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Vtuberを題材にした人気アニメがあることをVtuber界隈は知らなすぎる(キラッとプリ☆チャン2期)


はじめに

 Vtuberを題材に扱った人気アニメがあることをご存知だろうか? Vtuberを声優にしたり、既存のVtuberがアニメに出演しているのではない。YouTuberを題材にしたオリジナルアニメの第二期でVtuberが登場したのである。そのアニメは「キラッとプリ☆チャン」。いわゆる女児向けアニメであり、プリキュア等と女児界の覇権を争う作品である。作中ではYouTube的配信サービスの「プリ☆チャン」、YouTuber的存在でアイドル的な活動をする者を「プリ☆チャンアイドル」、Vtuber的存在を「バーチャルプリ☆チャンアイドル」と呼んでいるが、わかりやすさ優先で本記事ではYouTube・YouTuber・Vtuberと記載する。子ども向けのYouTuber、Vtuberを扱うアニメ作品としては最大の知名度を誇るが、意外なほどにVtuber界隈がこの作品の存在を知らないので、少し紹介しようと思った。

(ちなみにこちらの記事で先に俺が言いたいことがほとんど書いてある。https://note.com/nyalra2/n/n06530fa0cf17)




作中におけるVtuberの設定

 この作品には2タイプのVtuberが存在している。

 タイプ① アバターを使ってVtuberを演じている人間

 タイプ② 本物の電脳生命体(スーパーAI)

 タイプ①は、現実と同じで人間が3Dのアバターを使って配信を行うVtuberだ。作中では、YouTuberに憧れながらも自信がない少女がアバターを用いて歌や踊りを披露した。

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(後にVtuberとなる少女、虹ノ咲だいあ。内気でコミュ障でドルオタの彼女が頑張る姿に多くの女児やオタクが心打たれた。)


 タイプ②は、簡単に言えばキズナアイや電脳少女シロのような人工知能、電脳生命体のようなものである。この作品内の日本は現実より科学技術が進んでおり、3期にもなると電脳生命体達がホログラムの身体で街中をウロウロしまくる状態となる。

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(3期でアイドルデビューしたVtuberの一人、「キラッCHU」。山下七海さんのボイスが超可愛い。)




 アバターとしてのVtuber

 本作は子ども向けアニメであるが、「アバターを使うのは逃げ」のような話は一切ない。そこに描かれているのは、自信がなくてどうしてもできなかったアイドル活動に対して、Vtuberという形式で踏み出すことができた勇気や達成感だ。歌やデザインの能力がありながらも、コミュニケーションや容姿に自信がなく、友達も居らず、祖母と暮らす日々…そこからYouTuberに憧れ、Vtuberに至るまでの過程は、Vtuber界隈を知る者の心に少なからず刺さるものだろう。より最近の作品では、別の観点からではあるがニジガクの天王寺璃奈の扱われ方に近いものを感じることができた。

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(ラブライブニジガクの天王寺璃奈。プリ☆チャンとニジガクは一部スタッフが被っており、信頼できる布陣である。)


 電脳生命体としてのVtuber

 現実のVtuberにも「中の人がいるタイプ」と「中の人などいないと自称しているタイプ」が存在しているが、本作では正真正銘の人工知能がVtuberやYouTuberのサポート役として活動している。人工知能にも人間と同じく感情があるほか、いわゆるブラックキズナアイのような設定まであり、スタッフが実際のVtuberを研究していることがわかる。本作では、「人間も人工知能もYouTubeを通して繋がり、仲良くなることができる」という旨の優しい結論が描かれており、現実もこうだったら良いのに…と思わずにいられない。

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(感情を持ち、さらにグレて黒化した通称「黒だいあ」。幼児期からロールパンナちゃん等で英才教育を受けたオタクのみならず、女児にも人気のポップな黒化だった。)


おわりに

 そんなわけで、超簡単に「Vtuberを扱ってる面白いアニメがあるんだぞ」ということを紹介した。Vtuber文化の定着を願っていながらも本作に全く触れないような人が少なくないことが本当に惜しい。前作の「プリパラ」や前々作の「プリティーリズム」の楽曲をにじさんじ、ホロライブのVtuberが歌ってツイッターのトレンドになること等もあったので、もっとアンテナを高く持ってほしいと自戒を込めてこの記事を書いた。余談になるが、キラッとプリ☆チャンはシリーズ10周年ということで過去の作品との繋がりが強く意識されているので、過去作のファンだった方は是非見ていただきたい。

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(3期で登場した「激川ゆい」。どう考えてもアイドルタイムプリパラの主人公「夢川ゆい」の異世界同位体である。俺の推しでもある。)