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12月20日

僕は今どこに向かっているのだろう?

知らない街、右も左も分からない。

だが不思議と足どりは軽い。

今の若者はなんでもスマホで調べるから頭でっかちになって面白くないのだ。

僕は目的もわからず、歩いているこの時間がとても好きだ。

それにしてもさっきからやたら女子高生とすれ違う。

女子高生と逆の方向に進んでいるということはどんどんスイパラから遠ざかっているということだ。

最近の女子高生はスイパラに軸足を置いて生活しているという噂を聞いたことがある。

俗に言うスイパラピポットだ。

スイパラ遠ざかっていくことに一抹の寂しさと安心感を感じながらまた歩を進めていく。

ここは知らない街だが、空は僕が知っている空でわずかにあった不安も空に吸い込まれていった。

それにしても今日の空はなんだか悲しげで、今にも涙をこぼしそうだ。

「泣いてもいいさ、俺の前では弱い姿見せてもいいんだぜ?」

僕の声は大空と近くを歩いていた女子高生の耳に吸い込まれていった。

僕の声を聞いてくすくす笑う女子高生。

この年下の女に馬鹿にされている感覚、

たまらなく良い。おかわり!!

「俺は逆に他人が握ったおにぎりしか食べないぜ?」

ドカンッ!!!!

死ぬほどウケた。

しかし僕は笑わせているんではない、笑われているのだ。

純度100%混じりっけなしの嘲笑。

意識が飛びそうになるほど良い!!

意識が朦朧としている中、僕はあることに気づいた。

いつのまにか女子高生と同じ方向に歩いている?

そんなまさか!?こっちにもスイパラがあるというのか?

戸惑う僕はすぐにスマホを取り出し帰路を調べ、最短経路で帰った。

これが僕の12月20日だ。

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