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手紙 それでも変わらないもの


これまでに出逢ったそしてこれから出逢う
すべての友人へ


こんばんは。
私は今、声が出せません。
誰の声もしない、ひとりきりの静かな部屋で、この手紙を書いています。声が出せなくても、手紙は変わらず書けるからいいよね。

なぜ今声が出せないのかというと、私は元から鼻と喉のトラブルが多いのだけど、この度の大寒波と乾燥のせいか、副鼻腔炎と扁桃腺炎を併発しちゃって、文字にすると大げさなんだけど、今は大方治って、あとは単に声だけ出ない状態になっちゃった。炎症を起こした声帯を鎮めるため、ここ2週間くらいひたすら黙り続けているんだけど、あともう1週間は声を出しちゃいけないんだって。小声でも、治りが悪くなるから出しちゃいけないらしい。

普段の私はとてもおしゃべりだから、「おしゃべり禁止令」が出て、自分が自分じゃなくなってしまったような気分。それでもしばらく黙り続けていると、なんだかこの自分にも慣れてきて、生まれ変わったような心地がしてる。ままならないけど、ままならないなりに、なるようになるんだなって思う。

声が出せないことは、ごく個人的な私だけに起こっていることだけど、ままならないことは、誰にも日々起こるよね。

このご時世になって、世界中のみんながみんな、ままならない2年間だったよね。
ままならないなりに2年も経つと、みんなそれぞれが自分の生活を作り直して、いつのまにかなるようになってきたな、と思うここ最近。
人間って案外、どうにもならない…!と思っても、どうにかするというより、いつのまにかどうにかなってる、というように出来ているのかも。

変わり映えのない毎日に見えて、一歩先の未来で何が起こるか、実は全く分からない日々。
ままならないことがたくさんあるけど、なるようになるんだな、ってありのままを受け止めて、健やかに過ごせますように。

どうしようもなくままならないことが起こったら、私に聞かせて。(または、手紙を書いて。)
そして一緒に「ままならないねぇ」って笑おう。


2023年2月 東京にて

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