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1月23日

第1章  果てしない夢を追いかけて…

夕べ感じた寂しさを、東から昇る太陽が忘れさせてくれた朝。

僕は2度寝をした。

忘れた方が楽なのに、忘れたくなくて…

どうせいつかは忘れる。

そんなことは分かっちゃいるけど。

1秒でも長く君を感じていたかったんだ…





僕はベットから降り、寝ぐせを直して大学へ向かった。

1限で必修という、嫌がらせのような講義だ。
僕がもし政治家になったら、「必修は3限!!」というマニフェスト一本で選挙に出たいと思う。

大学に着き、講義を受ける。

教授が腰が痛いといって、教卓みたいなところにずっと座っている。

その時、僕は教授が嘘をついていることに気づいた。

教授は腰が痛いのではなく、とてつもなくダサいズボンを履いているため、それが見られたくないのだと。

講義が終わり僕は教授を教卓から引きずりだそうと、教授を引っ張った。

もう単位なんていらない。それよりもダサいズボンが気になったのだ。

教授は必死に抵抗した。

僕も負けじと引きずり続けるも、教授はなかなか教卓を離さない。

教室から出て、16号館の西口の玄関から外に出たぐらいだろうか。

僕は気づいた。

教授はダサいズボンを履いていたのではなく、教授の下半身が教卓になっていたのだ。

ケンタウロスならぬ、教卓ロスである。

僕は何も知らずに、自分の欲望に任せて行動してしまったことを後悔した。


「まー、こういうことだから。私は教室に帰りますね…」


教授は笑っていた。とても悲しい笑顔だった…

その後、友達とビリヤードに行っても、温泉に行ってもその顔が脳裏に浮かぶ…

教卓と教授の繋ぎ目のことを思い出すと、食事も喉を通らない。
 
明日謝りに行こう。


これが僕の1月23日である。

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