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私がソーシャルレンディングをやめたワケ〜みんなで大家さんの行政処分は他の会社でもありえる?〜

投資家の皆さんこんばんは。

みんなで大家さんが行政処分となり、話題を集めています。

私は以前ソーシャルレンディングから撤退する記事を書きましたが、宣言通り、ソーシャルレンディングからは既に撤退しております。

しかし、インカムゲインに視点を当てて考えると、現状の株高では、適切に組み上げたバリュー株のポートフォリオでは平均年間配当利回りが4%を上回ることはありません。

そこで、平均利回りが5%を上回ることが普通であるソーシャルレンディングが気になる方も増えてきてるのではないでしょうか?

ソーシャルレンディングは(基本的には)元本保証に近い性質で、相場の変動がないため、利回りの高い定期貯金に近い発想で運用できます。

そこで、変動がある株だけではなく、安定したインカムゲインを確保する元本保証の手堅い分散先の選択肢として挙がります。

システムは、みんなで1つの不動産に投資して、その収益金を分配する感じです。(厳密にはこの限りではありません)

メリットは大まかに2つです。
日本国内への投資なら基本的には預けた金額がそのまま償還されることと、固定の年間利回りであるインカムゲインが手に入ることです。
現状だと、変動損失無しで4.6%〜6.1%程度の利回りがあります。(案件による)

デメリットは3つです。
1つは、人気すぎて応募しても落選することがあります。2つ目は、早期償還の可能性が非常に高いため、せっかく早押しに勝って契約できても満期を待たずに運用終了となり、また早押しで別の案件に応募しないといけなくなることです。これは応募が決まってから運用されるまでのタイムラグが長いことと、償還が決まってから実際にお金が戻ってくるまでのタイムラグを考えると、何度もやってると実質の年間利回りは激しく悪化します。
3つ目は、たまに見る程度かもしれませんが、業者が土地を高く買ってしまったりなど、運用失敗となった時に元本が満額償還されないことがあります。

そして4つ目は、今回の話題である、ポンジスキームリスクです。

ポンジスキームを知らない方もいると思いますが、厳密な内容を覚える必要はありません。
要するに、嘘つかれてて、実はちゃんと運用されてないリスクです。

ソーシャルレンディングでは、これって結構あります。

さて、今回まさに問題になっているのが、みんなで大家さんです。

成田の土地開発の案件だったようですが、途中で建設計画が変わったりしても投資家に伝えなかったり、開発すると言ってた場所がズレてたり、色々問題がありました。

そこで私が一番気になるのは、みんなで大家さんが購入したとしている成田の土地について、その金額が1平方メートル当たり171万円で買ったことになっています。
これは超都心の地価に相当します。具体的には、日本橋の中心地くらいの値段です。
ちなみに、この成田の土地の付近の金額は2500円弱ですので、相場の700倍近い金額で買ってることになります。

最初から、必要予算を莫大に水増しして投資を募った事が分かります。
その土地開発以外に莫大なお金が必要だったのは何故か?と考えると、そのお金を別の案件の投資家への分配金に回したのではないかとか、ポンジスキームの噂がたつわけです。

ただし、相場よりも高い金額で土地を仕入れてしまうことに関しては、他の会社も似たようなことをしています。

オーナーズブックというソーシャルレンディングです。
そこでも、整形地でもない場所をホテル用用地として明らかに高い金額で買っていた事が後々問題が起きてから判明しました。

オーナーズブックの名誉のために一応書いておきますと、本当に高い金額で買ってたようなので、これはポンジスキームには相当しません。
単に高い金額で掴まされていただけのようです。
よって、この土地は売るに売れず、投資してしまった人は何年も「元本が返却されない恐怖」と戦いながら資金凍結されました。
最近売れたことで、ある程度返ってくることが決まりましたが、当初よりも安い金額で売ることになったため、赤字になる予定です。つまり、先程挙げたリスクの3つ目の項目に該当します。(一応補足ですが、私はこの案件に投資していないため、当事者ではありません)

このように、故意であっても、故意でなくても、元本が償還されないリスクがつきまといます。
そして、それを事前に見極めるのは極めて困難です。

上に挙げた2つの事例は、どちらも問題になるまで気づくことは出来ません。
問題になったから、より詳細な情報の開示を求められ、そして発覚します。
ほとんどのソーシャルレンディングは、投資家には厳密な該当場所を教えてくれないのです。
なので、「開発すると言いつつ開発してない。架空の案件でお金を集める」なんてことが可能になってしまうのです。

ここまで書くと、多くの人がやめたほうが良いと感じていると思います。

私はやめましたが、アドバイスとして言うならば、「これらのリスクは株と大差ない」です。
株もその会社に投資していますが、厳密に全ての事業内容の開示はされません。
なので、知らないところで大損こいて損失計上してくることなんていくらでもあります。

完全ノーリスクと思ってソーシャルレンディングをするなら、絶対やめるべきです。
勘違いしてますので。

しかし、リスクがあるのを分かっていて、利回りが許容できると考えるのであれば、分散先の1つとして取り入れることは大きな間違いではないと思います。
その際には、あくまでも多すぎない分散額を算出してください。

ここからは、これからソーシャルレンディングを利用する方への、以前まで利用していた私からのアドバイスとして書きます。

まず、業者選びですが、私の観点では、上に挙げたオーナーズブック以外は利用するに値しません。
先程も書いたように、オーナーズブックは運用失敗でやらかした過去があります。
やらかしたことの無い業者がほとんどなのですが、普通に考えて、本当に運用しているなら、事業として、それは逆に不自然です。
しかし、もし架空の案件でポンジスキームだけしてるなら、破綻するその瞬間まで1度もやらかしてない事を装えます。

オーナーズブックはやらかしたことで、本当に案件が存在していた事を逆に証明した形になります。 また、時間はかかりましたが、投資家の元本の大部分を回収することに成功しました。
これはむしろ信用に値すると捉えることもできます。

また、オーナーズブックの母体はロードスターインベストメントという、上場企業です。
他の事業もやってる会社なので、やはり上場企業であるという時点で他の業者とは信用度が違います。

実際に、他の業者と比べても、取り扱う案件の利回りは低めです。業界トップのクラウドバンクと比べても、利回りが低いです。
しかし、クラウドバンクで案件の申し込みがいっぱいになってしまって応募出来ないなんてことは現在はありませんが、オーナーズブックでは利回りが低いのにも関わらず、応募が殺到するため案件に投資するのはゲキムズです。

これは、それだけオーナーズブックの信用度が高いことを示しています。

これらの理由により、他の業者には投資するほどの信用がありませんので、ソーシャルレンディングを利用するなら現状ではオーナーズブック一択になるかと思います。

最後に、題名通り、私が何故ソーシャルレンディングから完全に手を引いたか、その理由です。

理由は2つあり、1つは、早期償還が多いのに投資枠を手に入れる難易度が高すぎて割に合わないことです。上の方にも書きましたが、早期償還が行われてから別の案件への投資開始までの期間が無駄になるため、実質の年間利回りは非常に悪い結果となる事が多かったためです。

もう一つは、元本保証で利回りが7%以上の投資先が他にあるためです。
そちらにソーシャルレンディングの資金を全て移動させました。
利回り税引き後で7%以上、元本保証、場所も含めた内容の詳細開示、有名企業である、毎月分配金支給といった好条件でしたので、ソーシャルレンディングを使う理由が無くなりました。

現在私自身が人柱になって体験中ですので、もし体験していて中身も問題なさそうでしたら記事にします。

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