ホークスファンやめました
1973年の日本シリーズは読売VS南海ホークス。これをテレビで目撃したサル中学生は「おお、読売のライバルは阪神だけじゃないんや!なんだこの野武士みたいな緑の集団は?」と、一発でブラウン管に映る「南海ホークス」というチームのとりこになった。
当時は、藤原、桜井、門田、野村、パーカー、広瀬、定岡あたりが先発オーダー、投手陣は結構強力で江本、佐藤、山内新一、松原あたりか。
(江夏と江本は翌年にトレードになります)
しかし、私がファンになってわずか3年後、サッチーがらみのチーム内ゴタゴタにより野村克也監督兼選手が突然解任され、その後の南海ホークスは長い長い低迷期を経験する。
とにかくお金が無い「シブちん球団」で、ファンサービスも阪急と比べて雲泥の差だし、そもそもテレビや新聞には名前が出てこないし。
「南海は昔はそりゃあ強かったんやで、ナンバ球場はいつも満員や」というおじいちゃんの話を聞くたびに「ああ、俺はもっと早く生まれてきたかった」と思ったものだ。
ダイエーに身売りになって福岡に移転する、というニュースを耳にした時も、「ああ、これで選手の年俸もちょっとは上がるやろうし、福岡は野球ファン多い土地だから、ホークスもこれからは平和台球場で心機一転頑張れ。よかったな。」という気持ちが先にあって、悲しさとかは無かった。
それでその後、球界再編みたいな騒ぎがあって(ロッテとダイエーが合併する、とか1リーグ制になるとか、近鉄消滅とか)、ダイエーはソフトバンクが親会社となる。
当時、ダイエーという企業イメージはあんまり良いものではなかったので、IT業界大手のソフトバンクがホークス球団の親会社になる、ということで、ファンとしても誇らしい気分であった。
「これで今後はホークスがNPBを先導していくんや!もうなんでもかんでも読売主導の時代じゃないんだぞ!」
そして着々とソフトバンクホークスは福岡に根づいて、パリーグのイメージ向上に貢献してきた。
それがーーー
何か違和感を感じ始めたのは、イデホ選手がオリックスからホークスに移籍したころからか。ロッテのデスパイネ選手のころか。
他のチームで開花した外国人選手を、倍の給料提示してヘッドハンティングするやりかた。
いや金持ってるのはわかってるけどさ、「グラウンドには銭が落ちてる」っていう名言がある南海ホークス以来のファンとしてはさ、「筑後で鍛えて鍛えて、そこから汗水流して這い上がってきたものだけが、華やかなドーム球場で野球ができる」という、泥臭い根性ストーリーを期待するわけです。
「近藤、オスナ、有原」 みんなお金で買った戦力です。九州とは縁もゆかりもない、他球団ルーツの選手たち。
そして今回のトドメ、ライオンズ山川選手のフリーエージェントからの入団会見。
「とにかく優勝しますから!そのためならもう、何でもありですよ!金ならなんぼでもあるから!」
GMのコメントはそういうことだろう。
王さん、孫さん、小久保監督、なんでフロントの方針に賛成したんですか!
いやもう、一気に醒めましたね。
福岡のファンの皆さん、舐められてますよーー。「どうせ、こいつら山川がホームラン打ったら、どすこーーい! て一緒に叫んで喜ぶんだろ!まあ喉元過ぎれば、っていうやつですね。ちょろいっす。とにかく優勝すれば問題なし!」
シブチンの貧乏球団なんだけど、野村克也監督が他球団をクビになった選手を再生させて、強い阪急やロッテに立ち向かう、そういうところに共感して50年前にホークスファンになったんだけど、もうこのレベルまで来たら(一時期の読売より下品ですよ)「勝手にしてください、私はしらけました。」というのが本音。
ホークスファンを半世紀続けてきましたが、2024年からはファンをやめます。(山川を最初の1年間はずっと2軍に留め置く、というなら見直すけど)
オリックスが長い暗黒時代を脱出して、素晴らしい常勝チームに変貌した今、パリーグで一番応援しがいのある将来楽しみな若い選手が多いのはーー日本ハムファイターズです。
岩本の解説はうっとおしいけど、来シーズンはGAORAでファイターズの試合を観ようと思います。
さようなら我が心のホークス。