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改正電子帳簿保存法[令和4年1月1日施行]国税関係書類【スキャナ保存】(6)-要件:訂正又は削除-

改正電子帳簿保存法における国税関係書類のスキャナ保存の要件の一つ、訂正又は削除の内容について見ていきます。

スキャナ保存については、
重要書類、一般書類、過去の重要書類
を混在させて書いています。

上記の該当書類に応じて、以下のように表示しています。
(共通)      ← 重要書類、一般書類、過去の重要書類の事項
《重要》<一般> ← 重要書類、一般書類の事項
《重要》<過去> ← 重要書類、過去の重要書類の事項
《重要》     ← 重要書類の事項

電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則(規2条⑥二ニ)では、

次に掲げるいずれかを満たすシステム

とされています。


(共通)
■訂正又は削除を行った場合、これらの事実及び内容を確認できる(規2条⑥二ニ)

 訂正又は削除の履歴の確保(ヴァージョン管理)は、次に掲げることを全て
 満たす必要がある(問32)

 ▲スキャナで読み取った電子データは必ず初版として保存し、既に保存さ
  れているデータを改訂したもの以外は第2版以降として保存されない
  (問32)
  ・例えば、受領した書類の書面に記載された事項の訂正のため、相手方
   から新たに書類を受領しスキャナで読み取った場合などは、新たな記
   録として保存しなければならない(通4-25)
  ・書類に係る記録は、紙の書類に代えて保存しているものであることか
   ら、紙と同数の記録が存在しなくてはならない(通4-25)

 ▲更新処理ができるのは一番新しいヴァージョンのみとする(問32)

 ▲削除は物理的に行わず、削除フラグを立てるなど形式的に行うことと
  し、全ての版及び訂正した場合は訂正前の内容が確認できる(問32)
  ・訂正した場合、例えば、上書き保存されず、訂正した後の記録が新た
   に保存される、
   又は記録を削除しようとした場合、例えば、記録は削除されず(物理的
   な削除がされない)に削除したという情報が新たに保存されることをい
   う(通4-27)
  ・スキャナで読み取った最初のデータと保存されている最新のデータが
   異なっている場合、
   訂正又は削除の履歴及び内容の全てを確認できる(例えば、削除したと
   いう情報が記録された記録を抽出し、内容を確認できる)必要がある
   (通4-27)

 ▲削除されたデータについても検索ができる(問32)


 書面の情報(書面の訂正の痕や修正液の痕等を含む)を損なうことのない画
 像の情報の訂正は含まれない(通4-26)

 記録事項とは、文字の情報、色の情報などスキャナで読み取った書類の書
 面の情報をいい、
 スキャナで画像を読み取る場合、使用する者が意識することなしに何らか
 の画像に関する電磁的記録の補正が行われることが通常で、このような書
 類の情報を損なうことのない軽微な画像補正は含まれない。一方、訂正の
 痕や修正液の痕等が消えてしまうような画像補正の場合、画像補正前の内
 容が確認できる必要がある(通4-26)

 一方、訂正の痕や修正液の痕等が消えてしまうような画像補正の場合、画
 像補正前の内容が確認できる必要がある(通4-26)

 タイムスタンプを付したとしても、その後に何の記録も残らずにタイムス
 タンプが付されていない状態に戻せる場合、記録事項との適切な関連性を
 確保してない場合などは、
 タイムスタンプの検証では訂正又は削除の事実が確認できなくなることが
 あるため、
 タイムスタンプを付した記録の訂正又は削除を行った場合、タイムスタン
 プを検証することによってこれらの事実を確認できなければならない
 (通4-20)


(共通)
■訂正又は削除を行うことができない(規2条⑥二ニ)

 ・例えば、内容の書き換えができない保存媒体の場合で、保存媒体への
  データ記録年月日の記録、保存媒体自体に変更又は複製できない一連番
  号等を記録し、保存媒体自体の差し替え及び破棄を防止するなど、
  保存媒体自体の管理が適切に行われていることなどにより、保存されて
  いるデータが読み取り直後のデータであることを証明できるようなシス
  テム(問34)
 ・具体的には、例えば、他者であるクラウド事業者が提供するクラウド
  サービスにおいてスキャナ保存し、利用者側では訂正削除できないクラ
  ウドシステム(問34)

 訂正又は削除の履歴を確保しているシステムから、訂正削除ができないシ
 ステムへデータを移行する場合、
 訂正又は削除の履歴も併せて移行する必要がある(問34)


関連条文等

電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則第2条6項二ニ

電子帳簿保存法取扱通達4-20、4-25、4-26、4-27
(電子帳簿保存法取扱通達解説(趣旨説明))

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/030628/pdf/01.pdf

電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】問32、問34

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021006-031_02.pdf

おわりに

訂正又は削除については、重要書類、一般書類、過去分書類について、全て同じ要件となっています。

まずは現在、要件を満たすスキャナ機器なのか確認をしてみましょう。
取扱説明書だけでなく、試しに訂正と削除をしてみて、確認できる状況になっているかなど、実際に操作をしてみるとより良いでしょう。
例えば、システムのバージョンアップにより表示される仕様が変更される可能性もありますので、定期的に確認することも必要と感じています。

この要件を含めて、スキャナ保存よって、管理の流れを改めて見直す良い機会と考えられます。スタッフへの周知も含めて、この際にしっかりと体制づくりをしていきたいですよね。

今後、ペーパーレス社会がますます広がっていくことを想定しますと、制度をしっかりと理解して、体制構築をしていくことは社会的にも良い方向と考えています。

随時更新をしていきますので、引き続きご覧頂けますと嬉しいです。

これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

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