スガシカオ『桜並木』
そろそろと近所の桜が
賑わってきた
足を止めて上を見上げる人
記録のようにスマホに残す人
思い出したくない記憶を手繰る人
桜は毎年 人に
きっかけを与えてくれる
ときどきに、残酷でもある。
2003年アルバム『SMILE』に
収録された一曲
彼の歌声は、とくにこの頃は
鈍い記憶を引きずり出す
♫ぼくの新しい手帳のページは
まるであの日をかき消したみたいに
ねえ 何一つ消えちゃいないよ♫
普通であろうと日々を過ごし
消したい思いは底に圧して
少しばかり憂鬱にがんばってみても
桜がさんざめき始めると
思い出す
♫遅刻してしまうと
かすんでしまうから♫
焚き付かれるように
毎日を追いかけてしまうことに
息切れするわ
記憶なんてものは
かすんで消えていくほどいい
溢れる情報や鈍色の記憶は
遅刻しまくっていいよ
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