2023年度上半期ぐらいまでのPTA問題を集めてみた
PTAに関するニュースをまとめて貼っておきます。
埼玉県さいたま市PTA協議会が上部団体である公益社団法人日本PTA全国協議会に宛てて出した公開質問状についてのニュース。
6月に開催された日本PTA全国協議会の定時総会で説明を求めるために提出されたものです。
4740万円の赤字については、国内研修の実施、ホテル代の高騰、新聞の発行回数の増加が原因として、それに対してさいたま市PTA協議会は「理解できた」としています。
しかし、理事会の決済過程が不透明な点には苦言を呈し、日本PTA全国協議会の開館修繕の契約内容や経緯についての説明を求めています。
修繕費は約2000万円にのぼっているので、業者の選定や見積の精査など、選考課程と決定についての透明性が求められるでしょう。
こうした修繕工事などの選定については、適切なコンペティションを実施するマニュアルのようなものがあるといいなと思っているのですが、なかなか見当たりません。
これあたりを参考にして、素人判断で見積の安いところを選ぶという「愚」を犯さないようにしたいと思うのですが。
https://www.mlit.go.jp/common/001236353.pdf
費用は掛かっても、建築コンサルに依頼してシッカリとした修繕計画を立てることは、長期的に見ると安くつくことになると信じています。
ただ、その信頼できる建築コンサルを選ぶのが難しい。。。
マンション管理でも10数年の周期で大規模改修工事が必要になるため、この修繕業者選定問題は重大だと考えています。
日本PTA全国協議会からの退会や、PTA自体を解散してしまう動きについてのニュース。
記事では、日本PTA全国協議会から退会した東京都小学校PTA協議会(現・東京都PTA協議会)を取材。
東京都小学校PTA協議会への参加校は約190校。すでに都内約1300校の公立小学校の15%しか加盟していなかったということも衝撃ですね。
退会した東京都小学校PTA協議会は名称を東京都PTA協議会に改め、「公立小中一貫校の中学校も対象に、会員と非会員の区別や会費をなくし、PTA活動の担い手である役員の支援を目指す」組織としてリスタートしています。
大会のきっかけは、コロナ禍で全国組織としてのさまざまな無駄や矛盾が表面化したことが大きいようです。
それに伴い、PTAの在り方を考え直し、退会という選択に至ったというわけです。
東京都PTA協議会は、「ブラックだと感じる組織ならないほうがいい」という考えで運営されていることが大きな推進力になっていると感じます。
実際に、東京都立川市立柏小学校PTAが昨年度限りにPTAを解散した事例を挙げ、現在まで「困っていることはほぼない」という結果に至っているとのこと。
これは、改組した東京都PTA協議会と柏小学校PTAが違う道を歩んでいるということを示しているわけではなく、よりシンプルにしたかたちが柏小学校PTAなだけであって、よこの連携が必要になれば、その目的のためだけに協力態勢を組めば良いということになるでしょう。
実際に、東京都PTA協議会は組織を運営するためではなく、それぞれの学校単位のPTAに移行するためのサポートをしているという印象を受けます。
記事では、「学校と保護者が直接つながる」ことによって支援体制を組むことができることをめざしているとしていますが、そこはまた、先生の負担を減らすということも含めて、時代に即したPTAをめざしていただきたいと思うのです。
東京都PTA協議会の経緯については、こちらの記事に詳細が掲載されています。
PTAの実態に関するアンケート調査です。
ここでは、PTA役員の決め方についての結果が掲載されています。
あまり突っ込んだないようではないのが残念ですが、こうしたツールを協議会の方々がうまく利用して、実態の把握に役立てたらいいのではないかと思った次第。
年度が替わると、不祥事を明るみに出てくるようです。
これは、さいたま市PTA協議会に1000万円の使途不明金があることが明らかになったことを伝えるニュース。
名目は「防災事業委託費」だとか。
さいたま市PTA協議会は日本PTA全国協議会に公開質問状を出していた組織ですが、自分のところにもこんな問題があったのですね。
こうしてどんどん透明化する動きが活発になるのが望ましいのではないかと思います。
この件は、保険代理店が預かっていたものを、事業がコロナ禍のために頓挫したので、全額返金かれたそうです。
それにしても、役員が知らない事業のために公金が支払われていたということは大問題でしょう。
調査のため第三者委員会が立ち上げられているようなので、続報があれば取り上げたいと思います。
こちらは宮崎・都城市の中学校のPTAで起きた不正引落事件。
これは犯罪のニュースですが、PTA側にもチェック体制の不備など問われる部分があると言えます。
ガイドラインもなく、一部の有志による慣例に支えられた組織運営がもたらした典型的なシステム疲弊の実例と言っても過言ではないかもしれません。
東京の練馬区小学校PTA連合協議会で、100万円超の不適切な会計処理が明るみに出たことで活動が停止しているというニュース。
練馬区小学校PTA連合協議会には54の小学校が加盟。
2022年度の会計処理が遅れていたために調べたところ、会計担当者が関与したと思われる不適切な会計処理が判明したようです。
組織で金銭を扱う場合のルールが明確でなかったことはもちろん、1人で資金を移動できないようにするといった工夫が、健全な組織運営のためには必要だと考えます。
例えば、マンション管理組合では、管理組合の口座の通帳と印鑑は別の人がそれぞれ管理することを徹底しています。通帳はマンション管理会社、印鑑は管理組合理事長がそれぞれ管理することが一般的。
また、管理費や経費なども現金でやりとりすることがほとんどなくなっていることも、こうしたトラブルを未然に防ぐことにつながっていると言えます。
Twitter(現・X)で話題になっていた、新任PTA会長を扱った漫画です。
新任の挨拶で、まず触れたのが「ベルマークを集めて集計する作業」について。
彼女は、収集したベルマークを廃棄し、自分のポケットマネーで1万円を寄付すると宣言します。
そして、バザーの開催を中止。
要するに、手間がかかって集金の意味を成さない事業を「捨てた」ということです。
バザーの中止で浮いた予算は、地域パトロールの委託費に流用。
集めたPTA会費をどのように運営していくのかは合議制であるはずなのですが、これに反対する人がいなかったというところがオチになっています。
確かに、無駄と矛盾をピックアップして、最短の解決策を提示した小気味よい漫画に仕立てられているとは思います。
しかし、実際に年度中は子どもと学校にかかわる問題がいろいろと発生するはずですし、「以上!」で終わらせられる問題でも組織でもないところがPTA問題の難しいところ。
PTAの在り方を考え直すきっかけとしては効果がありそうですが、おそらくは「今年のPTA活動は終了です」と言われたとしても、不安なく退席できる保護者の方々は少ないのではないでしょうか。
その不安をケアできるシステムや組織運営を模索することが、今後のPTAには求められているのだと思うのです。
東京・八王子市上柚木小学校PTAの解体とボランティア組織としての活動についてを取材したニュース。
もともと全国組織に属さないPTAだったそうですが、活動内容として集金作業のほかラジオ体操や清掃活動、防犯ポスターなど12の活動について問題があることを明らかにしました。
この活動内容をどうするかをもとに、解体か存続か縮小かを検討していったとのこと。
また、最大の懸案である役員決めについても、「抽選してまで活動する必要はない」というアンケート結果を得て、改革に踏み切ることができたというのです。
やれることをやる、やれないことはやらない、やらなければならないことややったほうがいいことは助けを借りる。
記事では、PTA支援サービス「PTA’S(ピータス)」の紹介もあります。
こうした柔軟な考えによる運営ができれば、自主的に参加してくれる人も増えるのではないかという、希望をもつことができる内容の記事でした。
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