この春

居間を片づけ明日藍をたてよう。
薪ストーブの横の、犬の寝床の隣にでも甕をおこう。
春を待つ雪の隙間の明かりの窓で、灰を炒り灰汁を取り、スクモに灰汁を馴染ませよう。

たつまで七日は少しづつ、灰汁を足しながら藍をまとう。あらいの場所を作んなきゃな。裏の池の雪解け水をうまく使える枡をつくろう。日射しはなかなかないけれど、晴れた時には寒晒しするように、物干しの縄も張れるようにしよう。ここにきて二年が過ぎる。家の床の修繕だって、荷物の片づけだって、てんで進んじゃいないけど、藍甕をたてよう。


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