見出し画像

宝物の記憶

この記事はアーカイブに下書きで残されたままになってるのを見つけたものです。
ぼんちゃんが逝ってもう2年半がすぎました。
あの子のことはいつも思います。
悲しみは少しづつ癒えるけれど、あの子がいないという寂しさは今でも変わらない気がします。
それでも、思い出は穏やかに優しく私の中に落ち着いてきました。
消すのは忍びないからこのまま闘病記録に残しておこうと思います。
記事にタイトルがついてなかったので「宝物の思い出」にしました。
悲しい記憶も嬉しい記憶となんら変わりなく私には大切だから。

2023年11月24日





2021年の春がとてつもないスピードで過ぎ去ってもう4月になった

そんなに忙しく過ぎたのは、我が家の猫が深刻な病を患っていることがわかってから

ぼんちゃん、私たちはそう呼んでいるのだけれど、は腺癌を患っている。

1月の末に足指の出血から始まったそれは、病理検査を待つ2週間ほどの間に、とてつもなく早いスピードで悪化していった

運悪く、日本中で大雪が降って、何もかもが遅れていた

私たちはじりじりとその結果を待った

長い時間だった


そうだろうという予感と
そうでありませんようにという祈りとの間で
私たちは揺れていたけれど

でも、あの子はそれを”知って”た
猫はちゃんと知ってる

不安で地に足のついてなかった私たちと対象的に

あの子はまるで諦観したような眼差しで
そして自分の自由を満喫することに



それは長い年月一緒に暮らしてきたからよくわかる



あのこは私の一部だった

あの子が苦しむのをみるのは辛い
現実の前に言葉を見つけられず立ち尽くす

今という時を
本当に生きるのは難しい