柏の葉に学ぶ水とまちの素敵な関係
こんにちは!都市整備課、改め流域治水推進室です!
さて、「まちとかわの関係を考える連載」ということで、流域治水へのまちづくりの関わり方を考えています。
今回も水と雨の素敵な関係のまちを探してきました。
こちらは2017年春にオープンした柏の葉Tsiteです。
とってもおしゃれな蔦屋書店、子供が喜びそうなおもちゃ屋さん、みんな大好きスターバックスの他、千葉のアンテナショップや、アウトドア用品、ドッグサロン等、大人も子どももペットでも楽しめる商業施設です。
また、大きな池があり、周囲は緑が多くて、散歩するのが気持ちの良い癒しの空間になっています。
素敵な水辺。でも癒しだけじゃない
きれいな水辺、癒し以外にも役割があるんです。
こちらの池は洪水時に水を貯めて川に流れる水を減らす「調節池」という役割があります。川に流れる水を"調節"することにより、洪水から私たちのまちを守っているんです。
区画整理などの、一定規模以上の開発行為をする際には、雨水の地区外への放流をコントロールするため、調整池を作る等の雨水流出抑制をしなければならないことになっています。千葉県でも以下サイトにある通り、開発許可の際のルールが存在します。言うなれば附置義務調整池ですね。
義務をプラスに
附置義務として作られた調整池ですが、義務以上の効果を発揮しています。こちらの散歩道、遊歩道や庭には多くの植物が多くみられます。
そのおかげで、見た目もきれいで、気持ちよさを感じられる空間となっていますが、実はこれにも別の役割があるんです。
これらの植物は景観をよくすることに加え、植物が持つの保水機能を活用するために植えられています。
植物の保水パワー
植物や土は降った雨を保水することができます。
コンクリートの場合は、水はしみこまず、表面を流れ、水路を伝って河川に集まります。ですが、植物や土がある場合は、水は地面にしみこんでいきます。このことを”保水”と言います。地面に保水することによって、川に集まる水を減らすことができます。
植物を植えるとは「洪水が起きにくくする」ことにつながるのです。
このように、コンクリートを用いるのではなく、自然の持つ力を活かして、社会の課題解決しようとすることを"グリーンインフラ"と呼ばれています。
ちなみに、その対義語かのように、コンクリートで創られるインフラ施設を、"グレーインフラ"とも言われてます。
柏の葉エリアがグリーンインフラに取り組む背景の一つに柏市の環境保全条例というものがあります。
柏市では、「建物を建て敷地を舗装してしまうと、どんどん雨が川に集まるので、それを防ぐために出来るだけ地面に浸透させて下さい」と、住民の皆様にも協力してもらえるよう定めています。
そのため、住民の皆様も家を建てるときは、浸透させることが求められています。家を建てるだけでもその土地に降っていた雨が浸透しなくなりますので、それを防ぐ取組をしなくてはいけないということです。
では、浸透させるにはどんなやりかたがあるのでしょうか?
家でできるグリーンインフラ
グリーンインフラは、柏の葉Tsiteような大きな施設でなくてももっと生活に身近なところでも取り入れることができます。
例えば、家の駐車場。コンクリート舗装でなく、芝生にするだけでも保水効果があります。これも立派なグリーンインフラです。
さらには、樋(あまどい)の水を下水道にながさず、庭に浸透させるというのもあります。
お庭を舗装せず、植物を植えるだけでも浸透効果があります。
「あまみず社会研究会」さんのHPには、研究会の方々で作られた雨庭の写真が多くあります。木陰や手水鉢のお水が涼し気です。
ただ、ご想像の通り、個人で取り組む庭や駐車場は規模が小さい分効果は控えめです。そのため、みんなで取り組む必要があります。散るも積もれば山となる。駐車場も集まれば、貯水池並みの効果です。
それぞれができることをやり、気候変動の中でもやっていける、しなやかな街にしていきたいものですね。