って満足の得られる処置をしてくれないということになっても嫌なので、受け入れる。
内視鏡の予約が11:30になり、その前の来れる時間(私は10時には行けると言っていた)に来ておいてくださいという、よくわからない指示※1。よくわからないけどもうどうでもいいので(痛みで)、まじめに10時過ぎには着くように向かう。

これは病気あるあるだと思うのですが、病院に着いたとたんなぜか痛みがひく。ぜんぜん痛くない。痛みの波が襲ってこない。
しかしながら内視鏡の前に血液検査とレントゲンを、という、なんだか大ごとになってきたので(10時に来いというのは、こういう場合を見越してなのかと納得)、「これでアニサキスじゃなかったら、気まずいな」という謎の心配心がわいてくる。

健康診断のような血液検査とレントゲンが済むと、時間は11時過ぎ。
菊名記念病院はそこそこ大きな病院なので、内視鏡センターなるものが別棟にあるらしく、病院内をぐるぐる歩く。歩いている間も、痛みはない。

11:30過ぎ、医師の診察。
「アニサキスが疑われますが、胃カメラじゃないとわからない。胃カメラで見つかれば、アニサキスを取り除くことができる。投薬などの治療法はない。」とのこと。
「刺身を食べたのが土曜の夜だから・・今胃カメラやってもよいですけどね」ともおっしゃる。つっこんできいてはいないけど、あまり時間が経っていたらアニサキスがもう胃にいないこともありえ、その点について言及されていたのではないかと思われる。
前述のように、その段階だとなぜか痛みはひいていたので、若干躊躇する。また、胃カメラはやったことがなく、「苦しい」と聞いていたのでびびる。色々検査もしてるし、お金もかかるしなーと。

がしかし、今日の朝の胃の痛みを思い出し、「この状態で胃カメラをやらない方がよい理由って何かありますか?」ときいたところ、「ないと思います」とのことだったので、やってもらうことにする。何もいなかったらそれはそれでよいし。

5.初胃カメラ

まずは書類の記入。誓約書2枚と、問診票。なぜ誓約書が2枚だったのかは不明。見たところ同じ書面のような。書面の内容はいちおうちゃんと確認するものの(法務だし)、「なぜ2枚なのですか?」などど聞く余裕なし。宛先が違っていた?※2
鎮静剤を使うことについて選択欄があったのですが、メリットとデメリットの判断ができず、事務の方にそう伝えると、では看護師と相談しましょうとのこと。
登場した看護師さんは、完全防備。ちょっとコロナのこと忘れてたけど、大変だなあ・・と思いつつ、あれ、事務の人もさっきの医師も普通のかっこうだったけど、看護師だけ完全防備はなぜ・・?という疑問がわく。きっと何か意味があるのでしょう(尋ねる気力がない)※3。

看護師さん、「胃カメラは・・初めてなんですね」というコメント。
え、ごめん、初めてなんだけど、、やめてそのコメント!怖いから!
鎮静剤については、どうしても半日ぐらいふらつきなどが残るので、このあとどうしても仕事があるとか、育児や介護をやらなくてはいけないとかいう理由があるなら使わないという選択肢があり得るが、使った方が楽ですよ。ということ。ちょっとびびっているので、ぜひ使わせてもらうことに。
胃カメラ、やっぱやめとけばよかったかな・・なんかもう痛くないし、わざわざカメラ突っ込んだのにアニサキスいなかったらやだな・・という、後悔。

が、私がそんなことを考えているうちにも、処置はどんどん進む。
「胃をキレイにするお薬」なる、液体状のものを小さな紙コップ1杯飲まされ(まずい)、鎮静剤を入れるための点滴針を刺し、少し待たされた後、処置室に連れていかれる。
「喉の麻酔」ということで、スプレー状のものを大きく開けた口から喉に噴射される。歯医者で使う麻酔と同じものらしい。これが辛くてまずい。「飲み込んで」という指示のあと、同じ噴射をもう一回。その後すぐに、喉から舌にかけてがだんだん麻痺してくる。
服は着替えることなく、そのまま処置用のベッドに横になる。顔の下にペットシーツみたいなものを敷かれ、「吐いたとき用かな・・」と想像がふくらみ、またびびる※4。
マウスピースをくわえさせられながら、同時に鎮静剤の投入がされ・・・

ここで記憶が途切れています。
胃カメラをやられた記憶がまったくありません。
鎮静剤、すげえ。

どれぐらい時間が経ったのかは分かりませんが、「アニサキスいましたよー」の声で起きた気が。
朦朧とした意識の中で、紙コップに入れられたアニサキスさんを見せられる。たぶん色々混濁していたのだと思うのですが、そのときはミミズぐらいの大きさに見えました。

