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(続)韓ドラ「調査官ク・ギョンイ」のOST(TRPP)

(ネタバレ注意)
 コロナ陽性になって自宅隔離期間中の心の友だったNETFLIXの「調査官ク・ギョンイ」についての続きです。

 韓国ブームの火付け役となった「冬のソナタ」からして明白な事実だが、ドラマの要所要所で流れてくるサウンドトラックの良し悪しは、そのドラマの評価に大きく関係している。
 冬のソナタの主題歌なんぞ、何十年の時を経ても、いまだにパチンコ冬のソナタで大当たりが出ると、あのおなじみのピアノメロディが流れてくる浸透ぶり。

 以前に書いたんだが、ドラマ「梨泰院クラス」の素晴らしさのひとつの要素は、OSTの選曲センスの秀逸さである。「よくぞこの場面でこの曲を流してくれました!」というタイミングで、素晴らしいアーチストたちによる素晴らしい楽曲が流れてくるのだ。

 個人的に「六本木クラス」を評価できないのは、OSTに対するこだわりを本家作品ほどには感じられないから。

 「調査官ク・ギョンイ」を最終話まで視聴したときに「もう1回観たいな」と感じさせられたのは、ストーリーが良く出来ているから、ではなく、映像とOSTとが融合した際に起こる、なんともいえない脳内化学反応が心地よいからだ。

 財閥系韓国ドラマみたいな高級感あふれる場所は、このドラマではほとんど出てこない(終盤では都会の描写が多くなりますが)。
 むしろ、地方都市の風俗街、田舎の高校、沐浴湯(銭湯)など、ソウルオリンピック以前の古き良き韓国をイメージしたような、ノスタルジックな風景がたくさん出てくる。
 ゴミ焼却場から脱出したイ・ヨンエ(ク・ギョンイ)が何者かに拉致されて連れてこられるのが真夜中の沐浴湯で、そこで湯船に浸かって待っているのがベテラン女優キムヘスクおばさん。
 それにヨーロッパテイストのシューゲイザーサウンドがかぶってくる。これほどのミスマッチは他にあるか?
いやいや、これがいつまでも心にこびりつくのですよ。

 インターネット時代は何でもすぐに自分で調べることができる。ありがたいことだ。

 バンド名はTRPP。韓国の3人組バンドで、昨年の夏にアルバム「TRPP」でデビュー。
 3人のメンバーはそれぞれ韓国インディーズ界では以前から活躍しているミュージシャン達で、このTRPPでは、皆さん別名でクレジットされている。男性メンバーのうちの一人は、FURUKAWA YOKIO という日本名で、「韓国が好きで、あてもなくソウル生活をはじめたロックマニア」と紹介されているが、これはたぶんフィクション設定でしょうね。

 3名ともギター担当で、ライブ演奏では、打ち込みリズムに乗せて、3人が並んでラウドで歪んだギターサウンドをかき鳴らすらしいです。凄いな。

 私がOSTで脳内化学反応を起こしたのは次の3曲です。

 1 LIARS    
                      ドラマのオープニングで、アニメーション動画のバックで流れ 
      ます。もうイントロのかっこよさだけでも聴く価値ありです。

TRPP - Liars (I feel alive) (구경이 OST) [Music Video] - YouTube

 2 Yeah (ROUND AND ROUND)  
                       ドラマのエンディングで大音量で流れてきます。「K」が殺人
       が首尾よくいって満足感に浸りつつ可愛い笑顔を見せている
       場面で、あるいはク・ギョンイとケイが再開する場面で、
       はたまた、しゃべれないはずのサンタ君(ク・ギョンイの
       ネットゲーム仲間)が不気味な独り言を発した瞬間、
       その回の話の展開を観てきた視聴者に、突然、心をえぐるよ
       うな緊張感を与えるに十分なサウンド。くせになります。

TRPP - Yeah (Round and Round) (구경이 OST) [Music Video] - YouTube

 3   COMING AFTER     
                       劇中で挿入される曲で、サスペンス感を中和する役割を果たし 
      ています。ドラマの10話か11話あたりからはオープニング
      曲としても使われていました。

TRPP - Coming after+Pause [CLUB CASPER 2021 Day 2] - YouTube


K POP が世界を席巻するなか、韓国のロックバンドって目立たないのですが、今回、コロナ隔離のおかげて「調査官ク・ギョンイ」という秀逸なドラマに出会い、そしてこのドラマのおかげで、TRPP という,かっこいい韓国のバンドを知ることになりました。
チンチャ カムサハムニダ。

      

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