振り子時計

二ヶ月ほど家を空けて帰ってきたら、電気が止まっていて、ゼンマイの振り子時計も泊まっていた。夜中に帰って来たのに、片道40分かけてコンビニに電気代を払いに行き、帰ってきたころには復旧していた。その2か月間は、電気の無い暮らしだった。ろうそく、灯油ランプ、ヘッドライトが夜の明かりだったから、帰って来てから電気が付くということにドップリつかっている。昨日ヘッドライト付けて薪を運んだ時に、ヘッドライトとても大事にしてたのに、今ではちょっとそこにある程度だなと思った。電気の話は今日はよくて、振り子時計の話だ。

 久しぶりに動かし始めた時計は、少し遅れ気味だった。振り子の長さを変える微調整を気づいた時にやって行ったら、ついに全然くるわなくなった。私の基準では、三日廻っても、一分ずれていなければ、「すごい正確」となる。ゼンマイだって、暖かくなれば延びるだろうから、季節毎に少しづつの調整がいるのだろうか?こうした仮説も、整って初めて建てることができる。藍染も、色々比較したいことはあっても、スクモの状態や甕の温度がゆらぎがあって、その上で生地や染め方もあるので、まだまだ、整っていない。膨大な試行錯誤とその土地になじむことが必要だ。それにしても、場所を作るということの達成への意志が自分は足りない。快適という所まで行かなくても、使い始めてしまうし、そうすると周りの人は手が出なくなってしまう。複数の場所に、一つの体。毎日、どこかに自分はいる。隣にいる振り子時計のように、微調整の応答がきこえる場所をつくってみたい。

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