ベットごと休むスペースに運ばれ、「30分後にお声がけしますね」ということで、横になったまま休む。30分は思いのほかすぐ経ち、私の様子を見た看護師が「もう30分寝てましょうか」とのことなので、休んでいた時間は合計1時間。

その後は意識がクリアになり、最初に話した消化器内科の先生と、胃カメラの処置をやってくれた医師、看護師が2名ぐらい?の大人数がベットを訪れる。
もう一度紙コップに入ったアニサキスを見せてくれながら、「あれーもう死んじゃったかなー取ったばかりのときはまだ元気に生きていたのに」と。
やめれwww
ググって出てくるのと同じ、2~3センチの糸くずみたいなやつがいました。
お前のような小さな下等生物にこんなに苦しめられるなんて、人間として悔しい!という、よくわからない気持ちになりました。

6.ちょっと気になること(あとで調べる)

最後に、消化器内科の先生と問診しました。
アニサキスが胃にいる状態の写真もみせられ、あれが幻でないことを知る。
その他、胃に関してはきれいだし、ピロリ菌もいないと思うよとのこと。

アニサキスについては、「私(医師)の方から報告しておきますね」というようなことをおっしゃっていました。どこに、何のために報告するのか聞きそびれてしまったので、あとで調べようと思います。

また、その際、「私(文字通り、私)から店に何か連絡はした方がよいのでしょうか?」と伺うと、「うーん、それはしなくてよいと思うよ」とのこと。
理由は、「アニサキスが出たからといって、その店の衛生状態や管理が悪いということには決してならない。どんなに気を付けていても、生ものを出す以上、あり得る。そういうことがあったということになると、クレーマーのような人にからまれてしまう。」

行ったのは個人経営の小さな居酒屋ですし、アニサキスとはそういうもの(気を付けていても混入してしまう。)だと理解しているので、私もお店に連絡するつもりはないです。
ただ、この領域の法規制については、あとで調べてみたいと思っています。訴訟になったケースとかあるのかなー

ちなみに、菊名記念病院での会計は19,830円。
これには血液検査、レントゲンが含まれ、また、紹介状がないための5,000円も含まれます。

7.まとめ

前述の通り、アニサキスはどんなに気を付けていても混入する可能性はあるそうです。それが、新鮮な刺身であればあるほど。
防ぐ方法としては、「新鮮な」刺身を食べない(冷凍、加熱したものはOK)しかなさそう。
食べる前に目視で確認するという手段もあるけど、あんな半透明な糸くずみたいなやつ、白身魚に混ざってたらぜったいみつからない。
医師は、「あとは、良く噛むことかなー」と、逆にちょっとおそろしいことをおっしゃっていました。

ちなみに、私はアニサキスにあたったのは二回目である可能性が高いらしい。1回目は症状が出ず、2回目に満を持してこのような症状になるらしいです。

みなさんも、お気を付けください!

8.追加

Facebookのコメント欄にプロ(看護師)が降臨し、私の疑問にコメントをくれました↓
※1 内視鏡前に問診、採血、レントゲンがあるため、また、今はコロナのことがあるため、早く来いというのは病院の通常の指示とのこと。
※2 電子カルテになったから複写ができないので、カルテスキャン用と本人控え用で必ず2枚取るとのこと。
※3 患者に吐かれた場合と、患者の処置時に1番距離が近いためとのことです。私が鎮静剤で眠った後に身体を支えたりという介助を行うのが看護師だからだそうです。つくづく、リスクと隣り合わせの仕事だ。ありがたい。
※4 処置シートというらしいです。胃カメラ中は咽頭麻酔のため、唾液垂れ流しらしい。目覚めた時には看護師が拭いてくれた後だけど、顔面唾液だらけらしいです。看護師さん・・・ありがとう・・・。

なんか私・・・これからは冷凍モノ以外食べないほうがよいらしいです・・・
「他の食物アレルギーと同様、一度症状を起こした方は、残念ながらその後も症状を繰り返す。
アニサキス虫体が見つからない生魚でも症状が出ることがあり、アレルギーと考えれば、どこかでアニサキスが触れただけの魚でも生で食べると症状が出るのはうなずける。」
https://news.yahoo.co.jp/articles/e0aec434e56d5d214a4bb67cce2e5541661d65c4?fbclid=IwAR0KqRiopN5rz18hBaTymYEeOyKE67k5R9C4CQQu1q0ydMcizQUPhyeBElw

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