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他者著作物の感想など

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映画やテレビ作品や書籍やゲームなど、他の方の著作物に触れた際の感想やそれを発端とした様々を綴ったものです。
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#映画感想文

『セクシー田中さん』が良ドラマ作品であった話を今あえてしたい -全ての創作劇と全ての創作者のために-

漫画作家 芦原妃名子さんの訃報でこのタイトルを初めて知られた方もおいでやも知れません。 事件は知っていても、実際の漫画には/ドラマには/もしくはそのどちらにも触れてはいないという方も。 大変な事が起きてしまった事件そのものと別途、怖いのは あの報道では、実際には原作を尊重し一個のドラマとしてもきちんとした内容で放送に至ったドラマ版『セクシー田中さん』なのに、「原作を踏み躙った酷い内容だったらしい」と捉える人も数多く出てしまうのではという事です。 実際、事件当初制作側や出版社

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あなたにとっての藤野/京本は居てくれましたか -私自身の漫画を“描き続ける”こと/『ルックバック』映画化に添えて-

この劇場内に 全国の観客に やはり''当事者"は数多くおいでなのだろうと考えてしまう、私にとって映画『ルックバック』はそんな特殊構造の作品でした。 (※正確には"ODS"と呼ばれる"非映画コンテンツの劇場上映"扱いらしいのですが、便宜上”映画”と呼称します 原作は『チェンソーマン』の大ヒット作家・藤本タツキさん。 ”あの日” 2021/7/19という、2019年7月18日のあの事件の日を意図したと思われるその2周忌直後のタイミングでweb公開された読切漫画『ルックバック』に

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広島行きミスなか列車に乗って

ずっと大好きな作家さんの作品の映画化という感慨深い機会。 劇場映画『ミステリと言う勿れ』が2023/09/15封切となり、仕事のお休みも取って初日初回に観賞して参りました。 映画で初の方へも想定した作品の御紹介と、原作の田村由美先生ファンの視点として私自身が感じた諸々を綴ってみた次第です。(気付けば下書きのまま1ヶ月経過ですが逆に丁度にて今放ってみます。。 以下の見出し2個目以降は映画の内容にも触れます。 ご観賞まだの方はまずは1個目の御紹介だけでもお読みになって頂ければ

史実とフィクションの怪物で希望を描くということ -映画『ゴジラ-1.0』公開一ヶ月に添えて-

『シン・ゴジラ』以来の邦画ゴジラの新作。 今作担当の山崎貴監督らしさも存分に詰まったフィルム、映画『ゴジラ−1.0(マイナスワン)』が2023/11/03公開となり、初日初回に仕事明けから足を伸ばし遠方でもドルビーシネマ上映を選び最高の環境でその結実を見届けて参りました。 (※当日書きかけた記事を下書きのまま放つタイミング逸することよくあります( 丁度1ヶ月ですね❢ そうこうしている内に本作は大ヒットとなり既に多くの方も御覧になっているかとは存じますが、折角書きかけていた記

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結末選択は物語にとってとても大きなもの -邦題『危険な情事』のtv放送に添えて-

先程tv東京『サタ☆シネ』枠でtv放送されていた1987年のアメリカ映画『危険な情事』(原題『Fatel Attraction』)、個人的にはその終わり方最悪じゃない..?で、言ってみればそこまでの表現の鬼気迫る感でヒットはしてもラストをそうしたという判断はどうなのかと感じる人は当然居て、ですが同時に多分に大衆映画としてはあの終わり方にはなるのやも知れず この映画には公開版と別のラスト(※ソフト化の際に特別盤に収録)が存在しており実際問題公開版が正解ではないはずながら公開版

美しい情景に彩られた 静かで強い想いと旅路の物語-映画『シン・仮面ライダー』の終映に添えて-

あなたは仮面ライダーの映画と言われてどのようなものを思い浮かべるでしょう。 私は本作を”仮面ライダー”以前に、予告の静かな邦画ロードムービーの空気に惹かれそうした”映画”を観られる予感に劇場に向かったのでした。 [公式]公開前最新予告 2023年3月17日から封切られたシン・仮面ライダーも同年6月4日で終映となります。 もしかしたら誰かの最後に劇場に滑り込める切掛となるべく記事を綴ってみた次第です。どんな印象を受けたか、に集約し、内容に触れる所謂ネタバレ含めたものは公開終