記憶と反復2 バー鳥渡にて開催中の、雪の上、ブナの落ち葉、足の裏の肉球が弾む 5 (~5/24高円寺)に寄せて。

記憶と反復2

 今日は、生コンじどり軽トラ準備編だ。

 東京の三田、蟻鱒鳶ルで、コンクリートを岡親方の元で、ひと月ほど習っていたのが、熊猟のひと月前の三月のことだった。二月の末に出発する時、家の前の三mのポールが雪に埋まっていたのを覚えている。

 季節は過ぎ、もはや梅雨かと感じさせる五月中ごろの今日、来週から始まる炭小屋の布基礎、長さ三十二m、体積三立米の打設に向けて、配筋、型枠、運搬方法を進めていた。生コンを近くで買って、打設しようと考えている。

 自分で材料を買ってきて手練りした場合、価格はおよそ生コンの半額の1立米1万円になる。今かりに、1立米のコンクリートを打つとする。その総重量は2.3t程度である。材料を積むまでは、購入時に済んでいたとしよう。それでも、荷卸し、計量、から練り、本練りと四回は最低でも運ぶことになり、そして、ようやく五回目に型枠に打ち締められることになる。ちなみに、僕は 0.5立米(砂利だと667kg、コンクリだと1150kg)で、一日十分くたくたになる。うまくいって、1立米までだろう。なので、3立米の運搬は3日から6日かかる。なので、手練でやると、4回これが加わるので、だいぶ季節が変わってしまう。梅雨模様の今、時間のかかる打設にはもってこいなのだ。外気温が25℃以下なので、打設に120分使える。これは、25℃以上の時よりも、30分長い。また、直射日光を遮るための屋根をかける必要がない。いろいろと湿式固化のコンクリートには都合がいいのだ。そこで、コンクリートを生コンやさんから購入することに決めたのだが、気になるのは配合と価格である。

 価格は大雑把には分かった。ここ最近価格は上昇しているのようだ。生コンに全く詳しくないのだが、水セメント比50%切るにはどうしたらいいですかと聞いたら、受付の人に少し困惑されたが、奥からパーマの背の高い工員さんがやってきて、30‐8以上じゃなきゃだめだ。と教えてくれた。生コンは初期強度と、流動性で注文される。しかし、配合は素材の話で、注文に表れるものはコンクリートの性能なので、実験値への参照なしには解読できない。なので、翌日も行って、配合を聞いてみた。普通の生コンだと、21‐8 で、1立米19500円、砂利995、砕砂580、陸砂248、セメント288、水166、AE剤3.74、水セメント比50%切る(計算したら47%)30‐8で20600円、1010、532、228、351、166、4.56ということだ。安い方を買って自分でセメントを足しても、値段は変わらない。空練りを買ってくると、値段は一緒でもAE剤が付いてこない。そこで、ミキサーで運んでもらうと、2.1立米から配送割増がなくなるそう。しかし、そんなに沢山2時間程度で打てるわけもないので、結局じどりと呼ばれる、トラックに練りたての生コンを積んでもらう方法をとることにした。0.3立米積めるそうだ。
軽トラに生コン積むのか。どうやって養生しようかと考えながら、ボロのブルシートの端をまるめハトメを打った。

 「手練りが買ってきた場合の半額」と先ほど書いたけれど、それは、砂、砂利が砕石で0.5立米1550円、セメントが25kg500円、による。

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