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【頭脳労働】立ち寝仮眠で頭のデフラグ

コストは約1,000円(1h)程度。仮眠後の集中力アップ効果は時給3,000円以上ワーカーから。

2023年8月26日。
ネスカフェ原宿店の睡眠カフェで『ジラフナップ(立ち寝)』を体験してきた。

睡眠カフェやジラフナップについては、もう様々なメディアやブログで記事にされているであろうことからここでは詳細を割愛する。

端的に、「試してどうだったか?」

事前に同意書にサインが必要
仮設トイレほどのスペース
この中は撮影NGだったので写真はないが空調完備、プライバシー完備、充電施設(コンセント)が整っていることが分かるだろう

可能性をものすごく感じた。

グーグルの本社に設置されているようなカプセル型のベッドタイプでは「熟睡」してしまうのがネックだっただろう。

業務に差し支えのない範囲の仮眠は30分が適当と言われるからだ。

それ以上寝てしまうと逆に疲れ(だるさ)を感じるらしい。

この立ち寝スタイルは尾てい骨と膝頭、そして上腕の3箇所に上手に体重を分散して乗せることで半立ち(言葉あってる?)のままでもしっかりと寝られる。

正確にはガッツリと寝るというよりも「まどろんだ感じ」。
これがいい!

ヨガ的に言うと、ヨガニードラを体験しているような、寝ているのか覚醒しているのかあいまいなゾーンでアタマを休めているようなイメージだ。

アタマの回転が何よりの資本である頭脳ワーカーにはもってこい。
仕事で疲れたり、とっちらかったアタマの中をデフラグすることができる。

で、この機体(施設)。
いったいいくらなのよ?と金額を知りたくなったのではないか?

ずばり300万円で販売と言う。

「高い!」

けど、

「高くない!!」

なぜなら、私の計算ではこうなったからだ。

結論:社員の生産性を20%あげるための費用は約1,000円

1台あたり300万円
仮に1日5人が利用したとしよう。

30分+インターバル

午前10:00~20:00まで10時間→5回→最大5名まで

耐用年数は仮設・公衆トイレなみの仮に15年としよう。

ビジネスの世界では技術の入れ替わりも早く最大5年償却と低く見積もっておいたほうがいいだろう。

5年→12ヶ月 × 5年=60ヶ月

営業日数312日 × 5年=1560日稼働する

1日あたり1923円償却

5名利用の場合で稼働率50%なら2.5名
40%なら2名(1名あたり961.5円)

その価値があるか?

30分961.5円の睡眠カフェを社内に導入しているのとかわらない。
他にメンテナンスコストもかかるだろう。

一人あたり961円の福利厚生だ。

社員の時給次第にはなる・・・

961.5円でその後の3時間の生産性が120%に上がるのであれば、昼食費用を拠出しているのとかわらない。

時給3,000円以上ワーカーが集うオフィスや、医療機関、それだけの将来価値が見込める受験生立ちの集う場所なら十分な費用対効果が得られそうな気がする。

約960円掛けて設備を提供し、
社員の30分(1,500円)を奪って、
その後の生産性アップ(20%アップ×3時間)の価値(1,800円)を見込む
(960円+1,500円)- 1,800円 = △660円

1回あたりの利用で同時に社員の労働時間も奪っていると考えれば付加価値は毎回660円の赤字だ。

償却コストを除けば黒字化するが、ここが単回で黒字化するには時給1万円クラスのワーカーでないと難しくなる。

そのレベルになるとほぼ独立できるレベルのエースビジネスマンクラスで、年収にして2,500万円を超えるような人々になる。

しかし、単回で黒字化を目指さなくてもいいという考え方もある。

なぜなら、頭脳ワークは単純作業ではなく、スキルの積み上げを期待できるからだ。

たとえば、今日得た3時間の20%の効率アップで積み上がったスキルを8時間労働の中での3時間のうちの20%分=36分の生産価値と見積もろう。

日々36分ずつの生産性向上。
積み上がっていくスキル。

コストは一定だがアウトプットに36分間分の成長がささやかながらべき数としてくて毎日加わっていく。

1日で黒字化できなくても、
1週間で見れば?
1ヶ月で見れば?
1年間で見れば?

社員に対する期待や目線が違うだけで、とんだ成長の機会を見いだせる。

恐るべし立ち寝スタイルの仮眠ブースの効果。

研究所勤務のヘルプデスク(私)としては、オフィスの無駄なオープンスペースに5台ほど設置できれば大いに喜ばれるものと見た。

無駄なオープンスペースは美味くも、役にも立つこと無く、従業員同士の「仲良く」が期待されるだけのただのお飾りになりがちだからだ。

立ち寝は日本人にきっと向いている。
豪快に「寝に行ってきます~♪」はこの国には似合わない。

サボっている雰囲気が出ない。
机に突っ伏して痛々しい姿を見せているわけでもない。

コーヒーを飲んでから、
立ち寝で仮眠し、
30分後カフェインが回って、
ビンビンになって職場復帰。

脳は休息できて、
眼もスッキリさせて、
正しい思考で還ってこれる。

アタマがフラフラで出したアウトプットは、
本人・他人問わず見直し、やり直しのムダが生じやすい。

それを思えば休ませよう。


■ 参考メディア記事

ニューヨークでも昼寝がブーム。こちらは30分1200円

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