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恋の季節なんてものはやっぱりなくって、人肌恋しかろうが離れがたかろうが、終止符というものは必ずある。 6首が5編と、おまけの一つでちょうど31首。 ああ、なんてキリがいいんだろう。ここで幕引きです。 《終止符》 さよならを切り出す覚悟で靴を履く 借りてた本はきれいに包んだ 貸し借りはほんとにこれでなにもなし 歯ブラシ捨てるくらいはしなよ これきりと分かってワルツ 今日だけは私のターンで踊らせてよね あの頃の定番はもう廃盤です 見つからなくって困るといいわ ほんと
恋の季節なんてものはなくって、正月であろうと大雪であろうと人は恋に落ちるし失恋もする。 恋愛中、すなわちボーナスタイム、降って湧いてきた短歌たち。 出来とかはどうでもよい。 なるようになれっ。 この部屋は本だらけだね素敵だね わたしの隙間なんてないのね みずのあじする。みずって、あじ、しないのに。それじゃあ、おんど?おんど、ぬるいね。 ほんとうは雪女なの抱きしめて 強く、熱く、溶けないように ググっても辿り着かないことばかり 重力だけが等しく同じ 忍び込み戸籍謄本
2022春夏に続き、半期に一度のペースで書きためた短歌をまとめて並べてみる。 ひとりでぽちぽち気が向いた時につくっているだけなので量は多くなくて、感情がぐらっと傾いたときに器からこぼれた気持ちが短歌のかたちになる、というのがわたしのつくり方みたい。 では早速行くぜっ。 《フラフープ》 トラックに家財が積まれゆくそばでフラフープ回し続けている子 傘2本上履き体操服抱えダッシュで踏切抜ける学ラン かぼちゃプリン、キーマカレーの上の黄身、満月、こたつのミカン、ラッキー!
せっかくなので今まで書いた短歌の中でお気に入りのものを並べておく。 ただ並べるだけなのも惜しいので、何首かずつまとめて題をつけて再編してみる。 行くぜっ。 《シュー・クローゼット》 ちょっとしたパーティずっと待ってるの 靴箱で7センチヒール光る 赤い靴脱げなくなって呪われたい 可哀想っておもってくれる? 新しい服買うことと春までは生きようと思うこととは同じ ひだりからくつひもむすべば空とんで ぼくはじくうをこえるユニコーン 《リプトン》 「今ウチらガチで『マックのJ