コンスタンティン
マグさんと見た!!
「あなたが死にかけてるのはタバコのせいです」
色が白くてムキムキなのに線が細くてかなり儚いジョン・コンスタンティン、別に悪魔との戦いで余命が短いとかではなく単純にタバコの吸いすぎで死にそうになってるのが最初から最後まで一貫している。命を削って悪魔を追い返してるとかではなく命を削ってタバコを吸ってる。
なんなら「無敵のコンスタンティン!!」とか言われてるのでタバコ以外のダメージとか存在しないのかもしれない。たしかに作中でダメージ負ったシーンって自傷くらいなのでめちゃくちゃ強いのかも。しかもこの強さ、パワーとか才能ではなく「武器集めに余念がない」とか「叶わないと思った瞬間に自傷してでもサタンを呼ぶ」みたいなきっちり詰めるところと引き際の見極めみたいなところあるので芸風に対して戦闘スタイルが堅実すぎる。
ジョン・コンスタンティンの芸風ってエレベーターに乗ってる時に「これ下ですか?」って聞かれて「血の底だよ」って返したりとか、切羽詰まった声と真剣な雰囲気の中主治医に「もう一度奇跡を起こしてくれよ先生(タバコの吸いすぎによる肺がんの話をしています)」とかなので、私がみたことあるアメコミ主人公の中で1番面白いかもしれない。この間見たエクストリーム・ジョブの警官が真剣にチキン屋をやってる天丼と近いものがある。
黒幕だったガブリエルに目を合わせられた状態で言われるセリフが「あなたが死にかけなのはタバコの吸いすぎです」って言われるのもぐうの音も出てない正論を言われて帰るのも今思えばめちゃくちゃ面白いシーンだった。あの場面、何かを聞こうとしてガブリエルに会いに行ったけど当然ガブリエルが何かいうことはないにしろ誤魔化され方が意味深でかっこいい会話とかではなく体調不良を諭されるのそんな正攻法の誤魔化し方あるんだって感じだった。
サタンがコンスタンティンを生き返らせる時も「動脈を戻しただけじゃすぐ死ぬ」って判断されてダイレクトヤニ取りしてたし、地獄に行ったり天使みたいなのと戦ったりするわりにコンスタンティンを苛むものはタバコくらいしかないので友人達とかが割と死んでいくことで映画の緊張感を保っていたんだと思う。コンスタンティンが強すぎるばかりに…。
ガブリエル
この人を見るためにマグさんと一緒に見たまである。
天使の羽に違和感がなくて無性別と言われても納得する見た目で人類のことを「お前たち」って呼ぶ人外、良すぎる。この人、人間が神に愛されるだけの価値がないとおかしい!って動機で世界を滅ぼそうとしたので人類のことかなり下にみてるし許せてないのもかなり良い。
この辺の神様への解釈、「あなたは神の存在を知ってるだけで信じてない」みたいなところに関わってて信じてるんじゃなくて「いる」せいでガブリエルはこんな拗らせ方をしてるし羽がもげた後に耐えきれないのに自殺はできないからコンスタンティンに殺させようとしている感じがあり、尊厳凌辱!!、!!って感じだった。
この辺の初恋拗らせた人間みたいな挙動に反して本当に見た目がいい。ずっとめろめろだった。この見た目のティルダ・スウィントンに対しては流石に踏まれたいって思うよ。自愛を注いでるような言葉を並べられてその実心の底から軽蔑してる扱いを受けたい。
コンスタンティンもずっとスーツだし、ガブリエルもスーツと白い衣装だったりしてこの映画ってかなりモノクロなんだけどガブリエルだけ妙な彩度がある。逆にサタンは徹底して白黒から出ないのに強者の雰囲気があってそれはそれでかっこいいんだけどすごい明るいわけではないガブリエルの茶髪とかが画面で目を引いたりしていた。
いや本当にガブリエルがめちゃくちゃいい、天使っぽい人外としての見た目と言動がずっと完璧だった。続編作ってくれ…頼むよ…
キスシーンわからん
コンスタンティンに限らず、海外の映画のキスシーンのタイミングずっとわからない。
これ、恋愛シーンの幅の話で「2人が恋愛的な関係を結びました」の符号として日本では使いがちだけど向こうでは「なんか良い感じの2人で〜す!!」くらいのテンションで使うので毎回戸惑う。
逆になんでもない関係の2人に「なんか顔が近くない?!」みたいなこともよくあるので文化の差なんだと思う。ロマンチックな音楽が流れてない時に2人の顔が近かったら人身掌握しようとしてるシーンであることの方が多い。胡散臭いか誘惑しようとしてる人、顔近づけがち。
あと関係と本筋のクライマックスが同時に来ないとかもある。重要度というか優先順位というか。本編のストーリーが解決するちょっと前にキスシーンがきて「今?!!」ってなること多い気がしているのでこの手のシーンがオチたりえないみたいなところもあるかも。
でも日本映画をあんまり見ないし最近みた日本映画のキスシーンってN号棟だから何もわかんないな…。
コンスタンティンは不意にキスして何も言わない程度には好感度がある2人が最後は彼女に焦らされて終わったあたりかなり好きです。そう思うと直球に恋愛ものだけど朝日に照らされて額をくっつけて微笑み合うだけで密やかで多幸感に満ちてた傲慢と偏見ってすごかったんだな…。